安政のTPP
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- 2011/10/30 11:04:18
TPPは「平成の開国」とは、先の将軍の言葉であったか。さすれば、安政の世において、米国らと通商条約を結びしは、安政のTPPと言うべきもの。
歴史は繰り返すの言の通り、先人の行いに学び、また、反省を見出し過ちを繰り返さざるは現代を生きる我々の務めなれば、しばし、安政のTPPを省みるものなり。
安政のひとつ前の世、嘉永の世は若手イケメンとして大奥も時めく阿部(正弘)内閣(=主席老中)にて、悩みしは、蘭国より伝えられし海の彼方の米国がとみに国力増し日本国に艦隊を発したことへの対応。早速に情報集め、先に震撼せし清国阿片戦争後も検討するに、「とりあえずぐだぐだと引き延ばしお引き取りいただく」を上策とするも、米国流の「銃をつきつけイエスorノ-」に困惑、結局は和親条約、更には将来的な通商条約締結に向けた交渉を受け入れたり。
この黒船と相次ぐ震災を凶事として、世は嘉永から安政に変わりしものなり。
阿部内閣は、開明派の諸侯・官僚を備えしも、未曾有の国難に直面し、従来の御法によらず「民意重視」として黒船対応(通商開国or攘夷鎖国)を独断とせず、300諸侯のみならず京の帝にも伺いしこと、諸藩庶民に「幕府に政権統治力なし。我らの声で国政改革」との気持ち植え付けたり。
ということで、安政のTPPこと日米修好通商条約を巡る論点と混乱を概括すると以下の通り。
1. 開国派は、海外事情に通じた一部官僚と老中等に限定。開国しないと圧倒的な武力を持つ米国に戦で清国のごとき目に遭うという懸念。
2. 鎖国派は、当時は多数派で、200年の鎖国で染み付いた鎖国は国法という固定観念に、異人に国土が汚される、我が武士道で黒船撃退など、勇ましい精神論が横行。
3. 鎖国派の勘違いは論外として、開国派も開国通商で生じるリスク(金流出、ハイパーインフレなど)を読めていなかった。
4. 本来の政策対立は、開国派がすがった「帝の勅許」が、逆に鎖国派に乱用され、贈賄や罵り合いといった枝葉末端の混乱劇に転じて行った。
5. そもそも、政権中枢では、開国vs鎖国と、将軍後継問題があったのだが、これは、外様諸侯連立派(改革派)vs譜代徳川単独政権(保守派)との政権抗争があり、実態は政策が抗争のダシにされていた。
そんな中で、阿部の病死から、政権を継いだ譜代保守のドン井伊大老内閣は、剛腕政治で将軍後継にケリをつけ、改革派官僚(古賀?w)を粛清、開国の判断も帝の了解を得ぬままに条約を締結、「開国佐幕」一直線で、「尊王鎖国」という国是を盾に政権構想を仕掛ける対立勢力を一掃した(=安政の大獄)。.
しかし、条約締結後に派遣された使節の訪米中、井伊はテロにより命を落とした=桜田門外の変で、震災多発、経済の混乱、コロリ大流行(JINでも扱われた)と混乱の続いた安政の世も終わりを迎えたのだった。はぁ諸行無常w
平成のTPPでネコもシャモジwも賢しら顔で言うのが「メリットデメリットを明らかにだが」当面の対立軸「貿易促進vs農業保護」については、所管官庁の分析があり既に明らか。この点は安政の開国鎖国論争でも論点・情報は明らかだった。(但し、米国の軍事力を多くの者は知らなかったが)
むしろ、問題は、TPPを結ばない場合、結んだ場合の「次の一手」を考えることがないことだろう。この点は、条約締結を政争の具としか考えなかった井伊大老が、開国派官僚を粛清したのに、開国策をとったところにつながる。
平成のTPPでいえば、以下の点こそが、明らかでない点。
「TPPに参加しない場合、米国は貿易・外交・防衛等の諸分野で日本に如何なる政策を打ち出すのか?日本は想定される反日あるいは無視日の米国政策に対抗できるのか」
「TPPに参加しない中で、食料自給率の向上や、農業の産業化は実現できるのか」
「TPPに参加した場合に、食料自給率の維持や国内農水業のブランド化・大量の失業者防止を如何に講じるのか」
「TPPに参加した場合に、2次産業・3次産業で生じる負け組は何か。負け組産業と零細労働者の失業増加に如何に対応するのか」
TPPの内容を広く知ることもなく、農業か貿易かと矮小化した議論にすり替え、あるいは政権の意思決定とか米国の陰謀とか観念論で騒ぐ、愚かな政治家、マスコミ、庶民。
本当に国の運命を帰すものなら、民主の反対派は自民の反対派また社共と結んで、国会解散総選挙で国民に信を問うべきだろう。
また、一部でいわれるとおり、野田内閣が参加交渉に踏み出すなら、しつこく反対を唱えるのではなく、「これから始まる」TPP交渉の戦略と、それに伴う国内政策を論じるべきだろう。
このくらい突き抜けられたら、バカらしいTPP論争も、怒りや呆れではなく、笑うしかないですよね。
こういうセンスって、やっぱ知に頼っちゃダメなんでしょうね。
>FTAくらいで手を打つのが、これまでのやり方と見ているけどどうなるかね。
米国とのFTAをヤケクソで締結しようとしている韓国人がみたら、発狂するよねw「FTAぐらい」って
常識で考えれば、多国間交渉のTPPの方が、バイで米国の外圧に対峙するFTAよりは、まだ交渉の余地ってもんがあるんじゃないですかね。
本来は、リーマンショック以前に日米FTAを進めていれば、色々と妥協や例外も作れたのですけどね。自民党政権はFTAタブーに近かったですから、ないものねだりです。
>労働は言葉を使わないブルーカラー労働者が、外人だらけにならないだろうかね。
TPP参加国みて、どの国の労働者が日本になだれ込むっちゅうねんwww
逆に、ベトナム人とか南米の日系の方なんで、農業や漁業あるいは介護なんかに従事してくれるならウェルカムでしょうに。代わりにこっちの低所得層やニートをガリンペドロで輸出(返品不可)できないかな。
>年金と健保を射程に入れている模様。
これさぁ、郵政民営化のときからズーッと言われている話だよねぇ。
確かに、米国から日本への積年の要望事項ではあるけど、幼稚な陰謀論でしょ。
まぁ そんな与太話だったら マヤ暦の地球の終わりはフクシマとギリシャを意味していたってな話を上手に仕立てた方がまだマシなんだよね。
でも DAI先生のは面白いからサイコーや!
>全く政治というものは何故に後手後手
>先をよむことを怠るのでしょうね?
正しくは、「日本の政治」なんでしょうね。
「根回し、かき回し、後回し」って言葉があって、日本の政治や企業に関わった欧米人が結構驚く日本ぽさなのですが、「後回し」は”日本化(turn Japanese)”って財政赤字や債務問題などの懸案を先送りすることの意味で本当に日本的ダメっぷりの象徴になりつつあります。
先を読むことを怠るのではなく、半ば見えている先のことを、もっと先に自分の圏外に送っちゃうってことでしょう。
>知識があってそれなりに認められたから政治家になったはずの人たちは
>モット真剣に政策を考えて頂きたいですよね(-_-;)
そんなのが、ないものねだりでしかないことは 実はshokonさん自身気付いていますよね。
自分のことは自分で守る。それが21世紀、あるいはポスト平成の日本人に必要なことだと思います。
賢しらに現状分析というにも愚かな総評論家ライフをしているヒマがあったら、金を稼いでおくことです。
>私や夫が今の会社で70マデ勤務できたとして。。。
>その頃家の四人の子どもたちはみんな未だぷーたろーだったりして(-_-;)
>心配です
心配というか、そういう最悪のケースを想定して、人生設計を自分も家族もしていかないといけないでしょう。
子が親をアテにしないだけでなく、親も子をアテにしない。まして、国なんて絶対アテにしない。
それでも、先進国比較でも、治安とか物価とか便利さではあと数十年くらいは大丈夫なんだから、楽なもんですよw
FTAくらいで手を打つのが、これまでのやり方と見ているけどどうなるかね。
労働市場と金融のほうが問題が多い気がするけどね。
労働は言葉を使わないブルーカラー労働者が、
外人だらけにならないだろうかね。
金融は、米国の統治後50年以上たって自由化された、
第3分野といわれる癌・介護・医療が外資の牙城である
ことを考えると、年金と健保を射程に入れている模様。
先をよむことを怠るのでしょうね?
原発だろうが年金だろうがゆとり教育だろうが
今、目に見えるメリット的なモノばかりを見つめていては
後々どんな不測の事態が起こるのか考えてもみませんでした(-_-;)
では済まない様な事ばかりです(;>_<;)
知識があってそれなりに認められたから政治家になったはずの人たちは
モット真剣に政策を考えて頂きたいですよね(-_-;)
その場しのぎ的なことを繰り返さないで。。。
政党間の駆け引きだとか次の選挙がどうだとか(-_-;)
国民が求めているモノをもっと根本的に先の先まで考えて
法律決めて欲しいものですね。
私や夫が今の会社で70マデ勤務できたとして。。。
その頃家の四人の子どもたちはみんな未だぷーたろーだったりして(-_-;)
心配です