~争いの無い世界~*最強少女の知られざる過去Ⅷ*
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/25 18:43:30
終わらせる、そんな気持ちで大剣を横に振った。
魔物は避けようとバックステップを踏もうとしたのか、少しよろめき簡単に斬る事が出来た。
ドサリ、と魔物の上半身と下半身が別れて倒れる。
そこからは血は出ない。元々血が無かったのか、または他の理由か。
倒れた魔物はぴくりとも動かず、そのまま沈黙していく。
私は剣先を下に下ろす。
――案外簡単に斬れるとは…偽物【ダミー】程じゃなかったけど…
睨むように上下真っ二つに斬れた魔物を見、少女達の方へ行く。
――ねえ、武器とか持ってない訳?
――…?
――武器よ武器。ほら、これみたいにさ
そういいながら私は大剣を見せる。
そもそもこの少女達の代なら扱えなくても武器位持ってる筈だ。
二人はそれぞれ自分の武器を出す。
一人は、腰に付けてあった白いガンベルトから二丁拳銃を。
もう一人は、掌の上に小さな火を作り、何か小さく唱えると火は杖へと形作る。
それらを私に見せるように、己の武器を手に持つ。
――ふーん、それが貴方達の武器…か
小さく呟くように言う。
――私達は、三、四年前に自分の武器を持つ様に言われたの。けど実戦とかしたことないし、戦い方もまだ教わってなくて…
――成程ね。だから魔物は魔力を持つ、武器は持っているが扱えない二人を狙う訳か。
今は武器は扱えないと言う二人。
けど私なら分かる。
この二人、唯者じゃない。経験を積み重ねれば、強くなる。
と、不意に後ろからメキメキと不気味な音が聞こえ、後ろを振り向いた。
そこには、数分前に私が斬った魔物の下半身から、太かったり、細かったりする数本の蔓が伸びてくる。
――二人とも下がって!
再び剣を構え二人を後ろに下がらせる。
微動だにしなかったあの魔物から、蔓が伸び続ける。
何がどうなってるのかよく分からないし、ああ言う感じの魔物は私にとってやはり初経験の魔物。
次々と伸びてくる蔓を剣で斬る。
が、断面からまた新しく蔓が伸びてきた。再生。
――焼き払うか…
一度剣の先を刺し、詠唱をして壁を作る。
その壁が蔓に破壊される前に魔法陣を描きその真ん中に立ち、親指を少し噛み切って血を垂らす。
バチバチと青白い光が魔法陣の周りを走ると、ごう、と赤い炎が出る。
――゛蔓の根まで全て燃やしつくせ!゛
詠唱をすると炎は二つに分かれて左右から燃やし始める。
が、しばらくすれば炎は消されてしまう。
炎で若干焦げた蔓は盾にしていた壁を打ち砕く。
――しまっ…!
剣で蔓を斬ろうと…出来なかった。
大剣の柄を握った時には蔓が足や首に巻きついてくる。
握った大剣も落としてしまい、足が地上から浮く。
――くっ…!
蔓が首を絞めてくる。
呼吸すらまともに出来ず、荒くなる。
――…や…嫌…
このままだと呼吸が出来なくて死んでしまう。
そして私は無意識の内に叫んだ。
――嫌…まだ…まだ死にたくない…!!
両親を何者かの手により失った時、私は何度も死にたいと思った。
毎日毎日苛められ、傷ついた心をもう癒してくれる親はいない。
私が召喚族の里に行った後、人との関わりを持たず、こっちから人を避けた。
けれど、私は此処に来て初めて人との関わりをもった。
おどおどしている、だけど何処か寂しげで弱々しくて、
見てるだけでも…周りでいう、「守ってあげたい子」。
私はその子に対して最初は突き放したような言い方をしたけれども、
少しは素直になった、自分でも実感できるほどに。
なのに…なのに今ここで死ぬなんて。
折角友達にもなれそうと思ったのに。
今ここで死ぬなんて。
私は―――…
そう思い、遠くなる意識の中大きな爆発音が聞こえた…気がした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続く
よく放置するな私!!^p^
今書いてる話せめて前期受ける前に書き終わりたい…!!
久々過ぎてもう何書いてんのかわっかんねーよ
いつもの事だが(΄◍◞◟◍`)
面白いし、小説かくのが上手すぎて(ry