秀才達の大失敗
- カテゴリ:30代以上
- 2011/12/19 22:30:29
是非はさておき、世間一般で云う「いい大学」というか「偏差値の高い大学」を卒業した方が、就職には有利な日本です。
それでも、氷河期とか不況のとき、あるいは、人間的に残念だと就職出来ない人もいますが、そういう時は「ダメな大学」や「偏差値の低い大学」の人はもっと大変です。また、素晴らしい人格者でも、高卒というだけで就職のチャンスすら奪われる人もいるのですから、やはり「いい大学」は得なのでしょう。
そんな「高い偏差値」の中でも「難関試験を入学後も突破」という秀才中の秀才さんが何百人も、人生を棒に振るは、20代で1千万円もの借金を負うわと、人生の負け組と化している異常事態が発生しています。
それも、その事態は、エリート中のエリートである官僚、弁護士、大学教授なんて人達が招いたというんだから、ビックリです。
そう、新司法試験制度の合格者が大変って話です。
1.そもそも不合格
法務省が、7割合格を目指していた新司法試験の合格率が、今年も20%弱。受験者は約8000人ですが、合格者は2000人程度です。
2.あげくに無職
司法試験合格者は、司法修習生としての修行期間(1年)を経て、一般には裁判官、検察官、弁護士の何れかに就職します。といっても、年2000人の司法修習生のうち、裁判官と検察官つまり国家が雇用してくれるのは各100人程度なので、残りの9割は仕事を自分で探すしかありません。勉強極めたのに、シュウカツですよwww
そして、この司法修習生、以前の司法試験制度(合格率3%)では、年1000人で多いと言われる合格者数だったので、弁護士事務所に皆就職出来ました。
ところが、合格者が増えても、弁護士ニーズは変わらないし、ハッキリ言って頭の悪い人が1000人増えたので、この人達が事務所に就職できず、弁護士登録もしないわけです。弁護士登録しないとタダのプーですからね、究極の秀才プーさん。こんなのが年に何百人も生まれています。
3.なんでこんなことに
10年くらい前に司法制度改革ってのをやっちゃったんですよね。一番知られてるのが裁判員制度。その中で、もっといっぱい法律家を活用する社会ってのがあって、そのために法曹家を増やそうとした。
で・・・需要を完全に読み誤ったわけですよ。企業なら、翌年以降は採用数を減らせばいい。でも、官僚が己の誤りを認めるわけもなく、年々 秀才プーを垂れ流し。挙句に、民主党は、司法修習生への官費支給も打ち切ったので、貧乏だけど正義感に溢れる秀才さんが1千万円も借金する羽目に。
これは、新司法試験で 必ず法科大学院での勉強を資格にしちゃって、この法科大学院の月謝が高いのなんのなんです。国家と大学がグルになったボッタクリですよ。
このボッタクリに目がくらんで、もともと司法試験どころかマトモな法学部もないようなバカ大学が法科大学院をつくったんで、被害は拡大しちゃいましたよ。
挙句に、弁護士業界では、「合格者減らせ」と公然と要求しちゃってます。弁護士には、定年もなく、経験がモノを言うので、死ぬまで現役ですからね。若手なんて要らないんでしょう。
僕自身は、法学士ですが、法曹界なんて微塵も目指さなかったけど、いちおー友達には弁護士さんが何人かいます(注:必ずしも同窓生じゃないけど)。すんごい一等地で末席フェローとして事務所立ちあげる勝ち組もいれば、正義の味方となって国家に挑む方もいて、こういう多彩な人が活躍できるのは、新司法試験制度のおかげなんですけどね。
でも、下手すりゃ20年くらい勉強ばっかして、ずっとトップクラスなのに、結末は「無職で使えねーヤツ」という悲劇。
本当は、企業の法務グループなんかでも雇うという青写真があったのだけど、不況だし。青白い世間知らずより、企業で育ったヤツに必要な法律だけ勉強させて弁護士を使わせる方が便利ということです。
しかしまぁ、秀才プーさんも1000人以上いるのだから、闇の法律集団でもつくって、国家を翻弄するような犯罪やインチキ商売でも発明して欲しいですね。
楽しい旅は如何でした?
さて、「離婚弁護士」そんなタイトルのドラマもあった気がw
「士」業って、資格取れば安泰みたく勘違いしている人もいるけど、逆ですよね。
資格は仕事する前提であって、そこから仕事覚えて、顧客つくって、会社起こしてっていう努力が必要。
その中では、弁護士の仕事って量的に増えなかったので、参入者が増えれば皆が困る。でも、困るのは新入りだけって、いいのか悪いのか分からないけど、業界としてのコントロールは出来ているみたいですね。
僕の友人でも、結婚してから一念発起で弁護士になって、そこそこのファームで勉強して、そこから、社会的弱者のための事務所を起こした女史がいて。さすがに立派だなぁと。
弁護士さんって、そういう社会貢献意識の高い方が多いのが救いなんですよね。
そういえば、「行列の出来る法律相談所」のバツイチ美人弁護士も、離婚弁護士の類だったはず。
今までは、無骨だったり、年齢高かったりと、女性からの離婚相談や生活相談に不向きな人が多かった(下々の事情に疎い弁護士は多い)ところに、バツイチや若い女性弁護士ってのは、いい儲け口かもしれないですね。(美人とそうでないのは、どっちがいいんだろ?www)
しかしまぁ、弁護士に定年はないし、肉体労働でもないので、それはいいんですよねぇ。
>何だか無理矢理作った法学部だかなんだか。。。難しいだの学生の質がどうだとか
>おしえる教授がなんだとか。。。。
>とにかく大学のかたたちにとっても歓迎されてはいなかった様子でしたネ。
少なくとも、学者さんには 初めから歓迎しない方が多かったようです。
僕の指導教官は、若手で真面目なので、法科大学院のあり方とか真剣に議論したかったのに・・・なんて愚痴もいってましたが。
大学といっても、運営する人達は、かなり逆で、「これは儲かる」って食いついちゃったところが、結構あるようです。
大学が増えて、進学率が向上したり、地域全体で学ぶ機会が増えることは、誰も否定できない「よいこと」と受け取られがちです。
でも、大学進学率50%とか、掛け算やアルファベット教える大学とか、職業教育に強い大学とか、勘違いしたものが大量にあって、それは大学をビジネスとしか考えない事業者や、許認可=利権的に扱う文部科学省とか、色々な問題があって。
この点では、しょこんさんお嘆きの役人の悪い面が炸裂している気がします。
ただ、弁護士さんが増えて、無医村のお医者さんのように、あるいは、貧しい人を助けるとか、そういう仕事をすることは、僕はいいことなんだと思うのですよね。
現在の司法試験の下位合格者(出来の悪い人)に、期間限定の「准弁護士」みたいな資格を与えて、国の法テラスとかで雇って、地方で働いてもらう。で、5年とか10年キチンと働いたら、弁護士資格を与えるとか、上手く税金と人材を活かせたらいいのかもしれないですね。
そのマンガは読んでないのですが、司法改革の意気込みとしては、そういうマンガになるような多彩な法曹家が登場して欲しいというのはあったので、そういう人が実際にも育っていくといいなぁとは思うのです。
で、あのDK大学姫路校ですよね。入学者ゼロで、募集も止めちゃったという、ある意味、負のシンボルですよね。
これって、3セクとか地方の豪華なハコモノに通じるところが あるように思うのです。
司法試験って、規制緩和されたら、誰でもなれる代物じゃないし、ご指摘のようにDK大学自体にも司法試験どころか法学部すらどうよ?ってとこでの姫路校ってのは、真面目に司法試験合格すること考えたら、言っちゃ悪いが「冗談でしょ」なんですよね。「儲かる!」って思って、ノウハウゼロで参入した学校は軒並み低迷していて、それと、そんな学校に進んで法曹界に進めると勘違いした人も、ある意味では「甘い」んですよ。でも、そういう甘い夢を見させた人達はもっと悪いかなぁと。
全く事情を知らず恐縮なのですが、調理師さんとか社会福祉士さんの資格については、規制強化というか、しっかりとした有資格者が勤めなくてはという認識もあるのでしょうかね?
司法試験改革は、それとは正反対の完全な規制緩和で、まぁ小泉時代とどこまで連動しているのかあれですが、一連の行政改革が、法曹界にも飛び火した面はあります。そうみると、新規参入者(新興法科大学院や下位合格者)を既存勢力が締め出したって構図でもあり、なんともなぁと思うのです。
それと、債務整理とか過払い!これは別のトリックなんですよ。
本来は、弁護士しか出来ない「非弁行為」を、おそらく弁護士以外のスタッフに行わせているんじゃないかと。
要するに、バイトに毛の生えた連中使って、弁護士報酬をいただく。
そもそも、借金自体の額は減らないとか、金融業者への紹介マージンとか、そんなダークな面でもなきゃ、あんなにCMやれないですよ。
まぁ、弁護士なんて利用したくないねぇって国民感情は、正しい気がするんですよ、日本って。
そもそもこの日本にこれほどまでに弁護士(裁判官、検察官)が必要なのでしょうか?
訴訟天国アメリカなら多少理解もできますが、
あたりを見回しても弁護士と訴訟等で関わった友人・知人など皆無です。
確かに企業単位なら必要不可欠な存在かもしれませんが、
それでも大手はお抱え(事務所)がいますからね。新人さんの活躍の場は極小明白。
そういえば数年前、親しい友人が(放送界から)転職し弁護士になりました。
でも、就職先ではかなり苦労したようです。
当初は裁判官志望だったのですが、経験年数がモノを言うそうで、
30代後半転職組の彼女は成績的には問題なくても「採用の見込みほぼ皆無」と
指導教官に言われたそうです。
彼女曰く「司法試験に受かれば誰だって最悪弁護士にはなれるのよ。
だから、はなから弁護士を志望する人なんてほとんどいないわよ」だそうで。
結局彼女は裁判官を断念し弁護士になりましたが、弁護士事務所探しでも苦労していましたね。
名の知れた大手事務所だと、何年も雑務に追われるだけで芽がでない。
だからといって中小事務所では、年がら年中離婚・相続問題くらいしか扱えない・・。
結局彼女が選んだのは、「社会人経験のある弁護士求む!」の2人しかいない事務所。
案の定離婚・相続相談ばかりで、「やってられないわ~」とため息しきり。
もっともこれは、ほんの一例なのでしょうけどね・・・。
そういえばそんな話題を話されていましたね~
何だか無理矢理作った法学部だかなんだか。。。難しいだの学生の質がどうだとか
おしえる教授がなんだとか。。。。
とにかく大学のかたたちにとっても歓迎されてはいなかった様子でしたネ。
本当に国?の方々は良くもそのように後先考えずにいろいろの事を決めてしまうモノですネ(-_-;)
税金の無駄遣いの方法はあらゆる方法で考えるのに。。。
お金を無駄にしない方法や生かすお金の使い道の研究は全く苦手なのですか~?
米百票デシタッケ?あんなふうにしてくださいませ。
麻生みことさんの書かれた「そこをなんとか」というシリーズです。
少女漫画なので脚色はされていますが、一応弁護士が監修されているので法的解釈は踏み外していないかと。
法科大学院といえば。
うちの地域に合格者を出さないので有名な某法科大学院がありましたが、いつだったか募集を止めるというのがニュースになっていました。
元々法学部自体がレベルが低かったのに、法科大学院だけがレベルが上がるわけないよなぁというのが地元民の感想です。
司法試験については、結論としては「昔の試験制度に戻せばいいんでないの?」ってことになるんでしょうが、既存の法科大学院にしてみたら入学者減という損害を蒙ることになりますからそれも難しいのでしょう。
いちど引いたレールが外せないのは、公務員の特性でもありますが、利害関係者の運動ってのもあるんですよね。
今回弁護士の事例を挙げられていますが、例えば栄養士という資格も以前は調理業務で一定年数の職歴があれば受験可能でしたが、今は専門学校などの卒業資格が必要です。
教員も10年毎だったか講習を義務付けられていますから、毎年かなりの人数が受講しているはず。
私が在職中に取った社会福祉士も知識の有無に関わらず福祉系大学卒か一定の経験がある福祉系専門学校卒の人しか受験できません。
出生数の減少に伴う入学者減は学校法人の経営を苦しくしているでしょうし、既存の学校がそういった資格等の必須条件の対象となることで生き残ろうとしている部分もあるのではないかと思います。
弁護士といえば、今CM等で債務整理だとか過払いがどうのとかよく出ていますよね。
あれも余剰人員がでるようになったから人海戦術でちまちま対応できるんだろうなぁと思っていたりします。
弁護士の仕事確保のために過払いの規制が厳しくなったというわけではないのでしょうけど。