ましら秘湯 中
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/20 07:47:24
コミコが気が付いたのは温泉の脱衣所のような所だった。
そこの長椅子に寝かされていた。
ゆっくりと起き上がったコミコは何故こんな所に居るのか考えを巡らした。
『バーチャル秘湯にお連れします』
コミコの頭に突然部屋に侵入してきた男が吐いた言葉が浮かんだ。
「もしかしてここは拡張空間の秘湯?それにしてはよくできてるわね。なんか本当の温泉地にいるみたい」
コミコの居る場所は温泉のリアルな舞台装置があり、その背景にコンピューターグラフィクを用いた観客のいないスタジオのような所だった。
「まぁいいか。秘湯の温泉を訪れたヒロインになればいいのね」
コミコはそう考えて脱衣場に用意されていた浴衣に着替えそして手拭いを首に掛けて、温泉気分で案内の看板に示されている外の露天風呂に向った。
露天風呂は畳二畳程の小さい物で、本物の一枚の岩をくり貫いた浅い五右衛門風呂のような丸い形をしていた。
その中に赤褐色の湯が湯煙を上げて、こんこんと流れ込む源泉に湯船は溢れ、かけ流しの状態になっていた。
「きゃ~、素敵」
コミコは思わず声をあげた。
露天風呂の前には泉質の案内があった。
『味噌風呂。無臭の味噌汁のような泉質で美肌になる』
これを読んだコミコは首をひねってしまった。
「こんな泉質は始めてだわ。確かに味噌汁みたいなお湯だけど、普通は鉄分が多いとか書いてあるのにね。おもしろい表示だわ」
コミコはユーモアあふれる表現だとしか思わなかった。
湯船に片手を浸けゆっくりとお湯をかき回したコミコは、その程好い湯加減と湯の粘り気に満足した。
手に付いたお湯からは味噌の臭いがしてるような気がした。
コミコは浴衣と下着を脱ぎ、手拭いで前を隠しながら湯船に足を入れた。
深さは膝の上ぐらいで、その中で寝た状態になるとちょうどいいような湯量だった。
ゆっくりと膝を曲げながらお尻を湯に沈め、座った状態になったコミコはその気持ちの良さに満足した。
露天風呂の周りの風景は大掛かりなセットになっていた。
秘境らしく近くに小川が流れ、背後には大きな岩が聳え立って小川は小さな滝になってその上から流れ落ち、背景には中国の山水画のような山と河川が描かれていた。
コミコはその雰囲気に満足してすっかりくつろいでしまい、体を湯船に浮かべる感じで両手両足を広げ天を仰いでしばらくその状態でいた。
「あぁ、気持ちいい」
コミコは都会の中でこんな雰囲気を味わえるなんて、なんて贅沢なんだろうと大満足していた。
のんびりしていると滝の音に混じって動物のかん高い鳴き声が聞こえてきた。
「もしかして、サルの鳴き声でわ」
コミコが視線を空から岩の上に移すと、そこには猿達が顔を覗かせコミコをじっと見ている姿があった。
彼女が目線を合わした猿達は地球の普通の野生の猿とは様子がまったく違っていた。
「あれはひょとして火星モンキー?」
火星モンキー、それはコミコが家で楽しんでやっているPCの仮想空間に登場するサルのキャラクターだった。

























必殺まゆ外科医先生で登場ですね
人間出汁の味噌汁ですか
まゆちゃんの出汁だったら何杯でも飲めそう
火星モンキーはパパ、ママで呼ばれいてパパモン、ママモンがいます
あまり人気が無いみたいです
味噌汁のところが、注文が多い料理店のような気がして不気味です。
まだ、見た事が無いです。