一番奥にあったGTIをわざわざ入口まで持って来てくれた。

今まで興味のない車だったけど、良く見ると、少なくともGTIは迫力だ。赤いラインが2本引かれた顔は普通のゴルフとの違いを感じるし、2本出しのマフラーと若干低い事で迫力も感じる。

とは言え、興味のない人は普通のゴルフと外観で区別はつかないかもしれないが、ドライバーズシートに座ると誰でも違いは明らかダワ。

ステアリング、メーターの景色とシートの形状から、まさにスポーツカーそのものだ。外観は普通の車と同じで中身が違う。その見本がここにある。

M先生の運転で走りだす。ディーラーの人も後ろに乗っている。走りながら車の特徴、スペックなどの説明がある。

パワーは200PSを超え、トルクも28kgmオーバーだから愛車よりも。さらに車重は100㎏軽いから愛車より格段に速い。

実際走りだすとスポーツモデルである事が良く分かる。ミッションはオートマだけどダイレクト感がある。2人の説明で父のポルシェのPDKと同じようなメカである事が理解できた。

トルクコンバーターのATではなくて、PCで選んでギヤチェンジするタイプで、マニュアルと同じようなフィールで走るんだ。

もちろんマニュアルでも走れるようになっているけど、パドルシフト出来るし、もしかしたらポルシェのより使いやすいカモ。

帰りは私が運転させてもらった。あまり好きな車じゃないけど、私が求めていたものを満たす事は間違いない。

だが、デカイ、これが小さければ、ここにはポロと言う手ごろなサイズの車もあるが、パワーも無いし、可愛く走るには手ごろなだけで、フィット、ヴィッツと互角で値段が少し高い程度で、今回の検討対象にははいってない。

納得はしたものの、ディーラーに戻って2回目のコーヒーを飲んでて溜息をついた時、「ああ、やっと戻って来ました。」と、ここの店長さんの目線に合わせると、白いGTI？赤いラインがあるのでGTIと思ったらポロじゃん。

実はポロGTIという車がある事はこの時まで知らなかった。

「こ、これは。」ゴルフGTIの横に並べられたその車は一回り小さいだけでおとなしげな、可愛らしくも見える、さらに隣の普通のポロと比べると少し違う、車高が低く赤いラインが2本入っただけでも、存在感がある（気付く人は少ないと思うけど）。

「ポロにもGTIがあったんだ。」呟く私に、店長さんから受け取ったキーをM先生が私に手渡した。

「乗ってみろ」と言う事なんだ。

乗る前に車を1周。５ナンバーの手ごろなサイズで、これなら気張ってとか気取って乗ってるとはだれも思わない、おとなしい小型車だ。

運転席に座ると、ゴルフGTIと同じスポーツカーのテイストで、走りだすと、愛車よりダッシュ力を感じる。

バイパスで60㎞/hから隣を追い抜くつもりでアクセルに力を込める１つシフトダウンしたが全くショックが無い、スルーと加速する100km/hに達している。２秒程？眼中になかった車が、目からウロコだった。

いつもの峠道まで来てしまった。許可を得てSモードとパドルシフトを試みる。慣れてないので押えたつもりでも、スキール音のシーンでも安定して何の不安も感じない。多分物凄く速いはずなのに。

帰りは高速も利用。その間の２人の説明で納得できた。パワーは179ps、トルクは25kgmを大きく超える、車重は1200㎏。アクセルを煽ると隣の車がバックするように見える。求めていた車がここにあった。

ディーラーに帰って即父親にTEL。何を言ったか良く覚えてない。その後店長さんと父との会話で話は決まった。

白いポロGTIが私の二代目愛車に決定。

まだつづきがあるよ