ロッカー観察日記10
- カテゴリ:小説/詩
- 2012/01/09 00:27:14
平安時代?
「平安時代ってあの聖徳太子とかがいるやつ!?」
「聖徳太子は飛鳥時代ね。」
「...。まあ、昔だろ。」
「そうだねー。」
呆れたような顔をしながら駅員は再び扉を閉める。
「マジで!?嘘だろっ?」
「だいたいロッカーが外に繋がってる時点でおかしいじゃない。そんくらい信じてよ。」
おかしいと分かっていたのかよ。
「百歩ゆずってこのロッカーが平安時代に通じているとして、こんなものを俺にみせてどうしたいんだよ!!」
思わず叫んでいた。
もしかしたら外にまで聞こえていたかもしれないけど、俺はイライラしていたんだ。
変な鍵拾ったとおもったらその鍵をもらうし、その鍵つかってロッカーあけたら何処か知らない場所に繋がっているし、変なおっさんに襲撃されるしわけのわからないことばかりだ。
「理由なんてない。ただ、君に○○を知ってもらいたかった。」
駅員がまるで俺の考えを読み取ったかのように、少し悲しそうな顔をしたあとに呟いた言葉は電車が駅に到着した音でかき消された。
「えっ?ごめん聞こえなか...。」
駅員にもう一度聞こうと思い声をかけようとした時、目の前にもう駅員はいなかった。
確かに目の前にいたはずなのに、俺は目をそらさなかったはずなのに。
なのに...消えた。
漫画であるようなフッと消えるようではなく、もともとそこにいなかったかのようだった。
呆然と立ち尽くしていると背後のロッカーからまたガタンっと音が聞こえた。
振り返るとロッカーは開いていなかった。
もう、あけるつもりもなかった。
「ねえ、俺怒らせちゃったかな?」
「また同じことをしたのかね?」
「...うん。」
「いまさらそんなことをしてどうするつもりだい?」
「...。」
「まあ、貴方の気持ちは分からんでもないよ。しかし、貴方は人間を贔屓しすぎだ。」
「別に贔屓をしているわけではないよ。君だって人間だろう?そんなことを俺にいって言の?」
「私は科学者だ、人間も研究対象であるし、科学者は貴方に近づくために存在する。」
「そういえば、君の考えたあの理論は間違っているよ?」
「分かっているさ。未来の人間のためにも間違っていたほうがいいだろう。」
「そういうものなの?」
「すべてが分かってしまったら、この世界はとてもつまらない。」
「そう...俺には君達の考えることが分からないよ。」
「私達もまた君の考えることは分からないさ。では、もう時間だ。また次の機会にでも。」
「じゃあ、またね。」
「いい夢を、私達の真理。」
一人の人影がロッカーの扉をパタリと閉める。
終電が過ぎた無音の駅にその音はとてもよく響いた。
俺が眠れないこと...知ってるくせに。
ロッカーを閉じた音よりも小さな呟きは誰にも知られず空に消えた。
おわった...?
終わり...かな?
多分終わった。
ってか自分でも納得いかないんですけどこのラストおおおおおお
なんだこれ、
まあいいか。
ロッカー観察日記はおわりです。
主人公はもうロッカーをあけることはないです。
あけてはいけないような気がしたから。
うん、そんな感じ!!
この設定を引き継いだ話もそのうち書きますけれどねー。
このらすと>>>??
いやー、そのうち書きます。
外伝的な何かw
勝手に終わらすなや(