ガム男 4
- カテゴリ:自作小説
- 2009/06/05 19:39:12
五美斗(ゴミト)は目を醒ました。
目を醒ましたのではなく夢にうなされてむりやり起こされたといったほうが正しいかもしれない。
五美斗は全身に汗をかいていた。
夢の内容は電車にひかれる夢だった。
五美斗は時計を見た。
バイトに行かなければならない時間になっていた。
急いでシャワーを浴び五美斗はアパートを出た。
ガムを噛みながら踏み切りにさしかかった。
電車は来ない。踏み切りは開いたままだ。
「おうついている」
五美斗はそうつぶやいて踏み切りを渡った。
れいの石に五美斗はプッとガムを吐いた。
ガムはうまく石に命中した。
五美斗は満足そうな顔して「ついているな」と思った。
地下鉄は混んでいた。
昼間負けたパチンコ屋を横目に店に急いだ。
「おはようございます」
五美斗は元気に挨拶しながら店に入った。
着替えをすました五美斗は店の掃除をすませ店の開店を待っていた。
五美斗は店でゴミちゃんの愛称で呼ばれていた。
やがて店に「いらしゃいませ」の言葉が響いた。
「おい、ゴミお前に指名だ」
先輩が五美斗に言った。
「俺に。まじですか?」
五美斗に指名がかかることなどめったになかった。
『誰だろう』と五美斗は期待に胸ときめかして客の顔を見た。
初対面の客だった。
「いらしゃいませ。どこかでお会いした事ありましたか?」
五美斗は愛想よく挨拶をした。
「あら忘れましたか。昼間地下鉄でお目にかかりましたでしょ」
五美斗は言葉を失って立ちすくんだ。
昼間地下鉄で死神のような視線をなげかけたあの女だ。
「おいゴミ、なにをぼけっとしてる。お客さまがお待ちだ」
先輩の言葉に我を取り戻した五美斗だが全身が震えていた。
「あら、震えてらしゃる。かわいいわね」
女は不気味な笑いを浮かべながら五美斗の顔をのぞきこんだ。
「先輩におまかせします」
五美斗はそう言うとトイレに駆け込んだ。
全身に寒気が走っていた。
「お~い、ゴミいつまでトイレにいるんだ。お客様がお待ちだ」
先輩がトイレのドアをたたきながら声をかけた。
「はい、今行きます」
そう言ってトイレを出た五美斗は先輩に
「ちょと気分が悪いので早く帰りたいのですが」
と、先輩にたずねた。
「お客さまに聞いてみろ。お客様がいいと言われるならしかたがないが、指名されてお客さまをほっておくなんて。何だお前。頭がおかしんじゃないか」
先輩が何を言おうと五美斗は帰りたかった。
「あの申し訳ありません。少し気分が悪いので今日は帰りたいのですが」
女の前で頭を下げたまま視線が合わないように五美斗は女に言った。
「しかたがないわね。楽しみにしていたのに。でもこれからが楽しみなのよ。夜はこれから」
女はそう言うと笑いを浮かべた。
「すみません」
五美斗は頭をぺこぺこ下げながらあやまった。
店の許可ももらった五美斗はただアパートえと急いだ。
五美斗まだ時間が早いので地下鉄で帰ることにした。
ただ疲れていた五美斗はガムを噛むことさえ忘れていた。
地下鉄の駅から帰りを急ぐ五美斗。
あたりは日も暮れ夜の暗闇が被っていた。
五美斗はいつもの踏み切りにさしかかった。
踏み切りは街灯のあかりで薄黄色に浮かびあがっていた。
遮断機は静かに電車の来るのを待っていた。
五美斗が踏み切りを渡ろうと三歩程ほど歩いたときだった。
踏み切りの中で何か柔らかいガムの捨てあとのようなものを踏んでしまった。
それに足がくっついて足が動かない。
五美斗は踏み切りの中で必死に足を動かそうともがいていた。
やがて踏み切りの警報音が「カンカンカン」と鳴り出した。
静かに遮断機が降りる。
五美斗はあせりながらなんとか足を動かそうとしたが動かない。
電車のライトがレールを照らす。
やがて電車のライトが見えた。
電車は警笛をおもいきり鳴らしブレーキの鉄と鉄の擦れ合う、けたたましい音と共に五美斗に近づいて来た。
一瞬「ドス」というにぶい音が加わった。
電車は踏み切りを通り過ぎ止まった。
遮断機が静かに開いた。
踏切には五美斗の足が靴下と靴をはいて残されていた。
その上は何もなかった。
石は血を吸って真っ赤に染まっていた。
おわり

























凛子さんは霊感強くなかったですか。
記憶ちがいかな。
なんか怖くて自然に息を止めてしまうのです。
ラストが読み飛ばしたらわからない恐怖がいいです。
ゴキブンもガムは紙に包んですてます。
すてきなコメントありがとう。
あはははです。
少しうまく書けるようになってきたかな。
もうすこしうまくなったら本題にはいります。
ゴミトの場合は、ガムを捨てた事でしょうか。
それが死につながるのは、やはり怖いと思います。
絶対にガムは、紙に包んで、ゴミ箱に捨てますw
なかなかいいと思います。余分な言葉をそぎ落としていくと
もっと怖いかも・・・^^
最初から踏み切り横の石が気になっていました
ここで、ひかれた子供の霊が 何かしでかすのでは・・とワクワクしてました。
で・・最後にふっと思ったんだけれど・・
クツを脱いで逃げればよかったのに・・・って あはは
まぁ~それも不思議な力でできなかったのでしょうけれど・・・
それと・・噛んでるガム・・って どんな銘柄のガムなんだろう~~とか
色々とたのしませてもらいました。
なかなか ステキな題材を選んできますね
話も もっともっと広がっていきそうな感じの題材です。
とし婆さん・・・いつも出てくるのが嬉しい
今回もステキなドキドキ感を、ありがとう^^v
恐怖感の表現勉強します。
練習中なのでお許しを。
面白かったです・・・!!
でも・・・んー・・・
差し出がましいようですが・・・
ちょっち 恐怖感がたんなかったかも?です
(ノωヽ)あ・・・聞き流してください・・・!!