Nicotto Town


ヒロックのニコタ生活


西の太陽 東の太陽

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むかし、むかしの そのまた むかしのお話です。

そのころの、世界には、ふたつの太陽がいました。

ひがしから、昇った太陽が、にしに沈むと、

もうひとつの太陽が顔を出します。

ですから、一日中、太陽が出ていることになるので、大昔のこの世界には

夜がありません。夜どころか、朝も、昼もないのです。

だって、いつだって、太陽が出ているのですから。

人々は、朝も、昼も、夜もないこの世界で、時間の観念も、持たないで

過ごしていました。食べたい時に食べ、寝たくなったら寝る、そして

起きたい時に起きていました。

朝も、昼も、夜もないので、おはよう、こんにちは、こんばんはの

あいさつも必要ありませんでした。


あるとき、太陽が西に沈む時、東から、光が満ちて、あふれてくるのが

見えました。西の太陽は、何事かと思って、いつもは、すぐに地平線に

沈むのですが、ことの真相を見極めるため、東を見つめ、待ち構えました。

なにも知らない東の太陽は、鼻歌をうたいながら、昇って行きました。

西の太陽は、驚いて言いました。「お前は、いったい誰だ!」

東の太陽は、まだ、鼻歌歌いながらいいました。「オイラは、太陽さ。」

西の太陽も、東の太陽も、いつも入れ違いなので、お互いの存在を

今まで、知らなかったのです。

西の太陽は、ますます怒って、「わしこそが、太陽だ。おまえは偽者だ!

この世界は、ワシのものだ!ここから出て行け!」

いったん、西に沈みかけた西の太陽ですが、また昇り始めました。

東の太陽もじょじょに、昇って、ついに、空の、真ん中で、ふたつの太陽が

にらみ合いになりました。お互いに一歩も引く気がないようです。


困ったのは、この世界に住む人々です。太陽が二つもあるため、気温が

上昇し、池は水が蒸発し、ひからびて、草や木も枯れ始めました。

ますます、西の太陽が真っ赤になって怒るので、温度はますます

上昇してしまいます。人々は、弱りはて、神様に相談しました。

神様はあきれ果ててこう言いました。「勝手なことをいうな。おまえたちが

夜はいらない、いつも昼がいいと、この世界を作る時、わたしに、お願い

をしたのではないかな。だから、太陽をふたつにしたのに。今度は

暑いから、ひとつにしろと言うのか。人間というのは、わがままな生き物だ。」


神様は、ふたつの太陽の間に入って、こう言いました。「二人とも、聞きなさい

私との、約束を、覚えているかな?」

神様が続けて、言いました。「絶えず微笑みを持って、人々に、平等に、

ひかりを注ぎ、平等に、人々をあたためてあげなさいといいませんでしたか。」

西の太陽は、自分が、真っ赤になって、怒って、熱くなってしまったため、気温が

上がり、人々を苦しめたことを後悔しました。

少し、冷静になって、じょじょに、もとの太陽の黄色い色に変わりました。

神様が言いました。「もうひとつ重要な基本的なことがある。東から

昇って、西に沈みなさいと言ったはずですよ。」

西の太陽は、はっ!っと気がついた。「神様、私は、今、西から昇って

しまいました。」西の太陽は、神様との約束を破ったことを恥じて

じょじょに、青くなってしまいました。ますます、青くなって

ついに、西の太陽は、お月様になりました。


だから、いまでも、太陽は、おだやかに、どんな人にも、平等に、

ひかりと暖かさを、降り注いでいます。

一方、月は、少し、恥ずかしそうに、青く、遠慮がちに、光り輝いています。


むかし、むかしの そのまたむかしの 太陽と月のお話でした。

                    
                             おしまい


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2012/04/13 17:24
あかりさん こんにちは

訪問ありがとう。
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2012/04/12 20:13
こんばんは✿

水やり支援求めてランダム訪問です‼
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ステぷ&水やりのお届けです‼

おじゃましました<(_ _)>
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2012/04/12 00:07
kannoさん こんばんは

いつも太陽のようであればいいのだけど、
多くの人は、月のほうの気持ちの方が、
理解しやすいのかも。
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2012/04/11 23:07
平等にひかりとあたたかさとおだやかさがとどいているはずなんだけど、
ときどき、真っ暗になったり、冷たくなったり、波立つような気持になるのはなぜwww
今度の金環日食が楽しみですね^^
素敵なお話どうもありがとー♪
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2012/04/11 22:50
一番得意な話は、ピロートークだけどね。
ヒッヒッヒッヒッヒ~~~(^_-)-☆
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2012/04/11 21:53
ヒロックさんのお話、大好きです^^
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2012/04/09 19:10
茉莉華ちゃん こんばんは

そういえば、中学生、高校生の頃は、休みになると
朝方寝て、午後に起きるなんて毎日を暮らしていました。
今では、11時頃になると眠くなります。
っていうか、起きていてもやることがないので寝ます。
学生の頃、徹夜して、いったい何をやってたのか、不思議です。
まあ、たいしたことはやってないことは、確かです。
きっと、漫画読んでたのかな。
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2012/04/09 10:23
え?!
そうなんですかwww
確かに規則正しくはなく、ダラダラした感じで、挨拶もしないなんてね。
挨拶くらいはしたいけどダラダラが大好きでw
こんな世界が毎日だったら食べていくのに(生きていくのに)困るけど、
それを気にしないでいいなら羨ましいこったw
でも飽きちゃうかもね。
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2012/04/08 08:30
茉莉華ちゃん おはようございます

この話は、子供に読み聞かせる童話ですので、
規則正しく、生活して、きちんと挨拶しないと、だめですよ
っていう説話なんです。
だから、のんびりできていいなあ~なんて思ってはいけません。
でも、やっぱ、思うか。
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2012/04/07 23:09
そ~~なんだぁ。。
西の太陽と東の太陽が喧嘩するとこまではよめたけど、それで夜ができるんだろうなって思ったけど
月になるってのがよめなかった><

「人々は、朝も、昼も、夜もないこの世界で、時間の観念も、持たないで
過ごしていました。食べたい時に食べ、寝たくなったら寝る、そして
起きたい時に起きていました。」
・・・っていいなぁ~。のんびりできて。
夜がないってお化けとか幽霊とかでてこなくていいなぁ。



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