緑眼探偵ゴキ (コーヒータイム)
- カテゴリ:自作小説
- 2011/11/28 20:39:19
探偵ゴキは事務所を兼ねたねぐらに戻っていた。
依頼人の話を思い出し、頭の中を整理しながら好きなコーヒーを飲んでいた。
ゴキには頭の整理をするときに独り言をブツブツ言う癖があった。
「今回の依頼は、マル子氏の部屋のテーブルの上に飾ってあったキノコが盗難にあったので、それを探し出す依頼であるが、キノコの行方につながる手掛かりはまったく無い」
探偵ゴキはそう独り言うとコーヒーを口にした。
「本来は警察がする仕事だが、依頼人はキノコが特別なため、キノコの存在を警察に知られたくないので、近所の探偵の私に捜索を依頼した。特別なキノコ、すなわち、幻覚作用のあるキノコだ」
また、コーヒーを口にした。
探偵ゴキはキノコについて何の知識もなかったので、キノコについての知識をまず増やし、マル子の盗まれたキノコの種類を断定するために、キノコについてのブログをPCで検索し始めた。
しかし、マル子の描いた絵の模様をもったキノコはPCのブログの写真には存在しなかった。
「魔のキノコ」
か、ゴキが一言そう呟いた。
探偵ゴキは、まだこの時には自分の異変に気がついていなかった。
幻覚症状についてPCで検索を始めた時だった。
PCの画面の文字を読んでいると、PCが喋ってるような気がしだしたのだ。
「PCが喋りだした」
ゴキはこれが幻聴の始まりだと、まだ思っていなかった。
文章を読んでいて聞こえるいつもの頭の中の声が、知らない誰かの声に代わっただけだと思ったのだ。
現に文章を読むのを止めると、その声は止まった。
『疲れているのかな』
ゴキはコーヒーカップに残っているコーヒーを飲みながらそう思った。
そして、PCの検索を一時止め、依頼者マル子を頭に浮かべた。
女性として見れば、マル子は可愛い系の女の子で年もまだ若い、自分が若ければ好きになるタイプだが、若さを考えるとついていけない女性に思えた。
「犯人はブラックサンタかもしれません」
彼女の言葉が彼女の声で頭に浮かんだ。
「犯人は悪魔の使いのブラックサンタさん」
ゴキは半分鼻で笑いながらPCの検索欄にブラックサンタの文字を打ち込んだ。
そして、検索ボタンを押した。
探偵ゴキは自分の目を疑った。
PCの画面に現れたのは、いつものタイトルの文字の羅列でなく、いきなりの動画だった。
PCの画面いっぱいに写しだされた動画の画面の真ん中には、三角の動画を始めるボタンがあった。
ゴキはそこにマウスポインターを合わせたが、動画を見るかどうかはしばらくためらいがあって、マウスのクリックがなかなかできなかった。
その時、ゴキの頭にどこからともなく声が聞こえた。
「ボタンを押せ!」
ゴキは声に従おうとしなかった。
「早く押せ!早くだ!」
ボタンを押すまで続くその声にゴキは負けてしまった。
ゴキはマウスをクリックしてしまったのだ。

























(お読みになられましたらご消去くださいませ)
RIPPLEさんが入会なされました。
宜しくお願い致します。
ネットは社会の大きな黒い渦の流れに思えるゴキです
その中にキラキラ光る青い妖精の粒
それら、すべてを呑み込むんでいくブラックな渦
次ぎの作文の題にできればいいのですが