一月自作「干支『動物島』」
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/04 22:09:07
その島国は島を十二の小さな地域に分け、まとめて一つの島を国として治めていたのです。
地域にはそれぞれに動物の名前が付けられたそれぞれの人種がいて、島の雑役の仕事の役を順番に、一年交代で回してすることにしていました。
今年の島の役は、辰地域の竜人種が受け持つ順番で、竜人種が島の雑役の仕事をすることになりました。
順番は昔のヒトの教えに従って決められていました。
去年は卯地域のうさぎ人種が役を持っていましたが、一月一日になって辰地域の竜人種に引き継がれ、辰地域竜人種会長のリュ・ウゴミが代表としてその役を引き受けることになりました。
辰地域は島の南東方向にあり、その先には大海原が広がっていました。
また、島の陸地の真ん中には火山があり、今も活動を続けていて、辰地域には昔の火山噴火の時に溶岩が流れ出て海に達した後がいくつもありました。
その流れた後は空中から見ると、龍の形のように見えるのでした。
昔の教えに従い、この島では一年を十二の月で分け、一日も十二の時間で分けているのでした。
昔のヒトの教えは複雑でいろいろな説があり、物事を十で分けてみたり、八で分けてみたり、五で分けてみたり、四で分けてみたりと好き勝手な分け方が幾つもあり、島ではそれらの説を全部否定せず複雑に組み合わせて行事を行っていたのでした。
島の各地域の人々は昔の教えに従った神を信じていましたがその教えも何通りもあるので、各地域では地域の動物名の神をとりあえず代表の神として崇め、辰地域では龍神を地域神社に祭り、神社の名前を竜宮神社としていのでした。
ウゴミは竜宮神社を訪れていました。
この一年を占うための神事を行うためです。
竜宮神社には龍神のお告げを伝える巫女がいました。
いろんな準備をした巫女はもうすでにトランス状態になっていて、龍神が巫女に憑依していました。
「龍神さまのお告げを聞きに参りました。この一年がどのような年になるのかどうぞお聞かせ下さい」
ウゴミが巫女に尋ねました。
巫女は龍神の声で次ぎのように答えました。
「この一年は災いの年になるであろう。島の山が怒り、炎を上げるかもしれぬ。山を沈めるためには生け贄を山に捧げなければならぬ。山は男じゃ。島の若い女性の肉体がよかろう」
巫女はそう言うと、気を失いその場に倒れてしまいました。
ウゴミはあわてました。
「山が噴火すれば、辰地域に溶岩が流れてきて地域が被害をこおむる。地域のために若い女性の肉体を山に捧げねばならいが、誰をその犠牲にすればいいのというのだ」
ウゴミはすっかり考え込んでしまいました。
地域の住民の事は何でも知っているウゴミは、若い女性のいる家族を思い浮かべました。
「あなたの娘を山の生け贄にします」
そんな惨いことをウゴミに言えるはずがなかったのです。
もしそんなことをしたら、その家族に一生恨まれてしまうでしょう。
「なんで、私のときに山が噴火するのだ」
ウゴミは悩んで悩み抜きましたが、解決方法を見つける事はできませんでした。
その時、がたがたと家が揺れる音がしました。
「地震だ。山がお怒りになってる」
ウゴミは急がねばならないと思い、生け贄を誰にすればいいのか決心しました。
弟のサゴミの可愛い一人娘のコミコに決めたのでした。
身内を犠牲にすれば地域のヒトに恨まれることはないと思ったのでした。
ウゴミは弟の家に急ぎました。
しかし、弟にいきなり娘を生け贄にすると言っても、聞いてもらえるはずがありません。
いや、どれだけ説明しても「なんで私の娘なのだ」だと言われるだけでしょう。
そこでウゴミは弟のサゴミを騙し、娘のコミコを連れ出すことにしました。
「今、竜宮神社にお参りすれば良縁のご利益が受けられる」
ウゴミはそう言って、サゴミを騙してコミコを連れ出し竜宮神社に連れて来たのでした。
神社の境内にコミコを待たして、ウゴミは巫女のいる本殿に入り、生け贄の若い娘を連れてきたことを伝えました。
龍神が乗り移った巫女が低い声で言いました。
「生け贄の娘を白装束に着替えさせ、神社の岩の上にたたせろ。山には私が運ぶ」
巫女はそう言って、また気を失っていまいました。
白装束の着物はちゃんと用意されていました。
まだヒトを疑うことを知らないコミコは、ウゴミの言う通り着ている服を脱ぎ裸になって白装束の着物に着替えようとしました。
ウゴミはコミコの美しい裸体を見て、この肉体を山に捧げるのは理不尽だと思い、自分が白装束の着物を着て生け贄になることにしたのです。
ウゴミは女装して白装束の格好で岩の上に立っていました。
そうすると体を突然後ろから誰かに掴まれ、空中に浮かびあがりました。
みるみる空高く舞い上がり地上の神社から離れて神社が小さくなっていき、すぐに地域全体が見えるようになりました。
島の火山の火口が見えた時、支えられていた手が離され一気に落ちていくのが分かりました。
島の火山はその年には噴火しませんでした。

























犠牲の上に物事が成り立つですかね
リストラに始まり戦争まで弱い者は強い者の犠牲
生きて行くための掟と言ってしまえばそれまでです
そういう事にできるだけ係わらない生き方できたらいいですが
向こうからやってくるのが世の常
私には弱い者の叫びが聞こえるタイプの人間でした
火口を見た瞬間。ウゴミは、納得して微笑んだんでしょうか。
それともショックで意識をうしなったんでしょうか。
はたまた、覚悟の上と立ち向かったんでしょうか。
噴火をしなかった、その年の火山は、ウゴミの精神に支配されていたのかもしれませんね。
純粋にコミコのことを思っていたかどうかは謎です
コミコの若くて美しい肉体を見て、価値をみいだしたのでしょう
昔のヒトもやはり価値があるから、神に捧げたのかもしれません
そうかもしれませんね
人工的な物が少なく、家を出れば自然ですから
虫との接触の機会も多かったと思います
いや、汚いウゴミを山が受け入れたとは思えませぬ
かえって、噴火を早めると思いました
若い女性の肉体は、なんで魅力的なんでしょうね
山が欲しがる気持ちが分かります
純粋なコミコを想うウゴミの決断に切なくなりました。
昔々、自然と人と神は 今よりずっと近かったのかもしれませんね。
尊い犠牲という悲しい物語とともに、天災に苦悩するウゴミの姿に感動しました!
昔の自然と今の自然は何も変わっていませんが人間が変わりました
原子だとか電子だとか素粒子だとかDNAだとか
昔なら神さまの領域だったのをいじくりだしました
この先人間は自然の中で何をしでかすのでしょうね
核燃料より恐ろしい燃料を使いだす日がくるかもです
人間の力を遥かに超えた自然の力を制御することは神にもできないことでしょう
やっぱり男は守るものを守るのが役目なのでしょうかねぇ~
最近の女性は男より自分を守る能力があるみたいです
何でも良く知っておられます
社会に出なくても情報を得ることができる時代だからかもです
龍神は昔の神様だから昔の方法しか知らなかったのでしょう
現代の神様がいたらどんな方法を取るでしょうね
ブラックホールなんかを使ってマグマを吸い取るとか
自然に比べれば人間はどこまでも小さいです
龍神様は、ウゴミさんの心が伝わったので、わざと騙されたフリをしたのかも。
昔のヒトはいろんな方法で占いを行っていたみたいです
占いってなんか未知で魅力があります
自分に見方してくれる縁起物や占いの結果はつかの間の安心を与えてくれます
多くのヒトが一度に死んでしまう核がある現代社会で、生き残りの選択をするのは難しいです
生きているのが価値あるように思える社会であって欲しいと思います
なんか、手塚治虫の火の鳥の絵を思い浮かべながら読んじゃいましたw
生贄って・・・男でも関係ないんだ。。。っていうか、昔の人は真剣に信じてたんですものね。
今、信じていることでも、未来の人から見たら、「えー」って言うこと、色々あるんでしょうね;