Nicotto Town


こはるびより ⁰㉦⁰๑ 


映画「ゲド戦記」

「不死であるということは生を拒絶することだ」


おくらばせながら、やっと「ゲド戦記」を観た。
あまりにも周りの反応が芳しくなかったため
そのうち観ようと思いつつも先延ばしになってた。
あたしが受けた第一印象としては
「そんなに言うほど悪くないんじゃない?」という感じ。
それこそ「ちょっとこれよかったかも」にやや近い感じ?w
まぁ少なくとも「ハウルの城」よりはずっと良かった。
もちろん、あたし的に、という意味で。

「ゲド戦記」には、まずい点も確かにいくつかある。
物語の真髄、最も伝えたい部分を前面に押し出そうとする反面、
その背後関係の詳細な部分が曖昧なまま放置されてる。
少年が彼の父を刺し、剣を奪って逃げるのだけど、
そのあたりの背景にもうちょっと具体的な説明が欲しかった。
もう一つの人格が凶暴性を持っており、時々どうしてもその衝動を
抑えきれなくなってしまう。

理由はそれだけではないはずだ(....と思いたい)
(まぁだからこそ見た人の勝手な推測や空論が入り込む余地もあるのだけど)
竜の化身とテルーの関連性のあたりもちょっとまずい。
説明が追いついて来ないし、やや飛躍しすぎてる感もある。
ラストもあれでいいのか?という感じ。

だけど、以前も村上春樹について書いた日記でも触れたが
一つの作品というものは、もちろんあるべき最終章に向かって
流れているものであるけれど、必ずしも最後が大事なのではなくて
その過程の中にこそキラリとしたものが含まれていて、その
きらめきの一つでも発見できればそれでオールオッケーなのだ。

全てが完璧である必要は無いし、どんなに構想を練りこんで
作られたものでも感動が出来ない退屈な作品はたくさんある。
昔よく見ていたアニメだってそう。ラストシーンは思い出せなくても
見ていた過程の中で感動したり、何かを気付かされたりしたものだ。
そういう意味では「ゲド戦記」はあたしの心の何かを奮わせた。
引力のある作品だったと思う。

命は永遠ではないから、私たちは生きているという実感を
得ることができる。
もし命が永遠で、死ぬ恐れが無かったら、
死の対極にある生についても考えない。
それは生きることを拒絶することだ。
不死であるということは「死なない」ことではなく
「生きない」ということだ。

死があるから人は命を大切に出来る。
誰かのことを思いやることも。

単純で直截的な手法で、「ゲド戦記」はこれを切々と訴えてくる。
子供が「おなかすいたー」と泣き喚くようにあまりにも分かりやすく。
小手先の技法や湾曲な表現など一切無く、でもだからこそ
伝わってくる熱いものがある。
そう、この作品全体にただよう直截的な「ひもじさ」
のようなものがあたしは結構気に入ってる。

テルーが草原で歌ってる場面。恐らくこの物語の中心でもあろう
このシーンで少年はただただ涙を流す。
私たちはすでに知っている、ある日ふと流れてきた曲を聴いて
訳もわからず心奮えたときのあのやるせない気分を。
だからこそ少年と一緒に泣ける。
そしてあたしは物語には単純に感動すると決めている。

でも簡単に感動してしまう自分が結構好きだったりもする。
それにディティールの脆弱性やあら捜しをしながら観ても
全然楽しくないし、それならば単純に感動しちゃったほうが
ずっといいに決まってる。

そしてこのテルーの歌は、くちずさむには最適な歌だと思う。
ここ数日間はお風呂の中で娘と一緒に歌っている。
子供にはきっとこの歌詞のほんとうの意味などわからないだろう。
だけど、きっと大人になっても忘れないだろう。
歌ったという記憶はなくならないだろう
そんな種類の歌だと思う。


 ゆうやみ せまる くものうえ
 いつも ひとりで とんでいる
 たかは きっと かなしかろう
 おとも とだえた かぜのなか
 そらをつかんだ そのつばさ
 やすめることは できなくて

 こころを なにに たとえよう
 たかのような このこころ
 こころを なにに たとえよう
 そらをまうよな かなしさを

         テルーの唄
         唄 手嶌葵
         作詞 宮崎吾朗
         作曲 谷山浩子




ひしひしと、ココロにくる。
いい詩デス。

#日記広場:映画

アバター
2008/11/30 23:28
ん?物語はどんな形であれ

伝わればオールOK!

それが作品の個性であり製作側のカラーとも言える

この世の中に完璧など有り得ないのだから
アバター
2008/11/30 19:39
んーみたけど内容わすれた
いひ^^;
アバター
2008/11/30 16:14
少し前に見ましたー

歌のシーンが印象的だったくらいで
あんまし覚えてませんw

また見ようかな^^;
アバター
2008/11/30 13:06
1週間に1回は必ずお子が見てます(ll'∀')

デモ何故か飽きません(ノ◡◝)ペチ

ポケモンも見つくしました(。・ˇ_ˇ・A フキフキ・・・

そして今、ハムタロウが毎日フル回転デスil||li (-ε-。) il||li
アバター
2008/11/30 12:28
長いなあいかわらず
結論から言えば
まだ見てません
DVDは買いましたw

乙葉のせいで ゲロ戦記っていいそうになりました

あっ唄は知ってます。


そして ちゃんときちんと最後まで読んでます。
以上報告でした。

追伸 きっとさんじうは73が恥ずかしくなって 
フードをかぶって  はげちゃうんだよw
アバター
2008/11/30 09:32
このタイトルをなかなか覚えられないで

「ゲロ戦争」とか「ゲボ戦記」って真剣に思ってました。

そんな戦争なんだろうって。。。(*´I `*)ポッ
アバター
2008/11/30 05:13
いい歌だよね(´∇`)

ゲド戦記はまだ見てないけどね!(≧_≦)
アバター
2008/11/30 02:43
うんうん、一場面でも心に残る場面があれば
それだけで、いい映画だって思えるね。
『君に読む物語』も、ストーリも良かったけど
夕焼けの湖で、たくさんの鳥が羽ばたくシーンは印象に残ってるね。
それだけで、この映画は綺麗な映画だったって心に残ってるな。

あ、まだゲド戦記見てないやw
アバター
2008/11/30 02:21
すみません、ブログイベントネタだったので
再投稿です(〃∇〃)




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