Nicotto Town


濃すぎる毒入り日記


悪魔の証明

悪魔の証明という概念があって、本来の意味から転じて、「あるものが存在しないことを完全に証明すること」の困難さの比喩として使われてます。

「日本には、今でもニホンオオカミが生きている」ことは、ニホンオオカミあるいは、その生存を証明するものを発見すれば、それで証明できます。
しかし、「日本では、ニホンオオカミは絶滅した」ことを、そう思っていない人を論破することは、日本中を捜索しなくてはならないし、それでも論破されたとは認めないでしょう。

これは、ニホンオオカミでなく、ツチノコやUFOにすると分かりやすいでしょうし、西欧的には、悪魔なんですね。アメリカなら、天地創造説か。

そんな「悪魔の証明」の難しさを体現したのが、韓国大統領の「両国関係の障害になっている慰安婦問題を優先的に解決する真摯(しんし)な勇気を持たなければならない」との発言への我が国の対応です。

この背景には、なかなかに革新的判決の多い韓国最高裁判所が「韓国政府が、従軍慰安婦に係る損害賠償請求交渉に「努めないこと」は違憲」との認識を示したことで、世論が盛り上がってしまい、韓日FTAなど支持率急落中の現政権は、世論に迎合した政策を取らざるを得ないという韓国側の事情があります。

かたや、日本は、野田総理が「賠償問題は日韓基本条約で決着済み(韓国政府は対日賠償請求権を放棄)」との従来からのスタンスを韓国大統領に示し、在ソウル日本大使館の前に設置された従軍慰安婦関連の像の撤去も正式に韓国政府に求めています。

この話になると、南京事件と同様に「存在しない」との感情から、「存在した」との主張の矛盾や極端な点を論難する方がいます。その取り組みは素晴らしいものですが、結局は、悪魔の証明の壁は越えられない。このことは、こうした素晴らしい方は、存在派から自説の矛盾や極端な点を指摘された場合に、それには答えないことも絡んで、「どっちもどっち」な印象を多くの人は持つ現状にあります。
つまり、「行政や軍の命令はなかったかもしれないけど」「暗黙の了解でのムチャはあったかもしれないし」「民間人の結果しての売春強要はあったかもしれない」といったボンヤリとした認識が残ってしまう。

問題は、証明しようのない真実に固執する素晴らしい方々はさておき、現実的でない悪魔の証明以外のアプローチを取らずに半世紀以上を過ごしてしまった日本政府ひいては日本人自身に帰着すると思います。
虐殺や売春強要は、欧米が植民地や支配地では全くなかったのか?真実ではなく、そうしたことでの賠償要求が国際問題化していないのではないかという点。
平たく言えば「上手くやってるなぁ」ということ。その一番の例は、アメリカとベトナムの関係。間違いなく、虐殺、強姦、それに枯葉剤での奇形児までやりたい放題なんだけど、現在どんな告発をされているのかと?
誤解しないでいただきたいのは、他の人もやっていたという幼稚なロジックを言っているのではないということ。アフターケアをどうしているのかという話です。

強姦して愛人にしてDVしまくって捨てた女がいたとして、恨まれるのは当然としても、それを公然と言われない、まして、損害賠償なんか要求されない秘訣は何だったのか?
そこが知りたいところですね。

いっそ、南京事件も従軍慰安婦も全部土下座して詫びて、そこからソ連の侵略行為や米国の非人道的な殺戮を本気で告発しますかね?
強姦や殺害された人も、いまや後期高齢者ばかり、今を逃すと、この手も使えなくなるなぁ。

#日記広場:ニュース

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2011/12/18 17:36
たぬ休さん へ

まぁ、仰る通りだと思いますよ。

>本気で日本の「被害」を告発するなら、国際的な発言力を強めないと無理じゃないですかね。
 というか、至近の戦争に負けちゃったってのは、こういうことなんでしょうね。
 米国だけにでなく、中国に対しても、韓国や北朝鮮に対しても、負けです。
 そして、赤字国にして、原発事故まで起こし、政治も崩壊している国に「国際的な発言力」なんてないですよ。

>それが日本にとっていいことなのかは議論があるところでしょうけど。
 百数十年前の朝鮮に日本人が感じていた気持ちで、世界の多くの国が日本国を見ていると思うし、周辺国はそういう国と思って接していますよね。
 こと歴史犯罪については、米英仏も厳しいですからね。トルコのように吊るし上げを喰うかもしれません。
 正しいことを発信しても相手にされないこともある。そういう認識が必要なんでしょうね。

 唯一の救いは、韓国で大統領を強硬な立場に追い込んでいるようなヘンな世論が、日本ではあくまで特異な一部の人に留まっているところですね。
 石原・橋本・平沼なんてな歪な「健常者」に「発言力」を発揮されちゃうのとか、勘弁ですものね。
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2011/12/18 14:33
アメリカが強気に出られるのは国際的な影響力の強い国家だからでしょう。
第二次世界大戦後、経済的にも軍事的にもアメリカ抜きでは回ってこなかったという現実がある。
それがなければ金本位制の放棄なんて到底できなかったはずだし。
ベトナムにとって損害賠償を声高に叫ぶのと、外交・経済交流のためのカードとして持っておくのとどちらが有効かというお話です。

日本の場合、「日本の常識がどの国にも通じる」と思っているから同じことの繰り返しなんでしょう。
中国の立場から言えば、反日でいる方が国家としてまとまるし外交・経済でも利があるというだけのこと。
日本人のように「謝ったんだから水に流そう」とは考えたりしないでしょう?
韓国の場合も、基本は中国と同じスタンスですが、「弟のくせに兄を支配しようとした」というフィルターがかかる分、中国よりややこしいかもしれない。

本気で日本の「被害」を告発するなら、国際的な発言力を強めないと無理じゃないですかね。
それが日本にとっていいことなのかは議論があるところでしょうけど。



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