Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


ペルソナ4について語る1

ペルソナシリーズは、初代の「女神異聞録ペルソナ」から、ずっとファンだったゲームだ。
このゲームの何が新鮮だったかって?
それは、人間から何か出てきてそれを戦わせるという発想、そして主人公となる高校生達の深い人間模様である。

人間は、人前に出している顔とそうでない顔があって、どうしてそういう態度=表情をするのかには、彼らの歩んできた人生や、それによって培われた考えが基づいている。

一見嫌な奴だと思っていたあいつが、実はこんな事情を抱えていました…。
そうか、だからこんな言動しかできなかったのだな。なるほど…お前も辛かったのだな。
理解を深めると、そいつらに愛着がわいてくるから不思議だ。
つまりそれが、人と人とがわかりあう喜びってことなのだろう。

そういったドラマ性が好きで、シリーズ通してプレイしてきたのだが、実は4の前作であるペルソナ3は、あまり好きじゃなかった。

人事異動があったのか、スタッフもほぼ一新して作られた3は、雰囲気やゲームスタイルも大幅な変更がなされていたが、そこは問題じゃない。

なじめなかったのは、主人公達キャラクターだった。
ゲームに登場する高校生達は、良くも悪くも今時の子で、昔生まれの自分には彼らの物言いに温度差を感じ、どうしてもすぐにお気に入りにはなれなかった。
主人公と親しくなる女性キャラと恋人にならないと、戦闘に必要な特別のペルソナを作れないことも苦痛だった。
この年になると、ゲームとはいえど強制されるのが嫌で仕方ない。
だから大作RPGもすっかりやらなくなった。
ただストーリーを映画のように見て、自分が好きになれないヒロインが勝手に恋人面することに耐えられなくなった。
ゲームはもはや、自分が仮想空間に生きる手段なのである。

その点、アトラスの女神転生シリーズは、主人公がひたすらしゃべらず、自己主張も控えめに作られている。
これはとても安心する。ストーリーに無意味な選択肢が数多く出たとしても、一応相手に対して「いいえ」と言えるし、むろん、自分の取った行動がそのままエンディングに反映される。自分の意志がそこにあるのである。

多くのユーザーは、おおむね自分と同意見だろう。
だからモンスターハンターがあんなに売れたのだ。
誰だって、仮想空間の中ではヒーローでありたいし、そこで自由に恋愛もしたい。
強制が多い現実世界から解放され、別の世界で、自分じゃない自分が思い通りにふるまえる。
今のゲームに求められているのは、そんなことだと思う。


それらをふまえると、ペルソナ4が大ヒットし、今も不動の人気を維持している理由も納得だ。

そもそも、前作のペルソナ3で軽く失望した自分が、どうして4をやってみたくなったかというと、ある日天啓のように3を再プレイしたくなったからである。

いまいちストーリーのオチがつかめず、先入観で嫌いになっていた3だが、改めて落ち着いてプレイし直し、そのエンディングの真相を知ると、これほど良くできたゲームもないのである。

自分は3フェスを持っていないので、ネットで詳しいことを知ったのだが、PS2版ではあいまいだったラストが、かなり衝撃的だった。

3の主人公は、ゲームの最後で人類を救うために死んでしまうのである。
初代作からの流れで、ラストでは必ず悲しい別れが決まりになっていたが、まさか主人公=自分が、大切な仲間と永遠の別れをするとは思わなかった。

しかも、その理由が悲しい。
世界が滅亡に瀕するのは、世界中の人間が無意識に抱く破滅願望がその因子を呼び寄せるからだという。

誰もが思う、日常での「死にたい」「終わりたい」気持ち。
これの集合体が、主人公達の敵だったのだ。

3の主人公は、その集合体…いうなれば「人類全体の絶望」が、滅亡因子(ゲームではニュクスという)に触れさせないよう、自分の命を封印として、たったひとりで今も滅亡から世界を守り続けているのである。

この事実を知った時、自分は本当に3が好きになった。
なんと深くて切ない話だろうか、と。
こんなシナリオの続編だから、きっと4も自分を感動させてくれるに違いない。

ちょうど時を同じくして、アニメ版を見る機会があり、ますます興味が深まった。
アニメをひと目見て、これは原作(ゲーム)の内容をほぼ再現しているとわかった。
今まで、同じタイトルのゲームのアニメ化を見てきたが、どれもこれも原作無視のひどいできで、ファンをバカにしてるのかとしか思えなかったが、これは非常によくできていたと感じた。

で、アニメ第4話を見たあたりから、いてもたってもいられなくなり、廉価版を買おうと決めたのである。


つづく




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