続「ガラクタ」
- カテゴリ:小説/詩
- 2009/06/11 08:21:51
(略)
思い切って箱を開けてみる
あの子にならあげてもいいな
そう思われるものをひとつだけ取り出す
箱の中身は取扱い注意
いいものばかり入ってるわけじゃないから
あげるものをミアヤマルとそれこそ大変
おそるおそるあたしは
あの子にそれを差し出す
一瞬顔がこわばったような気がして
時間が凍りついたように動かない
やがて、あの子はそれを受け取ると
大事そうに自分の箱の中にそれを入れた
そして、その箱の中から小さな青い石を私にくれた
とても哀しそうな色の、とてもきれいな青だった。
不思議な事に
それはあげてしまった後も
箱の中から消えなかった
青い石は
少しだけ
あたたかくなった
大事なものは、場所が変わっても色褪せないんだろうなぁ