番外編 ティータイム♪遠い日の夢(後編)
- カテゴリ:自作小説
- 2012/03/17 15:31:44
取りあえず、何で俺はここにいるのか?今の俺がここに来るハズないし・・・多分、これは夢なんだろうな。と思ってみる。
―あーあ、今日も豪快にヤッたね~―
呆れたような、アイツの声がする。あぁ、やっぱりこれは夢なんだ。
―めしくっただけだ。―
―それにしたってコレは・・・―
―しかたないだろ。こうしなきゃおれはいきていけない。―
すっかり骨になった鹿の屍を見て、アイツが苦笑する。仕方ねぇーじゃねぇか。自分が生きていくためには。こうするしかねぇ。こうするしかねぇんだよ。
―お前は、優しいね。―
―・・・・・・は?―
俺が・・・優しい・・・だと?
―おれは、やさしくなんかねぇよ!―
―じゃぁ、どうしてそんなに悲しそうな顔して、コレを見てるんだい?―
アイツが、屍を指差すと、優しく微笑む。
―だって、おれのせいでころしてしまったから・・・―
俺のせいで、こいつの未来が消えてしまったから・・・
―ほら、やっぱりお前は優しい。優しいコだね。―
―そんなことっ!!だっておれはっ・・・・―
アイツは、俺の背を撫でると、何かを思いついたような表情をすると、いきなり、俺の鼻先を指差す。
―今、お前の名前をおもいついたよ!!―
―とうとつだな。―
いつも、いきなり何かを思いつくのはコイツの癖みたいなものだから。もう慣れてる。
―いいから聞けよ!お前の名前は蒼。蒼だよ。―
―そう?そう・・・―
言われた名前を繰り返し呟いてみる。なんだか、涼しそうな名前だと思った。
―なんでそうなんだ?―
アイツは、俺の鼻先から指を外し、頭をわしゃりと撫でると得意げな顔で俺を見る。
―それはね・・・・―
ちくしょう、大事なとこなのにな・・・・身体がもうこの世界を拒否する。まだもう少し・・・あと少し・・・あぁ・・・足が地面から離れていく・・・
お前が、とても優しく、綺麗な蒼い目をしているから。ほら、こんなに優しい目をしているのだから。優しく凛としたお前にピッタリだろう?
だーから、俺は優しくねぇっつの。ばーか。
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4人が目を覚ますと、そこはいつもの部屋だった。あたりを見回してやっぱり夢だったんだなと思った。
「はぁ・・・やっぱ夢か~。」
「残念です。」
「久しぶりだったね~。」
「懐かしいな。」
それぞれが、各々の感想を述べる。翠は目をごしごしと擦り、賢はお茶の用意を始める。瑞は、ふわぁとあくびをし、蒼はグンッと伸びをした。
「さぁ、皆さんお茶にしましょうか。」
「もう、のどカラカラ。」
「お菓子も忘れずにね。」
「今日のブレンドは何だろな。」
皆で、席についてワイワイ騒ぎ始める。
ねぇ、たまには昔話をしようか!
いいですね!楽しそうです。
クヒヒッ・・・じゃぁ、皆、我に昔の恥ずかしい失敗とかぶちまけるといいよ~
何だ、その暴露大会。楽しいのお前だけだろ!マジメにやれ!
笑いと怒号が飛び交いながら、昔話が始まる。それは、夢に見た遠い日の話し。
さぁ、それでは皆さん、お茶の時間を始めましょうか。
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お茶の時間と書いてティータイムと読んで下さい♪