親と子と携帯と
- カテゴリ:家庭
- 2011/10/07 00:45:02
春先のことだ。
犬を大きな公園に遊ばせに行ったら、駐車場に母子の乗るワンボックスカーがやってきた。
まだ30代とおぼしき母親は、車を止めると、助手席から降りた七歳くらいの女の子に向かって言った。
「じゃあね」
すごくぞんざいな言い方だった。子供は、黙って車の後部から自分の自転車を下ろすと、おとなしく駐車場で乗り回し始めた。
補助輪つきの自転車も、かぶったヘルメットもピカピカ。なのに、全然楽しくなさそう。
母親は、運転席で携帯をいじりはじめた。子供の方には見向きもしない。
かと思いきや。子供が、たまたま車の後方に自転車を移動させた時、すごい剣幕で怒鳴ったのである。
「バカこの!」
東北訛り丸出しなので、言い方がものすごくきつい。
(東北では、相手をののしる時に「この」と付ける。こいつ、の略)
そのあと、「危ないでしょ!」とかなんとか、怖い声で怒っていた。
確かに、車のま後ろは危ない。事故が起こったら大変だ。
けれど、言い方ってものがあるのではないだろうか…。遠目で見守りながら、そう感じてしまった。
子供は、母親と遊びたそうだった。でも、母親はまったく車を降りようとしない。
彼女は、公園なんかに行きたくなかったのだ。
それでも、子供が何かねだったのだろう。新しい自転車の練習がしたいとか、休日なのだからどこかに連れて行ってほしい、とか。
それで彼女は仕方なく公園に来たのかもしれない。
行きたくなかった理由は、いろいろあるだろう。家にやることが山積みとか、仕事がうまくいっていないとか、自分がしたいことがあるのに、母親の義務を果たさなければと言う義務感から、無理に子供の要求を優先したらなんかムカついて八つ当たりしたとか。
怒鳴る声には、そんな雰囲気が感じられた。
女の子は、おとなしそうな子だった。母親に怒鳴られても、ひと言も発しなかった。
きっと一人っ子なんだと思う。彼女は、母親に逆らうことができないのだ。
もともと優しい気質なのがあって、気持ちを内にこめやすいんだろう。
お母さんを怒らせているのが自分のせいだとわかっている顔だった。
母親は、怒ったら怒りっぱなしで、車から降りずに、また携帯をいじっていた。
それでいて、娘には「遠くにいかないでよ!」と、釘をさす。
駐車場なんかで乗り回したって、面白くも何ともないだろうに。この子は、お母さんと一緒に散歩がしたかったに違いないのに…。
俺の家の近所に、団地がある。
そのうちの一棟の前を犬の散歩で良く通るのだが、そこの駐車場で、若い男が止めた車に乗ったまま携帯をいじっているのを時々見かける。
この団地は家族がいないと入れないので、この若造も妻帯者なのだろう。
まだ20歳過ぎたばかりの、今時の男という顔つきだ。
彼は、仕事から帰ると、まっすぐ部屋に向かわずに、この駐車スペースで、車の中で携帯をいじっているのである。
そんなに急なメールでも入ったのかと考え、彼が毎日のように、帰宅後にいったん止めた車の中で携帯を操作している姿を見て、違うと思った。
彼は、家に帰りたくないんだろうな、と。
携帯のメールチェックなら、家でもやろうと思えばできる。
でも、きっと家に帰ったら、奥さんや子供が彼の居場所を奪うのだろう。
団地の部屋はせまい上に、一個の空間を仕切っていてもプライバシーなどないに等しいから。
携帯やネットは、繋がるとすぐに、そこに自分の居場所を見いだせる。
その場にいながら、画面を通して、意識は別の世界に飛ぶ事ができる。
昔、帰宅恐怖症のお父さんたちは、自分の書斎がない場合、トイレだけが家庭の居場所だったとされる。
もしくは、パチンコ。あれも、人が密集していながら個人の孤独が守られる稀有な空間である。
人は一人になる時間と空間が必要だ。人に気遣いすることなく、自分でいられる場所。
それがないと、息が詰まってしまう。
それはわかる。わかるけど…。
どうして、携帯を見つめる彼らの顔は、あんなに他を拒絶しているように映るのか。
スーパーのレジで、会計の最中に携帯を見ている若い母親。カートに載せた子供の事も忘れていた彼女の姿を、今でも時々思い出す。
そういう親の子は、先に話した公園の子と同じく、とてもおとなしい。
彼らは、黙って親のすることを見ている。
いや、待っているんだろう。親が、自分に気づいてくれるのを…。
俺は子供を持ったことがないので、偉そうなことは言えないんだけど。
その人達もいろいろ抱え、苦労しているんだと思う。
でも、親が携帯を見ているその脇で、寂しそうな顔をしている子達のことが気がかりだ。
あの子達も成長したら同じことを繰り返すのだろうか、とか…。
自分の居場所は大切だけど、その前に、手を繋ぐべき人が隣にいることを、忘れたらいけないよね。
人それぞれですからね。この母親さんも、ほんとは責任感が強い人だと思います。いつもこんな調子じゃないのでは。たまたま、機嫌が悪いだけだったのかもしれません。
でも、子供にとっては、親は神様ですからね^^;
理想的なのは、それこそ絵物語みたいに、子供に常に笑顔で接して、一緒に遊んで…というものなのでしょう。
けれどそれが無理なので、いろんな葛藤があると思います。
だから折り合い、ですよね。親だって一人になりたい時間は必要ですから^^
私も子供を持つ親としてこの母親の気持ちも
少しだけならわかる気がします^^
私は働いているので自分の時間や息抜きが出来ますが
専業主婦は大変だろうな~といつも
思います。
けど子供には特に小さい頃にはもっともっと遊んで上げて
欲しいですね^^
このブログを読んで私も気を付けようと思います(n‘∀‘)η
あれはとても印象に残ってしまったので…。
その子供がかわいそうで。隣の芝生では、別の小さい子がお父さんと仲良く遊んでたんですよ。この差はなんなんだろう、と。
その子の母親のしゃべりかた、ほんとにめんどくさそうだったんです。
それなら連れて来なければいいのにと思いますが、せっかく自転車も買ってやったし、乗せないと元が取れないとか、なんか…そういう我欲が先に出た態度なんだろうな、と思っちゃいました。
あの調子では、ママ友がいても愚痴しかしゃべらない人でしょう^^;
母親って、なぜか神聖視される風潮がありますが、親だって人間ですしね。
いつでもどこでもマリア様みたいにはなれないと思います。
かくいう俺は、犬を飼っていますが、犬を飼う事は子育てとよく似ているなと、日々感じるんですよ。
犬は、赤ちゃんと同じで何かと手がかかります。毎日散歩に連れて行くの、俺は最初嫌だったんですよ。
自分のやらなければならないこと、やりたいことを置いてでも、彼らの面倒を見るのがね^^;
だから、公園の母親の気持ち、ちょっとだけわかるんです。
余裕がないと、子供と散歩なんてできない。彼女は彼女でやりたいことがあったに違いないんです。
でも、子供の自転車は大きくなったら乗れなくなるし、良い天気の休日には子供と外に出た方が良いのはわかってるし、何より母親として義務と責任がある…。こんな時に夫は仕事(もしくは遊びに出た)で、なんで私一人でこの子の面倒を見ないとならないの。
なんて、考えていたんではないでしょうか。案外責任感の強い人かもしれませんよね。
だからといって、した事が良い事では決してないですが。
ネグレクトに等しいこと、今の世の中は特に多いと思うんです。携帯などに、安易に逃げ場があるから。
でもそれがなかった昔は、否応にも子供や家族と向き合うしかなかった。そこで、主婦でも趣味を持とうという風潮が広まっていた気がします。
要は、一人になる時間のけじめを付けた方が良いって事ですね。
ご飯食べる時、外に遊びに出た時はお互い顔見て話す、それだけで良いと思うんです^^;
ママ友に、呼び出しメールでもしていたんならいいんだけどね。
人と向かい合っていくのって難しいですよね。
パソコンとか携帯の小さな画面にほっとする、そんな気持ちもわかってしまいます。
でも、やっぱり、親であるからには、子どものことは忘れてほしくないですよね。
子どもは親に育てられるけど、親もまた子どもに親として育てられている部分も大きいと思います。
子育てをしたことがない私が言うのもなんですが、逃げないで子どもと向き合ってほしいなって思います。
「人のフリ見て我がフリ直せ」
まずは己の隣人から愛さねばならないなぁ と思いました
本当に言葉には魂がやどっていて、
いい言葉で育てるのと、悪い言葉で育てるのでは全く育ち方が違いますよ。
悪い言葉よりもっと悪いのが無視。
児童教育の観点からみたらその母親はかなりよくない対応かと思います。
もちろんいろいろ事情はあるんでしょうけれど。
育児が大変なのもよくわかっていますがね。
でもやっぱり、子どもが可愛そうに思えてしまうね。
なんとも 寒々しい 光景だなぁって 見てました。。。
かく言うσ(*・Θ・じゅ)あたし♪も ただ今 ニコ中~まっただなか!ヾ(≧∀≦*)
パソくんの画面と リアリアの 境目。。。しっかり 見極めてないとだな って
思いますの(*≧▽≦)ノダァ-ッ♪
子どもって 親のこと ものすんごぉ~っく しっかり見てるんですよね!(。・ˇ0ˇ・。)ノ
親の前では 現さないしぐさや 言葉が ひょっとしたときに 表に出たりするものです。
にっぽんの未来(あした) いろんな意味で 心配だな。。。
そうなっていないか、チェック、ちぇっく!
大丈夫かな、俺!?
・・・って、思いました。
自分が存在するから母親が不幸なんだって思っちゃう場合もあるらしいですね。
せっかく自転車があって、公園に来てても、親と関われないというすれ違い><
読んでて切なくなりました。。。
どんな姿でも、親のことを、子供は見ていますよね。
わたしは、携帯はそんなに使いませんが、パソコンに向かう時間は多いです。
子供が帰ってきても、パソコンしてるときあります。
それで、次男がテレビを見てて、「次、パソコン使いたい」と言う。
「今、代わるからね」と言うと、「好きな時間でいいよ」と言われ、
かえってなんとも言えない気持ちになります^^;
パソコンを交代するだけじゃなく、ちゃんと遊ぼうって思っちゃいます^^;
幼稚園の帰りに、「公園に寄りたい」って言われて、「今日は買い物に行くからまたね」と言うと、
車の中で叫ぶし、買い物カートの車では変な乗り方して、自分の不満をアピール^^;
長男のことを考えても、どうやらうちは、体当たりで言いたい放題の関係です。
ニコタについ逃げ込みますが、大事なのは家族ですよね。。。
蒼雪さんは、子供を持ったことがないと言っても、偉そうに…って思いませんよ。
この3つの話、ほんと誰もが気をつけないといけないことだと思います。
確かに、言われるような場面はよく見かける気がします。
公園に子供と遊びに来ているのに、ひたすら携帯で
メールやネット(?)をしているお母さんも、ちょいちょい見かけます。
みんないろんなものを抱えながら生きていて、息抜きや
心のよりどころをネットや携帯に求めているのかもしれません。
かく言う、私もその一人。
かつて、娘に「ママはいつもパソコンしてるね」と言われたことが
あります(^_^;)ショックでしたよ。
最近は、娘もPCを触るようになり、お互いのコミュニケーション
ツールとしての役割も果たすようになりましたが・・・
我が家ではまだ娘に携帯を持たせていませんが、数年のうちには
持つようになるでしょう。
それまでに、しっかりと生のコミュニケーションの方がより大切なことだと
覚えていて欲しいですね。私も気をつけなくちゃ(*^_^*)