Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



「クリスマス『鶴とサンタ』」転載不可


昔か今か
あるところに国がありました。
その国は四方を海に囲まれていて、他の国の影響をあまり受けない島国でした。
毎年、季節が冬になると北の大陸から、越冬のためにやってくる渡り鳥がいました。
その鳥の中にある村に来る全身赤色の大きな鳥が一匹いました。
鶴に似ていたので村では、赤鶴とか千鶴と呼ばれていましたが、村人の前に姿を現すことはめったになく、見ると縁起いい鳥として村伝説に語り継がれていました。

その村は大変貧しい村でした。
村人は米を作ってなんとか暮らしていました。
そんな村人の中にある一家がいました。
一家は夫婦と子供一人の三人家族でした。
地主から借りた田んぼで米を作り、ひっそりと三人でなんとか生活をしていました。

ある日のことです。
その家の子供が独りで家で遊んでいると、窓を誰かが叩く音がしました。
子供は誰が来たのかと恐る恐る窓に近づき、そっと窓の外を覗きました。
そこに居たのは全身赤い服を着て赤い帽子を被り、手には白い袋とピカピカ光る木を持った叔父さんが立っていました。
子供は見たことない格好をした叔父さんに大変びっくりしました。
「叔父さん、誰?」
子供は不思議そうに尋ねました。
「叔父さんは、サンタクロスだよ」
子供がその優しそうな表情に安心したのか窓を開けました。
「サンタクロス?それはいったい何?」
子供はサンタクロスもクリスマスのことも知りませんでした。
「君は知らないのかいサンタクロスを」
「うん、知らない。初めて聞いた」
「叔父さんは赤い鶴になって、わざわざ遠い国からこの国の子供達のためにやって来たのだよ。よその国では子供達が泣いて喜ぶサンタの叔父さんだよ。明日がクリスマスだから君にも今夜プレゼントをしようと、何が欲しいのか聞きにきたのさ」
「叔父さん僕になにかくれるの?」
「あぁ、そうだよ。何か欲しい物はないかい。今夜君にプレゼントするよ」
子供はためらっていました。
「お母さんが言ってた。知らない人から物をもらうなって」
「他の国の子供はサンタにそんなこと言わないよ。それに君とはもう友達だろ。なんでもいいから欲しいものを言ってごらん」
「そうかもう友達なのか。じゃ、僕はいつも一人で寂しいから、弟が欲しいな」
サンタは黙ってしまいました。
そして赤い鳥の姿に戻ると、すぐにどこかに飛んで行ってしまいました。

その夜、その一家は大騒ぎになりました。
「お父さん、起きて。家の前で赤ん坊の泣き声がする」
「赤ん坊。そんなわけないだろう」
「ほら、聞いて、泣いてる。赤ん坊が泣いてる」
お母さんが必死でお父さんにそう言いました。
お父さんは耳をすましました。
「ほんとだ。泣いている」
赤ん坊の泣き声に気が付いたお父さんは飛び起きると、家の入り口の戸に向かい急いで戸を開けました。
お母さんも、ランプに灯りをつけるとランプを持って後をすぐに追いました。
そこには、籠に入れられた赤ん坊が置かれていました。
「誰だ。こんなところに赤ん坊を捨てたのは」
お父さんが怒鳴りました。
「早く家の中に入れて。外は寒いから死んじゃう」
お母さんの言葉に、お父さんは赤ん坊をひとまず家に入れ戸を閉めました。
家に入れると、赤ん坊はすぐに泣きやみました。
お父さんとお母さんはランプの灯りに浮かぶ赤ん坊の顔を無言でしばらく見ていました。
「こんな可愛い子を誰が捨てたのでしょうね」
お母さんがぽつりと言いました。
「分からない。とりあえず今夜は預かっておこう。明日になったら村の人に聞いてみる。お母さん、後は頼んだよ」
お父さんはお母さんに赤ん坊を任せると、また布団に入りすぐに寝てしまいました。
お母さんは赤ん坊を抱くと、片方のオッパイを出し赤ん坊に吸わせました。
お母さんには赤ん坊が我が子のように思えるのでした。

やがて朝になりました。
起きてきた子供は赤ん坊を見てびっくりしました。
「サンタさんが本当に赤ちゃんを連れてきた」
それを聞いたお母さんが聞きました
「あんた、この子知ってるの?」
「昨日、サンタに化けた鶴さんが僕にくれたんだよ」
「化け鶴がお前に赤ちゃんをくれた?」
「そうだよ。僕の弟だよ」
「朝から何を言っての。そんな訳ないだろ」
お母さんは子供の言うことを信じませんでした。
お父さんは村の人に聞いて回りましたが、誰も知らない赤ちゃんでした。
しかながないので、この家で赤ちゃんを育てることになりました。
赤ちゃんの名前は子供が言っている「三太」になりました。
子供の名前はちなみに「鶴吉」
鶴と三太は仲の良い兄弟で、村では有名だったそうです。
お父さんとお母さんは、赤い鶴がまた子供を運んでこないように毎晩子造りに励み、これもまた仲の良い夫婦であったみたいです。

#日記広場:自作小説

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2011/12/12 05:21
かいじんさんどうもです

男女和合の秘訣はやっぱりHかな
後はお金
家族の絆ってなんだろうと考えるのでした
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2011/12/11 23:54
はじめまして、やはりオチに笑いました。
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2011/12/11 19:18
スイーツマンさんどうもです

鳥の口ばしであそこを突かれると痛そうです。
ドジョウと間違て食べちゃうのでしょうか。

おう、月夜の泉は神秘的です。
ピンクのフラミンゴが月明かりに照らされて、幻想的な色に見えるでしょうね。
自然に女性の裸体を連想してしまいます。
フラミンゴと鶴は似ている気がしますが、口ばしの形が違ったような。
鶴は民話の「鶴の恩返し」の娘を想像です。

サークルの集会、きっちり時間を勘違いしてしまいました。
初めてサロンに行きましたが、なかなかいい感じの部屋ですね。
夜だと用事で、どっちにしろ主席できなかったので、あまり気にしないで下さい。
これからもよろしく。
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2011/12/11 06:08
だいぶ抑えましたね(笑

2011年、第35回すばる文学賞受賞作 澤西祐典 著 『フラミンゴの村』というのがあり、旅人「私」がヨーロッパのとある村を訪ねたときの見聞です。主人公アダムス氏の奥方がフラミンゴに変身、フラミンゴになった妻を屋根裏に隠しておき、夫婦の営みまでします。罪悪感から、村の司祭に相談すると、村の女たち全員がそうなったんだという答えが来ます。クライマックスに、苛立った村人の一部がフラミンゴを猟銃で皆殺しにしようとする一幕もあったが、アダムス氏の必死の説得で回避され、ラストシーンは、月夜の泉で、裸になった村中の男達とフラミンゴの求愛行為を旅人「私」が目撃して終わります。純文学雑誌掲載ながら実質的には軽いダークファンタジーでした。

中身はまったく同じ。ちょっと書き方を変えると同水準になる。すばる文学賞は芥川賞候補に直結します。
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2011/12/10 14:18
パールくんどうもです

三太は村の赤ちゃんでないことは確かです
もしかしたらサンタクロースの血が流れてるかも
テレビゲームの無い時代、子供は何を欲しがっていたのでしょうね
ヒーローのマネができるおもちゃかもしれませんね
ニコのアバタのような感じで
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2011/12/10 14:02
赤い鶴って、いいですね!サンタクロースが一気に東洋にーw
最後の、子造りに励むって、笑いましたー
だけど、三太はどこの赤ちゃんだったのだろう。
まさかさらってないですよね; 事件性がーw
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2011/12/09 22:40
まゆさんどうも

コメントいつもありがとうございます
貧しい家の子供にプレゼントを届ける心温まるサンタ
のつもりでしたが
貧しい家の子供が欲しがるプレゼントが思いつきませんでした
物より心温まる家庭が子供には一番いいのかも
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2011/12/09 22:27
うにゅにゅ……不思議な世界観がよいですね。
東西文化の融合です。
三太さんって鶴吉さんと仲良しで良いですね~。
弟や妹は、どれだけ出来たのでしょう。
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2011/12/09 21:57
自作小説倶楽部のお題の作文です
和風のサンタをイメージして書きました



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