「なーなー風丸！」

放課後、部活終わりに円堂と帰っていると。

「問題！i,love,youは日本語でなんでしょうか！」

円堂がいきなり何か問題を言ってくるのは初めてじゃないが、こんな、もんのっっっっすごい簡単な問題を出したのは初めてだった。

「…何、言ってほしいのか？」

と聞くと、いつもはうっとうしいくらいにうるさいくせに、なんだか恥ずかしそうな顔で「う、うん…」と言ってきた。
ちなみに言うのが遅れたが俺と円堂は付き合っている。
俺は、「はぁ…」とため息を付いた後、

「私はあなたを愛しています。」

とアイツの望みどうりにちゃんと言ってやった。…のだが、

「いやだ、ちゃんと風丸が言うみたいに言わなきゃ。」

どうやらコイツは「俺は円堂のことを愛してる」的な感じで言わないと嫌らしい。

「んー…」

はっきり言う。

「めんどくせぇなお前。」

「ひっひでぇ!!」

あ、やばいコイツ泣きそう。
仕方ない。

「じゃあ…俺がこれから言う問題に答えられたら言ってやるよ。」

「何々!?早く！早く聞かせて!!」

「いろべよう。」

「は？」

「これがなんて意味か分かったら言ってやる。ちなみにこれは俺が考えたから辞書とかには載ってないし分かる人も少ないと思う。」

たぶん円堂には分からないと思う。

「え――――ッ!?」

教えてもらおうとしてたのか。

「タイムリミットは…無しでいっか。」

この言葉に円堂は嬉しそうにしていた。が、
俺はそんなに甘いわけでもない。

「そのかわり、」

「ん？」

「答えが出るまで俺に触るの禁止。」

「え、」

「早く答えろよ？」

俺はこういって自分の家に入っていった。
「そんなのないよ～…」と情けない声が聞こえていたが気にしない。



次の日。

「かーっぜーまへぶっ!!!!」

朝、円堂はいつもどうり俺に抱きつこうとしていたが俺がかばんで叩いたのでそれは叶わなかった。

「う～…わかんねーよぉ…ヒント！ヒントだけちょうだい!!」

ヒント、か…

「俺が円堂に対していつも思っていることの英語バージョン。」

こう言うと、思っていた答えとは違ったのか、頭を抱えてうんうんとうなっていた。

「ほら、学校着いたぞ。」

俺と円堂はクラスが違うから一緒には行けないんだけど、その時もなにやら考えていた。



部活の時。
鬼道から話があると呼ばれた。

「なんだ？鬼道。」

「お前、一体円堂に何を言ったんだ？」

「あー…ちょっとしたクイズ。ちなみにいろべようってどんな意味でしょーかって。」

賢い鬼道はすぐに分かったようだ。

「…なるほどな。」

「円堂に答え教えんなよ？」

分かっているさ、と鬼道がグラウンドに戻ったのを確認すると、

「円堂。」

「お前は、どれだけ俺のことを愛してるんだ…？」

誰もいない。

「なーんて…。」

そして俺もここを後にした。

ここに円堂がいたとは知らずに。

「どれだけって……あ！」

…どうやら答えがわかったようだ。


放課後。

「風丸！俺、答え分かったぜ!!」

「へえ、じゃあ、何？」

「i,love,you」

「…正解。」

「んじゃあ俺のアレも言ってくれよな！」

「わかったよ…」






「いろべよう。」






「そんなの卑怯だ―――――ッ!!!」

「別にいいだろ。」

（だって、）


愛してるよりも上の言葉。

愛してる、なんかじゃ言い表せないくらい好きなんだから。



円風甘でした。
甘になってんのかなコレ…
自分はずかしっ!!
ちなみに答えがi,loveyouなのはこれをローマ字で読むといろべようだからです。

閲覧ありがとでしたー！