Nicotto Town


こはるびより ⁰㉦⁰๑ 


雑文「ウインドウ」

窓が好きだった。


日差しの差し込む明るいテラスのある家に

いつか住むのが夢だった。

上質なカウチソファにゆっくりと腰をすえて

読書が出来れば幸せだろうな。

窓から入ってくる風に頬をなでられながら

うとうとと過ぎていくあまい昼下がり。

そんなイメージに漠然とした憧れがあった



その夢は今のところ叶っていない。

この先叶うかもしれないし、叶わないかもしれないけれど

あたしの中に明確なビジョンとしてそのイメージは

心のどこかを支配している。

ひとりきりの時間も好きだったけど

本当は愛する誰かが側にいればもっといい。

それも、お互いに同じ部屋にいて

別々に違う本を読んでいられるような

そんな相手といつかめぐり会えるだろうと

タカをくくっていた。単純に若かったのだ。



だけど残念ながら

本好きな人と付き合ったことはなかった。



大きな窓は幸せという概念の象徴でもあった。

小さい頃、年末の大掃除に家族総動員で磨いた

家中の大きな窓。

かじかんだ指先、冬のやわらかな陽だまり。

透明で、だけど揺るぎない硬質なガラス一枚の

確かな手ごたえ。

一体どうやったらこんなにも滑らかで

つるつるとした大きなガラスが作れるんだろう。

凹凸のないひんやりとしたガラスの表面を

まるで奇跡でも見るように眺めていた少女時代。



金属の海に静かに流し込まれて

ゆっくりとゆっくりと時間をかけて冷やされる



ガラスを作る工程を知ってしまった今も

そのイメージがもたらす神秘さは変わらない。


表面張力とか界面張力とかにはさっぱり疎いけど

金属の海の中にウワズミのように浮き上がってくる

ガラスはきっと息をのむほど美しいんだろう。

そんなことを勝手に想像してはドキドキした。

例えば、事実が全く違うものだとしても。



あたしがパソコンで画像加工する作業が

好きになったのも、レイヤーの仕組みを

理解してからのような気がする。

レイヤーの一枚一枚は透明な窓だ。

いくつも何重にも重ねて、効果をつけて

時々順番を入れ替えたりして

最後は一つの窓に統一する。

その瞬間がとても好きだった。




前も日記か詩に書いた覚えがあるけれど

少女時代のあたしの意識の核とも呼べるものの

前には、いつも透明なガラスがあった。

自分が見ているもの全てが

何かのフィルターを通してとしてしか

思えなかった。感じられなかった。



精神と肉体の乖離。



今もそれが消えて無くなったとは思わないけれど

以前よりはクリアになってきたような気がする。

以前は確かにもっと曇っていた。

すりガラスのように。心の目に映っているものが

全てぼんやりと曖昧に見えていた。

(単に視力が悪かったということもあるんだろうけどw)



そしてきっと

心の目だって近視になるんだろう。

近くばかり見ているから、視力が落ちていくように

物事を正確に見て判断することが出来なくなる。

そうならないようにするのは単純で簡単だ。

いつだって大人たちに言われ続けてきた一言



 「なるべく遠くを見なさい。」


そう、遠くを見るのだ。

目の前の瑣末な問題に捉われることなく



17歳の時は十年後のヴィジョンなんて無かった。

その場限りで、刹那的で、もっと直截的だった。

だけど今は違う。降り始めの雪はもう見れない。

あとはいかに降り積もった雪景色を美しく保っていられるか。



それが目下の検討と課題。



#日記広場:小説/詩

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2008/11/25 23:17
物事を理解しようとするとき"イメージ”が浮かぶと理解しやすい。

明確な目標があるとき、人は行動しやすい。

自分は10年後、こうなっていたい。
そのためには5年後にはこうなっていなければならない。
5年後、そうなっているためには今、何をしなければならないのか、
というように。

”明確な目標”それを人は”夢”とも呼ぶ。

PAN
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2008/11/25 13:14
何故か部屋とYシャツとぁたしの曲が 頭に浮かんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

なぜだろぅww
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2008/11/25 05:19
これだけ書いて1673字・・・すげw
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2008/11/25 01:29
本は好きですよん^-^

課題山積してますわー
せいぜい悩むことにしますw
疲れたら放送に癒されますw

心の眼は曇りやすいので注意しないとね~
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2008/11/25 01:24
読んだよん♪
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2008/11/25 01:24
今、思い出したんだけど・・・
実家のベランダから屋根に行けて、
そこで横になって雲をずっと見てたの思い出した。
いつか、誰かとこうやって空を見てたいなぁって考えてたっけな。
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2008/11/25 01:15
この夜中に読むの大変やから 後日ゆっくりとwww

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2008/11/25 01:09
不惑の年のはずやのに、課題だらけのσ(・∀・。)
課題があるから楽しいっていうのもあるけどねww
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2008/11/25 01:06
放送しながらコメントをつけるあたりがとっても器用だと思いました!>とらちゃん
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2008/11/25 01:03
高原の小さな白い家で、テラスにデッキチェアー出して
そこで、1日好きな音楽聞いてボーっと1日過ごす。
これが、夢かな。

俺も実家に居る頃、家族で大掃除して
弟と窓拭きしたの思い出したな・・・





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