Nicotto Town


濃すぎる毒入り日記


橋本市長に朝日新聞が迫る

活字メディアの良い所に、話し手の雄弁術(というか漫才もどき)に左右されず活字という中立的表現に置換できる点、じっくりと質疑応答が出来るのでデマカセが通用しない点がある。

この点において、雄弁術とデマカセを得意とする人は、活字メディアを否定したり、避けたりしがちである。

そんな中での橋本市長のロングインタビューは、なかなかに読み応えがあった。

橋本は、今と同じ経済力は「競争に勝たないと、生活維持できない、とことん努力を」と市民・国民に努力を促す。しかし、経済政策を問われると「労働集約型の製造業が海外に出て行くのは止められない」「海外で稼いだお金を日本に戻す仕組み」「デリバティブのそゆな仕組みを考えるのも”国の知恵」「僕が一番重視するのは、行政サービスをユーザーの選択に晒すこと」と語る。

輸出業も多く含まれる中小企業を多く抱える大阪市長が、彼らの海外流出を容認する。
現在の不況に対して、現時点でビジネスとしても概念としても成立しない思い付きを解とする。
行政サービスと民間経済を同列で語る。

人並みの知恵と社会経験があれば、この時点で、ダメだこりゃと分かる。

しかし、僕が一番愕然としたのは、この人の貧乏人を支えにしたポピュリズムが明らかとなった部分だ。

「ある程度資産が出来た人は、老後の生活をまずそれでやってもらう。資産のある人には掛け捨て年金もありかなと」
資産を持つ者は、橋本のいう「競争に勝った人間」が多数を占める。
他方で、掛け捨て年金制度における年金受給者は、敢えて言うならば「競争に負けた人間」「努力を怠った人間」を多く抱える。

努力して競争に勝った人間の結末が、貧乏人の尻ぬぐい。こんな「アリとキリギリス」の逆転した社会で、努力して競争に挑む人間がいるのか?7万円年金で100年安心と同じ話じゃないか。

しかし、橋本のシタタカなのは、「努力しない」人間を、貧乏人とせず、役人や既存利権にすり替えることだ。この1点で、貧乏人は「努力しない」「負け組」というルサンチマンに触れることなく、橋本を支持することで、「努力しない役人」を改める維新の一員という参加幻想に浸り、それを理由として、生活保護的な年金をもらうことに、後ろめたさを持たなくなる。

橋本の傭兵訓練所には、元議員や医師や弁護士もいるというが、その大半は、現在無職の者だという。政治家としての勉強も何もしていない者を議員とする愚かさを、幾多のチルドレンで学んでも、志士と言う名のテロリストなら大丈夫と思うのだろうか?

この対立軸は、つましくも努力して人並みの資産を持つ者、すなわち「中間層」を正しく保護して。「努力しない」「負け組」の生き方を変えるものだろう。実は、これに一番近い政策は、みんなの党というのが辛いところ・・・


橋本は最後に「明治以来の日本の制度を潰すと言うのに、維新とか船中八策とか 明治の言葉を使うのか?」と聞かれて「まったく思慮はありません、そこは批判して下さい」と答えている。
龍馬の目指した真の維新を捻じ曲げたのが、明治以降の政治・行政だったとでも、切り返せそうなもんだが・・・

私は、貧乏人や負け組が革命等の政治的アクションに走らない日本を不可解というか草食農耕民族の極みと思っていたが(中国や朝鮮の人民と同じということ)、自分からは動くことのない無知なる者を原動力(票田)とすることで、効率的・合法的に維新(貧乏人が多数派を占める社会)を達成する橋本をある意味評価したい。
この手法は、表面的な独裁とかアジテーションとは別にして、正しくヒトラー、そして、毛沢東の取った手法なのだから。

#日記広場:ニュース

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2012/02/13 12:39
たぬ休さん コメント感謝です。

まぁ、ある意味では、橋本氏も、菅さんも、僭称するヒーローの行動をなぞってはいるんですよね。
菅さんは、不規則・非正規な活動を専らとして正規の体制を崩壊に追いやったこと。
橋本氏は、賢人達の言葉をつなぎ合わせては世に叫ぶこと。

個人的には、龍馬は小説のヒーロー以上の評価・感慨を持ちませんが、奇兵隊あるいは高杉晋作はすっごく評価しているのです。晋作のクーデターがなければ、幕府崩壊を決定付けた第二次長州征伐もなく、薩摩の西郷さん達も長州と組むという路線を見出せず、龍馬もどっかで燻っていただけで終わり。勝算も何もないけど、でも、現状は敗算100%、そこから決起するような草莽の志を、日本国総理に持たれちゃカナイマセンですよ(泣)

そうそう、官僚・役人に結局は頼っているところが、橋本氏のある意味正直なところ。でも、そのことをおくびにも出さないのはアカンやろw
それと、橋本氏が可哀相に思えるのは、彼を担いでいるブレイン?が、揃いも揃って、彼を神輿にして、大阪全体を捨石にして、己の自己満足か栄達しか考えていない人であること。堺屋センセイとか中田顧問(カウスかw)なんてのが、そうでしょ。
そう思って、昨日のインタビューの終盤など読むと、神輿に括られ叫ぶしか許されない橋本小僧の哀愁を薄っすらと感じることも可能です(本当か?)
彼の場合、吼えていないと、逆に吼えられ噛まれるのではと怯えている感じもします。見もしませんでしたが、低いレベルの”論客”相手に威勢のいいところを見せたそうですよ(注「朝まで生テレビ」)。叫んだもの勝ちという正に橋本氏のホームグラウンドに、多勢を買って挑む連中が愚か過ぎです。
カメラなしで、じっくり座って3時間くらい、質問攻めにするというルールなら、たぶん、たぬ休さんクラスなら、橋本氏を泣き叫ばすとこまで持っていけるでしょう(マジに)

PS: 他人の街の首長ですよ たぶん 最初に橋本氏関連で たぬ休さんにコメントしたとき、僕はそう言ってました。こんだけ続くと、自分が橋本的なもの大嫌いなんだって実感してます。皮肉にも、朝日新聞とかなり近い気持ちを持っているんだなぁとw

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2012/02/12 22:49
お説では橋下氏が竜馬を標榜するのは管前首相が奇兵隊を標榜したのと近いものがありそうですね。
どっちも幕末には何がしかの行動を取ったけれど明治には残れなかった辺り・・・

今の生活水準は落とさないために、世界的な競争に負けないように頑張る。
稼いだ人は年金掛け捨てで、稼げなかった人は最低水準の年金を保障。
その具体案は役人が考えることで、有権者は白紙委任したんだから当選した自分には公約以外の住民の利害に関することも決断する権利がある。

そんな矛盾した面倒なことを役人に要求するなら、厚遇しなくても自尊心くらい守ってやればいいのに。

しかし年間12万円ということは月1万円の月謝ですよね。
今時週1回の習い事でも数千円程度のものが大半なのに月2回の講座でこの値段はぼったくりですね。
しかも400人の定員だったのを大半受け入れるとか。
講義ひとつでも20人程度でディスカッションするのと数千人を講堂などに押し込んでやるのでは全く意味が違う。
同じ講師でも人数が増えたから講師料が倍増するというものでもない。
しかも講師は中田元横浜市長や東国原元宮崎県知事。
問題を途中で放り出してきた彼らが何を教えるんでしょうかね。
結局、手っ取り早く候補者を見つけたい維新の会と、議員という肩書がほしい希望者の思惑が一致したとみるべきなんでしょう。
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2012/02/12 22:07
たぬ休さん コメント感謝です。

朝日としても、府政・市政で突っ込みたいネタはいっぱいあるんでしょうね。
でも、民意で選ばれた人気者の維新リーダーを、自治体レベルのことや、過去の”瑣末なこと”で重箱ほじくると、民意から怒られちゃうのがイヤなんではないかと。

あと、民意で選んだリーダーを根底から否定するのは、民主主義命の朝日新聞さんには出来ないことだとも思います。

そういった制約もある中で、今回の記事は頑張ったと思いますよ。
国政レベルには、橋本的なモノを入れさせないって朝日の強い意志が出ていましたし(笑)
まぁ、あのインタビュー読んで橋本的なモノの欺瞞に気付く人は、そもそも、市長選で投票してないでしょw

維新塾にしても、3000人のバカ×12万円=3億6千万円のお月謝なんですよね。
次の総選挙には、300人立候補で200人当選を言っていて、塾生も400人定員だったわけですが、3000人を何に使うのですかねぇ?
フジテレビやMETIの前で叫んで歩いている連中の真似でもするんでしょうか?

それにしても、もう少しは「勉強」していると思ったんですけどねぇ・・・
僕が、この人がアカンと思うのは、ネトウヨ的な思想でも、ハシズムなやり口でもなくって、政治家として何も本当は考えていない(何かをしようって気がない)ことなんですよね。

4年間だけ考えてるって堂々と言っているけど、それは違うだろと。
壊すだけでいい人間なんていない。
龍馬は死んだから壊しただけでヒーローになったんであって、維新志士から明治以降を生きた人々は、毀誉褒貶全部背負って、必死で何かを作っていたんだからなぁ。。。

この 壊せば満足ってところが、今の社会に絶望した人々の本心と合致しているんでしょう・・・
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2012/02/12 20:02
期間限定でしょうが、ウェブでも公開していました。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201202110424.html?ref=comtop_middle_open

でっちさんの意見にほぼ賛成ではあるのですが、朝日新聞のインタビューについて疑問が一点。

大阪市長になぜやたらめったら国政の質問ばかりするんでしょうね。
大坂都構想で当選した人なんだから、知事時代の負債の問題や構想のデメリット・矛盾点を尋ねた方が具体的だったでしょうに。
国政についてインタビューでも「やらない」状態だったので、後日つつかれても痛くもかゆくもないんですよね。



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