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2月自作「チョコ『ショコラティエールこみこ』」


こみこはチョコ職人で、彼女がチョコで造る薔薇は人気があった。
薔薇、それは美を意味する花。
こみこは女性の美しさを表現するのに薔薇を用いていた。
それに対し男は薔薇の花に群がる蝶をイメージしていた。
蝶、それは蜜を吸う昆虫。
一つの花の蜜を吸い終わると、次の花へひらひらと飛んでいく。
こみこはそんな蝶を許すことができなかった。
薔薇に棘をつけ、他の花に移る蝶を騙して棘に留まるようにし、蝶を殺すことにした。


こみこには囲ってる男がいた。
こみこの店の使用人でパティシエの見習いをしてるごみ太だった。
二人は店の主人と店員の関係でありながら肉体関係をも持っていた。
こみこはごみ太よりも年上で、一回りの年の差があった。
二人は世間に関係を知られないよう、別々に暮らしていた。
いや、こみこにはそうせざるを得ない理由があった。
こみこにはスポンサーがいて、その男がこの店を買って用意してくれたのだ。
「おはようございます。こみこ店長、いよいよ今年もバレンタインデーが近づいて来ましたね」
パティシエの朝は早く、朝から眠たそうな顔をしてるこみこにごみ太がそう言った。
「おはよう。そんなこと言われなくても分かってるわよ」
こみこが不機嫌そうに答えた。
この時期になるといつも店のショーウィンドウをチョコの薔薇で飾るのだが、今年はまだ飾られていない状況だった。
「店長、いつものチョコ薔薇はいつ造られるのですか?」
ごみ太はこみこに聞こうとしたが、言葉にすると険悪な雰囲気を増幅しそうなので止め、自分の仕事に取り掛かった。
ごみ太はケーキの生地作りと焼き上げを担当していたので、まずタマゴのかき混ぜを始めた。
「ごみ太、昨日の夜は来なかったわね」
仕事に取り掛かったごみ太にこみこが聞いた。
「お店が忙しくて疲れたので、帰ってすぐに寝ました。店長も疲れているみたいだし止めときました」
「この頃なんか冷たいじゃない」
「そんなことないです」
「誰か他に女を作ったんじゃないの?」
「えぇぇ、そんなことしません」
「私の体があんなに好きだったのに、飽きたんじゃないでしょうね」
「そんなことないですって」
こみこの不機嫌なのは昨日の夜に抱かなかったのが原因だと分かったごみ太は、疲れていて寝てしまい電話にも出られず行けなかったと言い訳をした。
しかしこみこは、ごみ太が何処かへ出掛けるのを帰りに車から目撃していて、ごみ太が嘘をついていることを知っていた。
「私の造るチョコ薔薇には棘があるのよね」
「そうですね。いつもあんなに細かい棘まで造るなんて、やっぱり店長だからできるんですね」
ごみ太はこみこの機嫌を損なわないようにした。
「ところで今年は、その棘に留まる蝶を造ろうと思うの」
「棘に留まる蝶ですか?棘より花の方が留まるにはいいと思いますが」
「そうね。普通は花に留まるのだけどね。バカな蝶は騙されて棘に留まるの」
ごみ太には何でわざわざ、棘に蝶を留まらさなければならないのか理由がわからなかったが、彼女が造る作品なので好きなようにすればいいと思って、それ以上は何も言わなかった。
タマゴをかき混ぜてるごみ太にこみこが近寄ってきた。
「ねぇ、私にに触って」
突然にこみこにそう言われたごみ太が手を止めた。
「何言ってるんですか。開店前の忙しい時に」
さすがのごみ太も生地を造りあげることで頭がいっぱいで、こみこの言葉に面食らって怒りを感じてしまった。
「私、これから裸になるからケーキのようにチョコを塗ってくれない。そして食べて」
ごみ太はこみこが気が狂ったのだと思って唖然とした。
「私が薔薇を造るために用意したチョコを私に塗って。私を薔薇だと思って欲しいの」
そう言うとこみこはシェフコートを脱ぎ出した。
「朝から止めて下さい」
ごみ太は見ない振りをして仕事を続け始めた。
裸になったこみこは厨房の台の上に仰向けに寝て、チョコレートの生地を自分の体に垂らし始めた。
「私の体、薔薇のように綺麗でしょ。あなたはもう棘に留まった蝶なのね」
こみこの言葉が聞こえると同時に、ごみ太の意識が薄れていった。

こみこの店のショーウインドウにチョコの薔薇が飾られた。
そのチョコ薔薇の色はいつもは生地の色だが、今年は赤い血の色の薔薇だった。

#日記広場:自作小説

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2012/02/06 14:35
パールくんどうもです

パールくん、実感がこもっていますよ^^
母親にしてみれば、息子が離れていくの辛いかもです

蜘蛛女、怖そう
ねばねば糸はどの穴から出るのでしょう?
ねばねば穴、気持ちよさそうな穴です
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2012/02/04 10:15
こみこ、早まった!?完全に女がいるって確信してたのか。。。
愛してる年下の男の子が離れていくのは、辛いだろうなぁ
どうにか、生きたまま棘に留めておきたいねww
蜘蛛女なら、糸でがんじがらめにして、逃さないのにww
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2012/02/04 06:29
BENクーさんどうもです

薔薇の棘、女の棘は注射器のような棘
ちくって刺さって毒が
それとも血液を抜き取られる
可愛くてトゲのない花がいいですね
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2012/02/04 06:22
なぎささんんどうも

いつも応援ありがとです
いつもの路線だと性器チョコになっちゃいますね
はい、挑戦しますのでよろしくです
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2012/02/04 06:19
スイーツマンさんどうもです

はい、アロマセラピーです
スイーツにお詳しいスイーツマンさん
合掌までして頂きどうもです
チョコで造ったビーナス、オッパイから食べてみたいです
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2012/02/04 04:31
こみこは、ごみ太を殺したのでしょうか・・・そんな思いに到らされるのはゴキブンさんの作品に魅入られた証拠ですね!(^-^)
(殺されてない方が逆に怖さがある気もしますが…ゾクッ!)
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2012/02/04 01:14
世にきもにでもでてくるようなお話
なんだか途中でひょっとして・・って思っちゃう
怖いもの見たさの気持をそそられるね
いつもの路線と違って また違う面白みがあります
色々なお話に挑戦していってくださいね
応援してます^^v
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2012/02/03 22:52
あれまあ

合掌
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2012/02/03 02:13
紫草さんどうもです

はい、チョコペンで検索してみました
マーブルチョコで検索してみました
チョコにどんなにして色つけるのでしょうね
ホワイトチョコなら簡単そうです

はい、女性は男にとって魔物です
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2012/02/03 00:08
 赤い血の色の薔薇。
 そういえば、最近は色とりどりのチョコがありますね。
 そういった中でも、薔薇などのお花を形作ったものは綺麗ですが、それが赤い薔薇…
 見てみたいような、見たくないような。
 ちょっとホラーを感じました^^
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2012/02/02 22:23
かいじんさんどうも

はい、選びましょう
男はどうしても同じだと意欲が薄くなります
女は同じのがいいタイプと違うのがいいタイプがあるみたいです
世の中、難しいです
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2012/02/02 21:58
情事の相手は選ばないといけませんな・・・
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2012/02/02 21:54
ちょみさんどうも

今回のこみこはちょと妖怪じみてました
本気と遊び心の違いというのでしょうか
本気の恋は怖いでぇ~す
「あなたを殺して、わたしも死にます」みたいな感じ
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2012/02/02 21:48
七川冷さんどうも

チョコ薔薇、チョコと気になりますか
フランス語でチョコ職人をショコラティエというそうです
フランスのパリで開かれた大会のページです

http://www.worldchocolatemasters.com/en/
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2012/02/02 21:22
こみこちゃん怖いですー><
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2012/02/02 20:57
チョコで作られた薔薇…
ちょっと気になります。
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2012/02/02 20:52
まゆちゃ~んどうもです

いつもコメントありがとです
まゆちゃんは棘がないから大丈夫ですね
ただ可愛いだけのお花でぇ~す
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2012/02/02 20:47
ありそうで恐い話しですね。
はじめの前置きが効果的で、いつ恐くなるかドキドキしながら読みました。



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