ティータイム♪この世界の住人達(前編)
- カテゴリ:自作小説
- 2012/03/07 19:13:43
とあるお屋敷の、こじんまりとした洋風の部屋に3人の男がいました。
1人は、少年の姿をしている。年齢は13,4歳位で、身長は155cm前後。
大きな窓の縁に腰をかけ、体は窓の外の方に向け、窓の外の景色を眺めながら、少し退屈そうに両足を前後に揺らしている
見た目はどこか生意気な印象を受ける。黒いワイシャツに黒いサスペンダー付きの半ズボンを着ており、さらに、黒いニーハイに黒いパンプスを履いている。全体的に黒ずくめな格好に加え、肌の色もやや褐色。ギリギリ肩に着く位の髪もやはり黒く、それを翠色のリボンで無理やり1つに括っている。胸元にも同じような翠色のリボンを着けていて、少年が足を揺らすたび、そのリボンも同じように胸元でゆっくり揺れている。
黒ずくめの少年は、ジッと窓に映る月を見つめていた。月を見つめる少年の目は少しツリ目ガチだが、クリっとしており、それはそれは美しい翡翠の色をしている。黒い衣装と肌によく映えている。
「お茶まだ~?」
少年の間延びした高めの声が室内に響く。目線は月に向けたままで、そこから離そうとはせず、声だけをもう1人がいる方に向ける。
「もう少しですよ。」
優しい落ち着いた青年の声が、少年の声に答える。
2人目は青年の姿をしている。年齢はだいたい22,3歳位で、身長は175cm~180cm位。先程から、せっせとお茶の準備をしている。
見た目は、とても賢そうな印象を受ける。薄茶色の燕尾服にシルクハットと革靴。それから、同じ薄茶色の膝までの長さのマントを着けている。フレームなしの楕円形のメガネを掛けており、それがより、彼を賢そうに見せる。しかし、メガネの下から除く目は少しタレ目で、とても優しい穏やかな目をしている。しなやかな長い指は茶葉を選別したり、お湯を沸かしたりお茶請けのお菓子を盛り付けたりと忙しく動いている。やや前下がり気味の茶色の髪には白いメッシュが、1本だけ入っている。
内胸ポケットから、シルバーの懐中時計を取り出すと、時計を身体から極力離し、目を薄く細めた状態で見つめると、時間を図り始める。時計を、彼が離れた位置から見るのは、彼がかなりヒドイ遠視持ちだからだ。それはもうメガネでも補えないくらいに。真剣に時計を見つめるその目の色は鮮やかな黄色。時折、光の当たり具合で虹色にも見える不思議な目をしている。
時計の秒針とお茶の様子とにらめっこしながら、一番お茶が美味しいであろうタイミングを素早く計算する。
「クヒヒッ・・・相変わらず神経質だね~・・・ところで、空腹が限界だから先にお菓子だけ食べてもいいかね~・・・クヒヒヒヒッ・・・」
そんな茶色の青年の様子に、ローキングチェアーに足を組んで腰掛け、本を読んでいたもう1人の青年が、独特な笑いを漏らしながらチャチャを入れる。
「ダメです。」
茶色の青年は、目線は紅茶から離さず、そんな、もう1人の青年のチャチャをピシャリと跳ね返す。
「クヒヒッ・・・残念・・・」
言葉の割に、ちっとも残念じゃなさそうな様子で、独特の笑い声を上げながら、もう1人の青年はスラリと長い脚を組み変え、今まで読んでいた本をパタリと音を立てて閉じる。
3人目は、2人目と同じ青年の姿をしている。年齢は少し彼の方が年上。24,5歳位といったところか。190cmは優に越しているであろう長身とスラリとした細い身体は、今にも折れてしまいそうな位細く、床に着く位に長い癖のあるバサバサの真っ白な髪は、高い位置で紅いリボンで1つに纏めて縛っており(俗にいうポニーテールというヤツだ)身体には真っ白なローブを纏っている。ローブの下は、フリルたっぷりの真っ白なブラウス。胸元には紅いボウタイを着けており、その上に真っ白なベストを着、下は、真っ白なスラックスを履いている。靴も真っ白なロングブーツを履いており(普段は、スラックスとローブに隠れてほとんど見えないが)とにかく全身真っ白。丈の無駄に長いローブを着ているため、手はいつも、ローブの中に隠れており、前髪で、少し隠れがちの目は細く、まるで目を閉じているように見える。そのせいか、表情はいつもニタニタと笑っているよな感じで、何を考えているか全く読めない。そして極めつけはその肌。それは、衣装や髪に劣らず白い。
「お茶が入りましたよ。」
お茶を入れていた青年の声を合図に、皆一斉にティータイム用の指定席に移動する。
後編へ続きます。

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- 黒猫♬
- 2012/03/17 15:48
- 凄い!うちもこれから書くからよろしく!
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