イナGO腐 円→←風「そして彼らは」1
- カテゴリ:自作小説
- 2012/03/29 13:52:09
※「BL」が分からない、または嫌いという方は閲覧しないでください
※これでも精一杯がんばって書いてますので悪コメは止めてください
※けっこう暗いかも
OKな方は下へと進んでください↓
風丸目線
俺と円堂は幼馴染だった。
それ以上でもそれ以下でもない。
でも、
俺は、円堂が好きだった、恋愛として。…それだけだった。
別に告白もしていないし、告白されるのを待っていたわけでもない。
だから、女子みたいに気持ちに気づいてもらえるように必要以上にベタベタすることも無かった。
あくまで、幼馴染として。
でも、それをすればこうなることは無かったんだろうか。
「俺、結婚するんだ、夏未と。」
円堂からこれを聞いたのは、急に円堂から来た、「久しぶりに会って飲まないか」という内容のメールで行った店でだった。
「…は?結婚?お前が?」
俺の反応はこう。
でも心の中では「なんで、どうして、どうして俺じゃないの。」なんてなんとも円堂が俺のことを好きというのが確定しているようなことを考えていた。
そんなことあるわけ無いのに。
円堂が愛したのは雷門…いや、円堂夏未なのに。
「ああ…もう理事長とは話をつけた。円堂くんならもうウチの夏未にはもったいないくらいだよ!!って5秒位で終ったけどな。」
と笑って挨拶の時のことを幸せそうに話す円堂。
悲しいかな、こんなときでも円堂がかっこよく見えるよ。
「へえ…理事長らしいな。」
平気を装う俺。
「ところで、他の奴らにはもう話したのか?」
「いや、家族の他には風丸が一番最初!幼馴染だし親友だし、一番に知ってほしかったから!!」
ニカッ、と歯を見せて笑う仕草。
確かこれは、照れてる時のクセだった。
幼馴染で良かったって思うことはよくあったけれど、こんなに幼馴染じゃなかったら良かったって思ったのは初めてだ。
「…何照れてんだよ。」
笑いながら言う俺。
いや、正確に言うと笑った仮面をつけた俺、かな。
「えってっ照れてなんか無いってー!!」
…ウソ、絶対照れてる。
今もニカッって笑ったし、耳真っ赤だし。
でも、円堂に嫌われたくないから俺は笑顔の仮面をつけて言うんだ。
「おめでとう、円堂。」
*
円堂目線
俺と風丸は幼馴染だ。
そして俺は風丸が好きだ、愛してる。
この気持ちが芽生え始めたのは小学3年のとき、風丸がクラスの女子に告白されているのを目撃したときだ。
そのとき俺は、「嫌だ、風丸はずっと俺といっしょなんだ」って思ってた。
そしたら風丸は、「ごめん、俺、好きな人いるんだ。」と断っていた。
俺は「想いが通じた!?」とか思って嬉しかったけど、同時に悲しくなったのを覚えている。
そう、風丸にはもう好きな人がいたのである。
そして風丸とは違う高校に入った俺は、「たまたま」「同じ高校に入った」「同じ中学の」「同じ部活のマネージャーの」雷門夏未に呼び出された。
呼び出しの内容はよく「鈍い」などと言われている俺でも一瞬にして分かってしまうような直球の告白だった。
それを聞いた途端分かった。
夏未は、「たまたま同じ高校に入った」のではなく、「好きな人が入る高校に入った」のだと。
俺は「返事は…ちょっとまってて、一週間以内には返事出すから。」と言って時間をもらった。
そして困った。
(どうすっかな…)
そして俺はピコン、と思いついた。
「あの二人」に相談しよう。
「…で、俺たちの所に来た、と。」
「うん」
はあ、とため息をつかれた。
「あの二人」とは鬼道と豪炎寺のことである(やけに鋭いこいつらには、風丸が好きということがバレてしまった)。
「あのな、円堂。」
「うん?」
「「俺たちに聞くな。」」
息がぴったりである。
「だって…」
「お前は風丸が好きなんだろう?雷門じゃなくて。」
「なら断ればいいじゃないか。」
たしかに、たしかにそうだ。
でも、でも…!!!
「夏未の、気持ちはどうなるんだ…?」
ハッキリ言えばこれが一番の問題だ。
俺が断れば、夏未はきっと落ち込むだろう。
さらに彼女のことだから、尋常じゃないほどに落ち込むと思う。
このことを伝えると、
「ふむ…確かにな。」
「そのことも考えないといけないのか…」
数十分程度二人は話し込んでいた。
そしてようやく結論がついたのか、こっちを向いた。
…そして、こう言った。
「円堂、風丸のことは、あきらめろ。」
俺が一番嫌だと思っていた結論だった。
「な、んで」
「きっと風丸も、こう答えていたさ。」
二人が言うにはこうだ。
俺と風丸は男だ。
だから、結婚は日本にいる限り無理だし、ましてや子供もつくれない。
つまり子孫は増えないから、未来でカノンの存在は無くなってしまい、未来の14歳の俺たちは恐らく王牙学園に倒される。
そうなればサッカーも無くなってしまうだろう、という考えだった。
「そっ…か、カノンのことも考えなきゃいけないのか…。」
そして俺は、
「夏未、…俺も夏未のこと、好きだ。」
自分にも夏未にもウソをつく。
続きが楽しみです!!
作者より
本文に書けなかったのでここで書かせていただきます。