Nicotto Town ニコッとタウン

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気分はマイナス 3

 百雪ママの話を聞きながら利弘が酒を水割りに変えた時だった。
「いらっしゃいませ」
 いきなり、百雪ママの大きな声が店に響いた。
 中年の二人ずれの男が店に入って来た。
「おひさしぶりです」
「ひさしぶり。ママはいつもきれいだね」
「まぁ、お世辞がうまいわね」
 男の一人がママと軽く挨拶を交わした。
 男達は利弘とふたつ席を空け二人並んで座った。
「どうされてました ?」
 ひさしぶりのお客の来店にママが喜ぶように聞いた。
「いや、仕事が忙しくて」
「先生の仕事、法律関係でした ?」
 男は答えなかった。
「なにになさいます ?」
 百雪ママは前の言葉を消すようにすばやく聞いた。
「そうだね、ビールでも頂くか。トミさんは ?」
「同じで」
「ビールね。はいわかりました」
 百雪ママは注文を聞くと小さめのグラスを二つ出し冷えたビールを一本、二人の真ん中に置いた。
「はいどうぞ」
 百雪ママはビール瓶を両手で持ちおしゃくのポーズをとった。
 男はグラスを手に取るとママが少し傾けているビール瓶の口へグラス持っていった。
「冷えてうまそうだな」
 男は連れにもビールがそそがれるのを待ち乾杯して一口飲みグラスを置いた。
「ママも飲む ?」
「少し頂こうかしら」
 そう言いながらママは新しいグラスを両手で持ちお客に差し出した。

 利弘は前の棚を見ながらママのお客への一連の対応が終わるのを待っていた。
「おはようございます」
 明るい声で清子が店に出勤して来た。
「いらしゃいませ。いらしゃいませ」
 お客に順番に挨拶をしながらカウンターに入りママの後ろを通り利弘の前に立った。
 清子は少し小柄でぽっちゃり系、胸も大きく細身の百雪ママとは対象的であった。
「としちゃん久しぶり。三週間ぶりかな ?」
「そうかな」
「わたしも頂くわ」
 清子はそう言いながら自分で水割りを造りグィと飲んだ。
 ママは隣のお客と世間話をしていた。
「としちゃんこちらの方、法律にすごく詳しいの。わからない事あったら聞きなさい」
 ママが突然話しを利弘の方に振った。
「はい。ありがとうございます。今は別にありません」
 利弘は軽く頭を下げながら挨拶をして小さい声で答えた。
「弁護士さんですか ?」
「ちがうみたい。ほかの仕事されてるけれど詳しいの」
 清子の興味ありげの質問にママが答える。
 利弘は違うことを考えていた。
「この二人はきっと刑事だ。お客になりすまして様子を伺いにきたのだ」
 根拠は無いが酒の飲み方やしゃべり方が利弘の勘を刺激した。
 利弘はこの数ヶ月誰かに尾行されているような気がしていた。
 コンビニへ買い物に行っても、電車に乗っても誰かに見張られている。利弘が何か悪いことをしでかすのを待ってるように思えた。








#日記広場:自作小説

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2009/05/17 21:15
殺人事件になるかも。
うそです。
コメントありがとう。
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2009/05/17 21:10
全然 先が見えませんよぉ ^^;

でも、飲み屋の雰囲気って素敵ですね。
会話が大人同士のやり取りって感じで w

不穏な空気が漂い出して、話がどうなっていくのか楽しみです ^^
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2009/05/17 18:37
なぎさおねえさまコメントいつもありがとうございます。
展開をもう読まれているのではないかと。
いまストーカーのHPを読んでいました。
人間の気持ちは紙一重。
ゴキブンもあかんかも。
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2009/05/17 17:14
おぉ~いよいよ動き出しましたね!
それにしてもゴキブンちゃんの文体は読みやすいね
それに・・情景が手に取るように分かる
描写も自然で細やかだ!
なんか・・ワクワクしてきたよ~
ゆっくりでいいから・・次回の展開を楽しみにしてます^^v



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