白髪三千丈
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2011/11/27 22:49:04
中国に出張していて、今日の帰国便が午後だったので、万里の長城に遊びに行きました。ガイドブッブをつらつらと読んでいて、以下のような疑問に至りました。
別にだから何ということはなく、当たり前ですが、これを以て中国人論を悪しく語ったりする気はゼロです。そういうの愚かの極みですよ。どっちかというと、僕は笑っちゃうだけなんで。
1.万里の長城は、宇宙から見える唯一の地球の人工構造物です。
・万里の長城は、長さこそ世界最長の人工構造物で8千kmとかありますが、高さや幅は基本的に10mありません。つまり、長い長い高速道路みたいなもんです。
・それが宇宙から見えるなら、アメリカン・ハイウェイも見えるのではないかと。
・あと、傍論ですが、この話ってずっと前から言われているけど、アメリカやソ連の宇宙飛行士って万里の長城とかそんなに気にするのかなぁ?
2.万里の長城の八達嶺の北第8区頂上は888mです。
・北京五輪に際して、万里の長城の長さや標高は科学的に精密に測定されたそうです。その結果かどうかは不明ですが、この8並びです。
・8は、発財(金儲け)につながる発音で、すっごく大事にされる数字で、車のナンバープレートが高値取引とかされてます。
・冷静に考えれば、始皇帝どころか明や清の大補修の時期に至っても、世界のどこにも、メートルって単位は存在しないわけで、888mなんてものはあり得ないんだよなぁ。
3.少し長いお話
・万里の長城建設には、何十万、何百万という国民が強制動員された。徴用された夫を案じて何千キロも先の夫を追った妻は、途中で夫の死を知る。悲しんだ妻は、夫の骨を抱いて「海に飛び込み果てた」
・夫の死を知った地点から海までは下手すりゃ1万キロくらい離れてますって。妻の人、どんだけマラソンウーマンなんだよと。
・ただ、この話は現代まで皆が知る逸話なんだそうで、ここが考えどころ。つまり、死を覚悟しての強制徴用なんて辛いことが起きるたびに、中国人はこの逸話を思いだし、それ故に語り継がれたのかなぁと。皇帝の重税や、異国の軍の横暴、共産党政治の混乱などなど。
4.鄭和のアフリカ訪問は明に多大な富をもたらした朝貢関係となりました
・これは、明朝初期に鄭和率いる大艦隊が東アフリカに到達し、朝貢関係を築き、明に多大な富をもたらしたという話で、万里の長城とは無関係なんだけど。
・朝貢関係とは、明とか清といった帝国傘下の王国となる冊封関係のことで、まぁ、ヤクザの親分と子分みたいなもの。で、子分は親分に貢物をするんだけど、ポイントは親分の皇帝は貢物の倍返しを子分にするという点。帝国の豊かさを見せつけるわけです。
・従って、朝貢関係なら明に多大な富が入ることはないはず。海賊とまではいわないし、鄭和の大航海自体が歴史的事実でない説も結構あるのだけど、マゼランやクックの世界周航的な乱暴さを伴っていたのかなぁと思ったのでした。
少なくとも三千年の歴史の中で、最大版図に達しつつある共産党王朝下の中国というのは、過去の歴史を踏まえるなら、少なくとも50年は膨張期にあるということ。
また、日本・米国・欧州でそれぞれ起きて弾けたバブル経済と同様の状況が起きつつも、実体経済の成長も同時並行で進んでいる点で、どのような形でバブル的な部分を収束できるのか、あるいは、これまで同様にバブルが弾けてしまうのかということ。
この2点は、非常に興味深く思われます。
あと、貧民やニートの不満を反日の煽りで政府・政策に向けさせないという手法は、日本も見習うべきでしょう。
これは日本政府が、反中や反韓に国民を仕向けろという意味ではなく、反中や反漢な皆さんって、利益を得ることもなく、実際に活動するわけでもなく(竹島に上陸するとか、中国大使館を襲撃するとかね)無為なことしているって気付いて欲しいなぁと。
あ、日本式の焼肉(よくある網と炭で焼くやつ)と韓国式の焼肉(プルコギのこと)があるんだけど、後者は「韓式」って言われていて、決して「朝式」とか「金式」とか「人民式」とか言われないんだなぁと。まぁ、つまんないことだけ気付くなぁ、僕は。
曰く、中国人宇宙飛行士自身が見えないことを証言、日本では昔は教科書に書かれていたとか、興味深い内容もあったのですが、どうも買ってまでという気も。
この本を薦めている田中貴子(甲南大教授)は、先週は、ステロな方言についての学術本を薦めていて、なんか僕の興味を知っているみたいで、興味深い人です。
それと、この事変は、開戦から2年もすると、双方本気でなくなってます。
日本は、米英あるいはソ連との戦争を本気でやらなきゃいけなくなるんで、基本的には弱い国民党を追いかける戦をやってる場合じゃなくなるし、国民党と共産党は来るべき内戦第3ラウンドに備えて、体力つけなきゃいけないからです。
この戦争の面白いのは、敵の領土の半分以上を占領して、戦いの多くに勝ったはずの日本が、敗戦国になっている点です。なぜか?中華民国が同盟を結んだ米国に日本が負けたからです。
喧嘩で勝てないときは、相手より強い番長に頼むというスネ夫チックな技が有効なのです。
それにしても、1937年ってのは、米国、ソ連はもちろん、英仏も、それどころかヒトラーもムソリーニも戦争始めるタイミングじゃないと思っていた時期に、WWII開戦の2年も前に、関係者一同を巻き込むというか、全員を敵に回した戦争を始めちゃう近衛と陸軍と、それを持て囃した日本国民ってホントバカだな。
この当時は、ナチスドイツまで軍事顧問団を国民党に送りこんでいるし。だからこそ、ナチス党員のラーベが南京虐殺ありとの証言を連発してるわけだし。
あと、中国は日本を正しい意味での仮想敵国としていないでしょ、ずっと。
単なる真の敵国である米国の前線基地がある攻撃対象ですよ。
それに、どっかのド田舎の百姓はともかく、日本1個分くらいは年収1千万円以上の人がいて、マクロ経済では歯牙にもかけてないんですよ中国。
じゃぁ、なんで反日教育や反日デモがあるのか?
比喩としての敵(かたき)なんですよ。倭寇とシナ事変と、かの大陸に攻め込んだのって、満族とかの騎馬民族(現在は中国人民)日本人だけですからね。唯一最大の侵略者ってわけ。しかも、リスペクトいらないしコンプレックスも感じない同じ黄色い猿ですから。
しかも、そんな悪質なことする王朝を勝たせちゃったのが、当の日本なのですから。
盧溝橋事件直後の不拡大政策を堅持して、近衛政府が天皇を使ってでも陸軍を押さえこめたなら、逆に陸軍まで反対した和平交渉打ち切りを勇ましくw叫んだ近衛を誰か止めていたら。蒋介石は勇んで毛と共産党を打倒していたかもしれません。
そして、蒋王朝が1945年以降の通りに自ら腐り果てたなら、米英とシナを分割できたかもしれないのに
簡単に言えば、中国の国家は常に、王朝崩壊後に群雄割拠が起きて新たな統一国家が生まれることの繰り返しで、その群雄割拠状態が結構ロングスパンだったのが、清朝崩壊から毛王朝成立までの、中華民国が政府だった時期(1911~1949年)です。
この群雄割拠の特徴は、各派に外国勢力が後押ししていたことです。簡単に言うと、国民党=英米、共産党=ソ連、それに操縦できなかった張作霖を爆殺した日本という構図。つまり、三つ巴なわけで、敵を二人相手にしたヤツが負けるって単純な話なのです。
で、たぬ休さんの言っている歴史は大雑把すぎて、馬賊まがいの地方軍閥なんてのは、バトルロワイヤル開始から10年ちょっとで蒋介石率いる国民党に敗北してます。それまでそうした馬賊に金巻いて傀儡にしては失敗してたのが日本の外交と陸軍さん。で、さすがにヤバクなって、自分自身でリングに上がってしまったというわけ。「こいつバカか?」と米英もソ連も思ったでしょうし、しめたと毛も蒋も思ったことでしょう。
あ、話がそれましたね。一旦は蒋王朝目前だったのに、立ちはだかったのが共産党ですが、戦に弱くて、辺境の地まで逃げます。で、それを潰そうとした蒋介石が張作霖の息子に拉致されて「これ以上は共産党いじめません」と一筆とられたのが、1936年の西安事件。このシナ事変勃発の一年前の出来事に注目です。
それまで、日本軍より国共内戦だった国民党と共産党という不倶戴天同士が手を結ぶ可能性が出たわけです。
あぁ、それなのに、愚かな日本政府と陸軍は、いくらでも停戦機会のあった盧溝橋事件を一気に拡大させちゃいます。それから一月もせずソ連は毛との同盟を結び軍事援助開始、日本軍が南下するだけソ満国境は緩くなるからね。そして、欧米利権満載の華中に攻め入る日本を防ぐべく米英も国民党に軍事供与開始です。
最悪ですよね。憎み合う二人を同盟させ、しかも、背後の米英ソまで介入させた。勝てる戦をやってくれよって話です。万里の長城を越えなければよかったのにね。
(つづく)
中国の主要都市はほんとビックリするくらい市街化が進んでいて、場所によってもずいぶんと性格が違って来てますよねー。香港なんかは誰が行ってもいいとこだけど、大連とかもけっこうきれいでいいらしいですね。
中国だからというよりも、猛烈な発展を遂げている国らしくというべきだと思いますが、食べ物があまりおいしくないとか。あとインフレ。ニコのお友達でも中国で仕事している子がいるけど、学生の学費が毎年1.8倍くらいになってる。日本にもあるインフレ待望論って、貧乏人には仕事があっても超きついんだよねー。<増税の前にまず景気対策>ってどうなんだろうかね。
懲りもせず<少々>時事でも書いちゃいますが、ネトウヨ君たちは、結局外国のことをまったく知らないんでしょう。旅行行ったことが無いという意味ではなく、自分たち流以外は知りたくない日本の奥地に埋め込まれてそれだけでやってゆきたいんだろーよね。結局それで生きていけちゃう環境があるんだろう。
だけど結局隣に住んでいるわけだし、人金モノサービスが行きかう以上うまく仲良くやってけばいいね。
最近ネットでも彼らに対する圧力がけっこう強いみたいだよ。麻生元首相がフルぼっこにされていて、安部ちゃんの妄言がすごいみたいよ。麻生首相批判の的をいてない程度がすごいよ。
ちなみに下にあるたぬ休さんの日中戦争の解釈は、やや構図を共産党対日本に限定しすぎてる気がする。
実際には割譲された大国の独立復帰運動で、日中戦争はすでに負けていた戦争です戦後の中国の教育は必要以上に気にすること無いと思います。。日本は実利を蝕まれない限り平伏のふりして、同じ戦勝国として居並ぶ常任理事国間の微妙な空気を読んでいったほうがいい。
多分、近くの日本の夜が今年初めまでやたらめったら明るくて適当な目印があったことと長さが半端ないので少し雲で途切れていても「目を凝らして見れば」見えたということなんでは。
888mは胡散臭い気もしますが、別にそれで日本が実害を蒙るわけではないので「そう測定されたのならそうでしょう。めでたいことですね」でいいのかも。
今の長城の形って明の時代のものですよね。
秦の始皇帝のは戦国時代に北方に面していた諸国がそれぞれ独自に築いていたものをつなげた程度だったはずでは。
始皇帝は文化大革命以前は評価が芳しくなかったからそんな話もできたのかも。
しかし、「夫の骨を抱いて」って、大勢犠牲になったといわれる人たちを個別認識できるほど丁寧に埋葬してくれていたんですかね。
(私もかなりしょうもないところが気になってますが・・・)
鄭和のはよくわかりませんね。
アフリカからとんでもなく貴重なものが大量に入っていた証左があるとかいうと話は早いのですが。
象牙かな~
日明貿易はおっしゃるように日本がウハウハ状態だったはずだし。
中国で清王朝が崩壊して馬賊やら何やらが群雄割拠していたのがこんなに早くひとつにまとまった要因のひとつは旧日本軍の存在だったりします。
巷間伝わる日本軍の行為については異論も多いですが、少なくとも共通する外敵ができたことでまとまる要因となったことは間違いない。
共産党の正当性の根拠は「(実際は国民党が請け負っていた)対日戦を勝利し、(対日戦で疲弊した)国民党を破って民族主体(という名の新エリート層のための)国家を建設したこと」にありますから、日本と本質的に仲良くなって「反日」を否定することはありえない。
ただ他国を仮想敵国とするには自国より強いか少なくとも同等でなくてはいけないわけで・・・
中国の一般家庭の生活水準が日本を抜くようなことになると「もはや仮想敵国ではない」。
その辺りはジレンマですね。