ゴキブリハンター 2
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/31 11:43:52
ハイレグ島には大きな埠頭があった。
長年放置されたままの港の施設は荒れ果てていた。
大型の貨物船を横付けするための岸壁は、鉄骨とその上に覆工板を乗せた簡易的な岸壁で、鉄骨の腐食によりいつ壊れてもおかしくない状態だった。
ある裏組織がこの岸壁に船をつけ、運んできた各国の有害廃棄物と放射性廃棄物を島に投棄し続け、そのためにこの島は地球のゴミ溜めになってしまった。
世界一危険な場所になった今、この島を訪れる者はいなかった。
ゴキブリハンターのゴォミは、船を安全に停泊できる場所を探して岸壁に沿って船を走らせていたが、どこも腐食が進んでいて危険に思えた。
岸壁の端は自然の岩にコンクリートを打って継がれていた。
「ここなら安全だろう」
ゴォミは自分の船をそこに停船させることにした。
ホーサーと呼ばれる係留用のロープを桟橋に向って投げたゴォミは、船から飛んで桟橋に上がりビット代わりに突出したH鋼にホーサーを掛け船を係留し、また飛んで船に戻り船室でこれからの計画を考えることにした。
船室にはハンティングに必要な道具、それに食料と水が用意され置かれていた。
ハンティング用に用意された食料は七日分だけで、その間に巨大ゴキブリと勝負を付けなければならなかった。
ゴォミは島の地図と衛星写真を見ながら巨大ゴキブリの動きを考え始めた。
「普通のゴキブリは夜行性だが、巨大ゴキブリは昼間も活動するみたいだな」
衛星写真に写った巨大ゴキブリを見ながら、ゴォミは独り呟いた。
衛星写真は昼間に撮られたもので、巨大ゴキブリが廃棄物の入ったドラム缶の上を渡り歩く姿が写っていた。
「ドラム缶の直径は普通60センチだから、それ二つ分だと体長は1.2メーターの大きさだな」
ゴォミは両手を広げて巨大ゴキブリの大きさを頭に浮かべ、その大きさのゴキブリが長い触角を左右別々に動かしながら徘徊するのを想像していた。
「ゴキブリは雑食で何でも食べてしまう。あの素早い動きで襲ってきたら、一溜まりもなくやられてしまうかもしれない」
ゴォミは危険を感じ、一日目は様子を見るために桟橋にホウ酸団子を置き巨大ゴキブリをおびき寄せることにした。
ホウ酸団子はゴォミがここに来る前に自分で作った物で、ゴキブリをおびき寄せるには最高の物と思われていた。
ゴォミはパソコンの映像を眺めていた。
ホウ酸団子を置いた場所の周辺の映像がリアルタイムで映し出されていた。
埠頭の背面はなだらかな丘になり、その斜面には雑草と熱帯の樹木が生えうっそうとし、島の内の様子はゴォミのいる船からは見えなく、まったく分からない状態だった。
アイスコーヒーで喉の渇きをいやしいながら、ゴォミはPCのモニターを眺めていたが昼間のせいか変化はなかった。
モニターの横には現在の気温と湿度それに気圧が表示され、特別に放射線量もいいかんげんであるが表示されていた。
「現在の気温は38℃湿度85%気圧は1005mbか。天気は晴朗なれど敵は現れずだな。放射線量は20mSv/hか。かなりの量だな」
放射線量のシーベルトは放射線被曝が人体に影響する度合いを表したもので、年間での安全基準の50mSvを3時間の値で超えるものだった。
ゴォミは放射線は気にしていなかった。
「人間、いつかは死ぬものだ」
彼は癌を患い肺の一部を撤去していた。
癌は体の肝細胞が間違った細胞を造りだしたものだと思っていた。
肝細胞は正常な時は細胞を分化して各器官の細胞になるようにしているが、生物の進化の過程で癌細胞が必要な時があったのか、それを思い出して癌細胞を造りだしてしまうときがある。
癌細胞はみるみる増えて正常な細胞を破壊していくが、正常細胞は自分の仲間の細胞が増えてると思っている。
自己破滅の始まりだ。
癌細胞は自分の仕事だと思って、すべてを癌細胞にしなければと思い頑張って転移する。
肝細胞の勘違いはいつ起こってもおかしくない仕組みになってるのだ。
自己破壊装置のスイッチが入れられるのは、神さまが決めた運命なのだ。
ゴォミはアイスコーヒーを飲み干し、夕食の用意に入った。

























はい、いっぺん島を台風が襲うことにしたいと思います
ゴキブリハンティング、
BB弾のおもちゃの銃を使えばできることに気がつきました
この夏、やってみたいです