~争いの無い世界~*最強少女の知られざる過去Ⅳ*
- カテゴリ:自作小説
- 2011/10/21 19:58:45
召喚族――…。
間違いない、この気配は、私と同じ。
――…
何でそんなことを言うのだろう、みたいな表情でこっちを見た。
――…何か言いたいことあるんじゃないの
――…どうして私が召喚族と…
やっぱりね。
そういう質問だろうと思った。
――気配を読みとっただけ。
――…気配?
その言葉で少女は首を傾げつつも問いかける。
――私、気配ちゃんと隠してましたけど…
――何?私が嘘吐いてるとでも?
――そうじゃなくて、気配洩れても無いし今の状態で気配を読みとるなんて、貴方…
…しまった。
そう思うと方向を変えて去ろうとした。
――御免、用事思い出した。
――とてもそのようには思えませんけど。
――…どういうこと?
――言葉の気配で嘘か本当か…私には分かるんです。
言葉の気配で嘘か本当かを見分ける能力か…厄介だな。
バリバリと頭を掻きながら思った。
――…あの、良かったらお名前教えてください
――…!?
その言葉で頭を掻くのを止め、目線を下にやり、言った。
――私の名前なんて、聞いただけで誰もが避けるのよ
――…え?
少女が聞き返す。
けど私は、何も言わず来た道を走って戻った。
…するりと落ちてしまった大切なペンダントに気付かずに。
それから家に戻ると、乱暴に鞄を机に抛る。
今日は色々と面倒な事したな、と思いながらベッドに倒れる。
顔を横に向けてボーっと壁を見る。
暫くして、大事なペンダントが鞄の中に入ってた事を思い出すと私は鞄のポケットに手を突っ込んだ。
――…あれ?
…おかしい。
何かがおかしい…
――…
私は手を突っこんだまま固まった。
――…嘘、どうして…此処に入れてあったのに…
そう。
無くなってしまった。
大事な大事なペンダント。
いつも持って置きたいから鞄のポケットに入れたのに。
――…ぅー…
くしゃ、と髪を少し乱しながら唸る。
どうしてこんなことになったんだろうな、と思いながら。
それから私は何処までペンダントがあったのか記憶を辿る。
――家出る前にはあったし…街を歩いてる時にもあったし…
記憶の奥へ奥へと辿ってやっと見つけたのはあの出来事。
不審な男達から召喚族の少女を助けた時。
あの時、鞄を踏まれない様に抛り投げたのは覚えている。
…けど
ポケットのペンダントが無い。
親からもらった、唯一両親の事を思っていられる大切な物。
そんな物が、無くなってしまった。
あの出来事の所為で。
――…あんなのと関わらなかったらこんなことにはならなかったのに…
ポツリ、と呟いた。
それを呟いてから、部屋の中がシーンとする。
…本当にそう思ってるの?
過去に教えられた、母の言葉。
―――『玲、貴方は困ってる人をすぐ助けられる優しい子に育つのよ』―――
覚えてる。
あの事は二、三歳だからそのころの自分の記憶は曖昧だが、その言葉だけはしっかりと覚えていた。
――…こんなこと考えてても、ペンダント戻ってくるはず無いし…明日探してみよう…
もう一度、あの場所へ。
あの出来事が起こった、あの場所へ。
大事な大事なペンダントを探しに―――――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続く
最近ブログ書いてなかった&小説書いてなかったから久々の更新。
途中からペンダントの話になってるけど、
これはあの子と繋ぐ大切な物なんだからな(`・ω・´)キリッ((
次の話はどういう展開にしようかな((