世界救らいの日
- カテゴリ:日記
- 2012/01/29 08:31:32
世界救らいの日
1月29は、世界救らいの日とされています。
癩(らい)とは、ハンセン病の旧称のことです。
癩菌による慢性伝染病です。
癩菌は抗酸菌の 1 種で,1874 年ノルウェーのA.G.H.ハンセンによって発見されたこともあり、現代では、ハンセン病とよばれています。
特に、江戸時代には癩は〈かったい〉と呼ばれ、社会から締め出されていました。
ですから、癩者は、四国や九州の霊場や寺院を遍歴・徘徊していたそうです。
明治になっても、癩に対する偏見と恐怖はかわることなくつづきました。
このような癩者に、救癩事業に最初に手をつけたのは外人宣教師であり、多くの癩病人は昭和初期まで全国を放浪していたという悲しい現実がありました。
このような差別をうけた癩ですが、非衛生的な環境が発病を促進するとされているものの、実は、感染は起こりにくく、乳幼時期に患者と長期間接触するなどの特殊な場合でしか感染しないそうです。
遺伝病だというデマも流れていることもありますが、決して遺伝することはありません。
世界的に見ても、癩はこの世で最も不幸な病気といわれ、様々な差別の対象となり、また人間が認識した最初の病気であるともいわれています。
古くは、前 2400 年ころのエジプトのパピルス文書に癩は記録されており、日本においては、古代の律令のなかで癩は最重度の篤疾のなかに入れられ、厳しい規制が課せられていました。
のちには天刑病ともいわれ,不治の業病とされたのは、当時の医学では、癩に対してまったく無力であったことがあげられます。
ですから、当時としては、この病気を防ぐ唯一の手段は社会的規制によるほかなかったという歴史的背景があります。
しかしながら、現代においては1940年代のプロミンをはじめとして,リファンピシン,DDSなど,すぐれた治療薬が開発されたため、確実に治せるようになりました。
治療後も、障害を残すことなく、外来治療によって完治する病気になりました。