Nicotto Town


濃すぎる毒入り日記


続:お目当てドラマは低視聴率

「ダーティママ」「運命の人」は、次回での1桁転落が現実の危機となりつつあるレート。

「平清盛」は、レート平行線なるも、新キャスト・新展開での↑がどこで実現するのか見えてこない、逆に、今後どんどんとストーリー・キャストが複雑になるので↓が進む恐れあり。混沌とした大河という、なかなか成功作のない本格派を支持する層がどれだけ残るかの問題。

で、感想。

「ダーティママ」は、正しく「ダーティハリー」のシングルマザー版だと分かったので、ひたすら永作演技をウォッチしたいです。他に何も興味なし。ただ、香里奈含めて他キャストの個性を一切無視して、佐藤二郎さんとかもパターン化した演技だけってのは、流石に残念。

「運命の人」は、こういうレートになることは、同じ枠での「官僚達の夏」で実証済。
ただし、山崎作品においては、近年映像化された「沈まぬ太陽(映画)」や「不毛地帯(唐沢版)」のような完全無欠のピュアヒーロー演出でなく、「白い巨塔(田宮版)」を彷彿とさせる、敢えて言えばピカレスク群像劇に進むなら、大いに楽しみ。
1話冒頭で、サンシンの響く美しい沖縄と米軍機ってところで、シャミンTBSか?と思ったが、そうならずに、主人公(モックン)はあくまで特ダネ命な利己的な人って描き方に好感。この話の核心は、主人公(モックン・真木さま)の心情が何によって移ろうのかなので、情交の場面を何ら描かぬままに、特に真木さまの心理描写を台詞に頼らないこともゾクゾクさせ、期待を持たせます。この二人に沖縄や平和シンパシーを持たせない、いい意味での肩透かしは、大森ナオさんが若き日のナベツネを抑えた演技で始めるなど、各キャストに徹底している。こういう台詞やアクションで直接に見せない本当の演技ってのは、一般ウケしないなぁ。前回登場の亀治郎なんて、全く亀治郎に見えないメイクで、でも、細かい所作から亀治郎を醸しだしていて、タマランです。後半メインのギバちゃんはそういうの出来るか?

で、「平清盛」

「江」とも「龍馬伝」とも違うのは、スーパーヒーローの一代記にイキナリはならず、「オレは何なんだぁ」「オレはダメなヤツだぁ」の台詞そのものの、自己確立なき清盛から始めている点(まぁ、現時点では、中学生くらいなんで当然)
そして、家族やライバルあるいは他の人々との葛藤の中から、ドラマらしい群像劇としての人間模様が生まれていく構図は、実は本来の大河(昭和の)。

それと「王家」表現とか「清盛は本来●歳」とか「汚いガキが殿上人に会えるはずなし」とか、ネットコピペな「叩きたいだけ」の批判は痛すぎ。
「朝廷」に台詞直したら、ドラマとしての質が上がるのか?
50年以上を演じる以上、実年齢でなく、そう見える年齢でドラマとしてリアリティや説得力があるかどうかが問題。
じゃぁ、戦国の女は全員お歯黒塗れよ、っていうか、歴史小説の何たるかを微塵も分かってないヤツは大河見るなって話。
7歳の江が信長に説教ってのがダメなのは、脚本・演出としてあまりに拙いからダメなんであって、白河上皇が実の親で、犬扱いされ、最後に一太刀受けろぉって演出に、今後の清盛の人生を感じた僕は、すっごい良いストーリーと思った。
むろん、それがつまらん人もいていいけど、そういう連中が過去に良作と上げる大河がどんだけそういう演出あったのか知ってるのか?と思う。

三谷さん絶賛の「黄金の日々」なんて、主人公が、実在とはいえ、殆どフィクションで展開している。
同じ源平時代を扱った「草燃える」に至っては、主人公の一人はオリジナル。
虚実の狭間というか、虚を交えることで、実から何かを浮き立たせるという歴史ドラマの基本を否定するなら、大河ドラマやめればいい。
そんで、全員が架空の人間の時代劇をやればいい。それが、水戸黄門なのか必殺なのか鬼平なのか知らんけど。

なんて批判への批判は 感想じゃないですね。

他キャストでは、三上博人のTHE三上演技に、壇れいを敢えて使って正解な受け止めを、りょうがお化けメイクで目だけで演じるのは、すっごく色気がある空間。
いまはガキの崇徳、そして、松田優作の子供の後白河が登場しての、三つ巴は、松ケンが圧倒されるほどの濃い感情が充満した演技空間になる期待十分。

それと、それこそオマエ何歳だよ?な上川さんの鱸丸の でも松ケンより年下に見える演技は、これから腹心となっていったときに どんな引いた、しかし、強い演技で松ケンを受けていくのか、すごく楽しみ。

それと、豊原さんが憎まれ役(清盛のオジ)を演じていて、彼が醸しだす「コイツ 何かしでかすぞ」オーラを完全に消して、憎まれ台詞に邪心を感じさせないのは、この人の演技の引き出しの多さに気付かされました。

つづく

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2012/01/28 08:26
Olivierさん へ

「運命の人」は、単なる西山事件のルポじゃないですよ。
あくまで、フィクションだし、「情を通じ」「機密漏洩」という、当時の世論からフル凹になった人を、相手との関係や家族との関係という内面世界から描くものだし。

だから、西山事件については、知っていて初めて楽しめるという前提だと思うし、むしろ、西山事件知らない人には、あの展開はついていけない。だから、低視聴率。

それと、冒頭で、モックンは沖縄の海に飛び降り自殺・・・な描写がありますが、
西山事件「だけ」知る人には、???ですよね。西山さんは御存命ですから。

それにしてもまぁ、僕もリアルで知っている人とは言い難いけれど、角栄、福田父、アーウー大平に、Who?な善好、そして、後藤田父と、それを知名度のある俳優さんで似せている面白さは、もっと評価されていいと思うんだけど、モトネタを知る人が少ないんでしょうねぇ。

角さん、ホーホー福田に、後藤田さんは、その子供すら、旬でなくなってますから。

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2012/01/28 08:20
たぬ休さん へ

「王家」クレームは、よくご存知と思うのですが、念のため紹介。

クレームの論拠は、当初(昨年夏くらい)は、「王家」という言い方はない!というものでした。
こう言い出した人は、当然ですが、マトモな歴史家や人間ではありません。
何故なら、「王」「王家」という表現は、当時あるいは、それ以前、それ以降でも、いくらでもあるからです。

ではなんで、そんなトンデモクレームがあったのか?
それは「王」という表現が、チャイナ皇帝世界では、皇帝に服する臣下の国の長に、皇帝が授ける位だからです。金印とか、義満が望んだとか、秀吉がキレたとか言うヤツ。
ここに、NHKをサヨクと批判する勢力が喰いついた、更に何でも批判な厨が乗っかったという構図。

まぁ、「朝廷」って表現も、「王家」って表現も、源平当時には併存していた。つまり、「皇室」なんてな万世一系チックな言葉も確たる権力もなかった。
白河上皇以前には、藤原家に牛耳られていたんですからね、帝一族は。

つまり、源平の世を、保元・平治より遡って描くなら、帝一族は「王家」という、「平家」「源家」「藤原家」と同じ、「家」の一つと捉える方が、ドラマとして分かりやすいこと。
仮に「朝廷」と描くと、武士を犬のように扱う帝一族・公家連中としては分かるけど、その中で内輪揉めが相次ぐわけで、そこでは一枚岩のような「朝廷」という言葉では、みんな困る。清盛はじめ、各武家が、王家や藤原家の誰と結ぶかを必死で考え、親子・兄弟で皆が合従連衡のバトルロワイヤルを演じたのですから。

まぁ、「王家」表現の意図は、昨年の企画段階で示すべきだったのでしょうね、NHKは。
これは学問的必要性ではなく、自局が、↑のようなアホ連中にイチャモン受けているってリスク認識からです。
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2012/01/27 01:13
『ダーティママ』と『平清盛』は見ていないのでコメントしようがないのですが、
唯一、『運命の人』は見ています。でも、苦戦していますね。
初回が、まるで映画のように丁寧に作られていたので期待したのですが、13%ですかァ。

原作未読の私は、このドラマが実際の事件「西山事件」を元に書かれていることを知りませんでした。
初回を見終えた後、早速調べましたよ。西山事件。
元毎日新聞記者の西山氏は、今もお元気で活動していらっしゃるのですね。
となるとドラマとは言え、過激(?)な演出はできなくなりますね~。

・・・と納得したところで、急速にこのドラマへの興味が薄らいでしまいました。
個人的にドラマには「予測不能な展開の妙」を求める私には、
他事の手を止めてまで見たいとは思えなくなってしまったのです。
久しぶりに「作りのいいドラマ」だとワクワクしただけに、
興味本位に「西山事件」など調べなければ良かったと後悔しきりです。あ~あ。

とは言え大衆の心を掴むドラマなら、結末が分かっていても数(視聴率)は出るのでしょう。
2話の視聴率が11%ですか?内容と比較すると、余りにも無残としか言えない数ですねぇ。

それにしても「視聴率」というのは、酷いものです。
毎回「成績」が発表・公表されるのですからね。
出演者の中には「視聴率は気にしません!」などと公言する方もいますが、気にならない筈はありません。
だって局の壁には、「祝・◯◯(番組名)23%!!」etcと
主要番組(ドラマ)の視聴率がズラリと並ぶわけですからね。
嫌でも目に入るその張り紙に、出演者のみならず作り手のモチベーションも激下がりです。

反対に、視聴率のいいドラマの現場は明るいですね。
あちらこちらでジョークが飛び交い、笑顔が溢れています。
出演者の意気込みと集中力もより高まるというものですしね。

たかが「視聴率」されど「視聴率」。10%切ったら・・・ツライだろうなァ。
アバター
2012/01/26 22:23
ドラマ観ないからさっぱりですが、ひとつだけ。

なぜ「王家」という言葉が問題なんだろう。
室町時代に「百王伝説」なんてのが語られたりしてるのだから、「王」という言葉は当時でも普通に使われているはずだし。



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