偉人伝 as a 人生成功マニュアル
- カテゴリ:勉強
- 2012/01/23 12:57:12
伝記の話は、これで3回目で完結編です。
色々と調べたり、皆さんのコメントを戴く中で、「偉人伝って何?」って少しだけ分かった気になりました。
もともと、伝記自体は、ローマや漢の時代にはあって、歴史書の大事なコンテンツとして皇帝等の伝記があったということなんだけど、これは現在の偉人伝とは少し違う。万歳!一色なんで、教訓ってもんが得づらいと思うわけです。
で、偉人伝については「生き方を学ぶ」ってことに尽きるんだと思うのです。キリスト教圏では聖人伝が中世には続々と書かれるし、中国でも日本でも、偉人伝with教訓というのは近世には間違いなく出来ている。そういえば、リンカーンは、ワシントン伝を苦労して借りて読んだんだよなとかも思い出す。
これって、元祖「人生成功マニュアル」なのでは?と勝手に思うのです。
現代は多様な生き方がありますが、ざっくり200年遡れば、世界のどこにも多様な生き方なんて殆どなかった。皇帝・国王から奴隷・乞食まで、堕ちることはあっても上がることはえらく大変で、大半の人は親の仕事を粛々と受け継いでいた。
そんな中で、己の才覚、勇気、決断なんてもんで、「立身出世」を遂げた人がいると、「そうなりたい!」「どうしてなれたんだ?」って思う人が当然現れて、そこに「偉人伝」が誕生したと思うのです(根拠なし)。
現代では「尊敬する人は両親です」ってありがちだけど、↑な昔では親を尊敬していても「立身出世」は叶わないので、正しい意味で「身を立て、世に出でる」ためには、先達の成功例に「倣い」「習い」する必要があった。だから、↑のリンカーンの例だけでなく、偉人の多くは、先達に学ぼうと、私淑したり、会いにいったりと、頑張っている。
そうした「立身出世」から変化が起きたのは、19世紀後半から20世紀になって、社会変革や産業の発展によって、一人個人の栄達でなく、社会に広く裨益することが「偉業」とされるようになってきたと思われます。
エジソン、ノーベル、フォードあるいはスティーブンソンが一つの流れ。
もう一つは、ナイチンゲールとかヘレン・ケラーの流れなんだけど、この二人が誤解されがちなのは、前者を献身看護婦で後者は三重苦克服ってのを偉人のポイントとしがちだけど、正しくは、前者は近代的な病院看護制度の創設で、後者は女性や障害者の社会進出運動の旗手だったこと。ヘレン・ケラーは「尊敬する人は、レーニン」なんだよねw
子供に「立身出世」を遂げて欲しい、あるいは「広く社会に貢献して欲しい」って親なら誰でも一度は思うんじゃないですかね?そのときに、お手本として自分の生き方を示すのに躊躇する人がいる限り、姿を変えつつも偉人伝は不滅なんだと思います。
それと、偉人伝as a 人生成功マニュアルが大好きなのは、実は子供でなく、私達大人だという事実。どんだけ多くの人が、ジョブズの自伝を早速買ったり、「戦国武将に学ぶ出生術」的な雑誌の特集に喰いついているかと(爆笑)
人間の人生なんて、他の人の人生から学ぶしかないですから(当たり前か)
最後に、個人的に、色々な偉人伝ラインナップを読んで思ったこと。
・ 社会主義者はダメなんだな(マルクス、レーニン、毛沢東など)
・ 高校・大学くらいで、ホリエモンとかヒトラーとかの主張を読んで考える「青年の伝記勉強」も必要では?
・ 与謝野晶子って、恋愛・結婚・育児・夫との関係ってな面で、もっと勉強になるはず
おしまい
最終回まで 丁寧なコメント感謝です。
Olivierさんって、職業柄、聞き上手、聞き出し上手、学び上手なんだなというのは、書かれていることから、容易に察せられます。
で、そういう貴女をして『人生という大海原を泳ぎ切るには偉大なチャート(海図)が必要だ』と言わしめて、その一助として、偉人伝を活用されていると聴くと、「やっぱ、大事ですよねぇ」と思うのでした。
(は、この時点で、聞き上手に乗せられているんだよなw)
>一度しかない人生ですからね。素晴らしい先達の軌跡から学ばない手はありません(^^)
ホントにホントに。
まぁ、僕は、勝手につくった名言「世の節理の多くは、真夜中の酒場で紡がれる。しかし、その多くの節理以上の とんでもない量のムダが生まれ、捨てられる」なので、偉人の逆の奇人や一般人から学ぶことも多いとは思ってますが、そうした至言に至るまでにロス多すぎ!
やっぱり、偉人伝ですよ。
『人生という大海原を泳ぎ切るには偉大なチャート(海図)が必要だ』と云います。
ただ人によっては、成功や幸福のみならず失敗や挫折も全ては有用な経験、
人生に近道などなく全てが彩りとなる、と。・・・確かにそうかも知れません。
それでも個人的には、自分の行く手(人生)に穴ぼこがあるのなら、落ちたくありません。
明日の確証なんて誰にもないわけですから、(立ち直りの遅い私には)時間が勿体無い。
私にとって「偉人伝」の魅力は、単に成功(成果)ではなく、困難の克服・その過程にあります。
その姿が、自身の明日を生きる力に変わる・・そんな経験を幾度もしてきました。
一度しかない人生ですからね。素晴らしい先達の軌跡から学ばない手はありません(^^)