緑眼探偵ゴキ (悪魔の伝言)
- カテゴリ:自作小説
- 2011/11/30 17:12:32
PCの画面の動画が動きだした。
サイケデリックな画像が画面に映しだされ、脳の理解を超えたその模様と色彩の変化に、軽い目まいを感じるゴキだった。
ゴキは催眠にかけられたように、変化していく不思議な模様に見入っていた。
その映像の中には、浮かびあがっては消える人間の顔のような物がいくつもあった。
最初は見たことの無い画像に違和感を感じていたゴキだが、しだいに目まいも薄れ違和感が無くなっていくような気がしていた。
ゴキはなんとも言えない高揚感を感じ始めていた。
ゴキは飲んでいるコーヒーの味が、いつもと少し違うような気がしていた。
今回の訳の分からぬ依頼のための疲れで、そのようにコーヒーの味を感じたのだと思っていた。
ゴキは気持ちの高まりを抑えるために、コーヒーを少し口に含んだ。
やっぱり、味が少しおかしいと思った。
「探偵ゴキ君、気が付いたかな? 君の飲んだコーヒーにはマッシュルームのエキスを入れといたからね。君はこれから悪魔の世界に行くんだよ」
ゴキはどこからともなく突然聞こえた女性の声に、驚き部屋を見回した。
その女性の声にゴキは聞き覚えがあった。
「依頼人のマル子さん、マル子さんじゃないですか」
ゴキは声の主がマル子であることにすぐ気が付き、そう叫んだ。
するとすぐに、PCの画面に妖精のような格好をしたマル子の姿が映しだされた。
「いったいこれはどいうことなんですか?」
ゴキは半分怒った声で、PCの画面のマル子にそうたずねた。
「ただの近所の好よ。よ・し・み。近所に探偵は、たまたまあなたしか居なかったから」
PCのマル子がただそう答えた。
「でぇなんで、そんな格好でそこに居るの?」
「私はきのこの妖精。あなたが帰った後、悪魔が現れたの・・・・・・」
マル子の姿がPCの映像から消えた。
ゴキはコーヒーを飲むのをすぐに止めた。
常識では考えられない不思議な出来事に、ゴキは戸惑いを感じ、混乱していく意識の中で見えて来るのは闇の世界の渦だった。
『悪魔が来る』
ゴキは体でそう感じた。
ゴキは完全にハイになっていた。
キノコの成分がゴキに幻覚を起こさせ、幻聴と幻視を体験させていのだ。
そして幻覚と同時に、ゴキは物との一体感も体験していた。
それは意識の混濁によって起こるもので、やがて妄想へとつながっていくのだ。
向精神性作用のある植物と妄想の関係は、太古ではシャーマニズムの儀式で、幻覚性植物食べて妖精や精霊という自然の霊と妄想の世界で一体化しながら予言を行っていたほどのものだ。
宇宙や自然との一体感はヒトに多幸感を与え、その喜びが予言へとつながっていたのだ。
ゴキも多幸感を感じ、神からのお告げを聞いたような気分になっていた。
しかし、それは神からのお告げでなく、悪魔の使者ブラックサンタからの伝言だった。

























http://www.youtube.com/watch?v=btVGCqpIoyk&feature=related