美術史家 若桑みどり氏の死
- カテゴリ:日記
- 2012/03/29 09:34:28
私の病気の経過がだいぶいいので友人が面白そうなイベントを教えてくれました。
早稲田大学の美術系の研究発表。
部外者が参加してもいいのか不明ですが、メール連絡すればOKのはずだとか。
ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所 第九回研究会
日時:2012年4月21日(土)14時より17時30分
場所:早稲田大学戸山キャンパス39号館6階第七会議室
全体のテーマ:「リヴァイヴァル―ヨーロッパ文化における再生と革新」
報告者:唐沢晃一(杏林大学非常勤講師)
「「ローマ人の皇帝」と「セルビア人の王国」―辺境からみた二つのローマ―」
長沢朝代(早稲田大学大学院博士課程)
「シバの女王の図像的系譜 ―アレッツォ《聖十字架伝》への手がかりとして―」
私は美術が大好きで、海外の美術館を巡るツアーや
友人と二人で1箇月近くイタリアで美術ざんまい旅行をしたりしていたので
興味があるだろうと教えてくれたのです。
電話での会話で図像学(イコノロジー)から若桑みどり氏の
「薔薇のイコノロジー」は面白かったなぁと思い出し、
さらに若桑氏の名前を初めて覚えたのは高校生のとき読んだ
「夜想 世紀末特集」だったっけと言うと
「そりゃ随分ませてた高校生だね」と言われてしまいました。
ええ確かに。(笑)図書委員長の権限で澁澤龍彦の全集を図書館に入れて
司書の先生にも面白がられてました。
若桑氏の美術史の講座を受講したこともありました。
お話が面白くて飽きさせない講義で、毎回楽しみでした。
そんなこんなを思い出し若桑氏の近況を知りたくググッてみると
2007年10月3日に亡くなっていたのです。
すごくショックでした。
ニュースになったはずなのに何故知らなかったんだろうと思うと
気分が落ち込んでなかなか浮上できません。
検索で追悼文が「ユリイカ」に寄せられたのを見て、
本屋に行ったら絶対気がつくはずなのに、
とバックナンバーのリストを見て思い出しました。
同年8月号の「ユリイカ」は澁澤龍彦特集。没後20周年。
これは買って隅から隅まで熟読した記憶があります。
この年は初夏から澁澤関連のイベントや展覧会が目白押しで
鎌倉や埼玉へ飛び回っていました。
しかし、9月の半期決算を控えて8月末から猛烈な忙しさになり
9月は土日祝日等全部なくなり、
午前3時ごろタクシーで帰宅するのが当たり前の状態でした。
結局12月までに体を壊して仕事をやめる羽目になるのですが
あの忙しさの中で、TVも見ないし本屋なんて寄ってる暇もない。
そんな年の出来事だったのです。
5年もたってから知る訃報を気持ちの中で整理するには
今しばらく時間がかかりそうです。
挿絵がたくさん入っていて エロチックなイラスト どっさり
時代物なのに 現代の風俗が混じった作風
その中に 海岸の風景が描かれたものがあるけど
それが 福島原発の俯瞰図
去年の出来事を予告しているかのように見えます
渋沢さんの評論もすきだけど こういうのも好き