5月自作 / 風「風になった蛙」
- カテゴリ:自作小説
- 2012/05/06 17:21:38
天女のアヤメは名前どおり、地上の菖蒲(あやめ)の花が好きだった。
天空の世界にも地上と同じ物があるが、それは完璧すぎてなにか窮屈なものを天女のアヤメに感じさせた。
地上の不完全さはアヤメに刺激を与えてくれた。
アヤメは天空の息苦しさから逃れるために、時々地上に降りてきてはその不完全さで心を癒していたのだ。
今日も天空で時間が空いたので、アヤメはひとり天空から舞い降り地上の菖蒲の咲く池に水浴びをしにきた。
「ほんと疲れるわ。完璧、完璧って少しのミスも許されないのだから。そのれに比べれば地上は少々のミスをしても許されるから落ち着くわ」
そう独りでぼやきながら水浴びをするために、天空の制服である天衣を脱ぎ捨てるように脱ぎ出した。
天女の体は地上の人間の女性に比べて、完璧な美しさに包まれていた。
その裸体はあらゆるものに比べて美を一番に感じさせ、人間の男が見ればあまりの美しさに魅了され、動くこともできなくなり見続けるしかないような美しさだ。
その池にその姿を見続ける一匹の蛙がいた。
蛙は天女と話すことのできる、池で唯一の蛙だった。
天女アヤメが裸になり池で泳ぎだすと、蛙も池に入り泳ぎながら後ろからアヤメに近づいていった。
「こんちわ。アヤメさん」
と、アヤメの後ろから声を掛けたのは蛙だった。
「きゃ、びっくりした。後ろから急に声を掛けるなんて蛙君らしいわね。こんにちは蛙君。見たでしょう全部」
「えぇ、何を見たのですか?」
「後ろからだと私のあそこが丸見えだったでしょ」
「あぁ、はい丸見えでした」
「蛙のとはちょと違ってるから」
「はい。ぜんぜん違います」
「何か感じた?」
「本能的な何か力が襲ってくるのを感じました」
「そう。それはいいことだわ」
アヤメはそう言うと、今度は岸に向って泳ぎだした。
その後ろを追うように蛙も必死で泳いでついて行く。
岸に着いたアヤメは池を泳ぐ蛙を見ながら膝を立て座った。
必死で泳いでいた蛙がやっと岸に着いて、息を切らしながら岸に上がってみるとアヤメが膝を広げて座っているのが見へ、蛙はのそのそと這うように歩きながらアヤメの足元の間まで行き止まった。
アヤメが膝下の股近くの蛙を見下ろしながら言った。
「蛙君、歩くの本当に下手で遅いね」
「はい。ぴょんぴょん跳ねるのは得意だけど歩くのはダメなんです」
「ねぇ、蛙君。君はどれくらいジャンプできる?」
「天女さんの膝の高さぐらいかな。でもあまり高くジャンプすると着地したときにお腹をうちゃいます。ジャンプしら一度、そのままで空を飛んでみたいです」
蛙はアヤメの裸体を見上げながら、そう答えた。
「蛙君は空を飛びたいんだ」
「はい。天女さまみたいに一度空を飛んでみたいです」
「いい方法があるわよ。やってみる?」
天女が蛙にそう、聞いた。
「えぇ、僕が空を飛べるのですか。空をずっと飛んでいられるなら何でもやります」
蛙はそう、答えた。
蛙はぶにょぶにょして柔らかい天女の体の一部の中にいた。
「天女さま、もうこれ以上進めません」
「そう。そこが一番奥なのね」
「はい。ここが一番奥みたいです。これで本当に空が飛べるのですか。ちょと息が苦しくなってきました」
「そこは私の体の気が集まるところ。蛙君が体外離脱できるところなのです。気を集めるためにちょと周りの壁を擦ってちょうだい」
「こうですか」
「うぅぅぅ。そうそこ、感じるわ。もっと感じるためにもっと擦って」
「天女さま、こうですね」
蛙は天女の言う通りに行き止まりの前の壁に頭を付け、歩くように足と手を動かし周りの壁を擦り続けた。
しばらくすると天女は気分が高揚してエクスタシー状態になり、体にはオーガズムが到来してきた。
「て、て、天女さま!壁が急に縮んで苦しい」
蛙の周りの壁が蛙を締め付けるように収縮していた。
「気が溜まったみたい。じゃ、送るね」
天女は痙攣しながら、神経を集中させて力を入れた。
蛙の全身に電気のようなものが走った。
「うぅ~」
蛙はそう呻いて、意識を失ってしまった。
すぐに意識を取り戻した蛙は、アヤメの体から出て空中に浮いている自分に気が付いた。
「やった!天女さま、やりました。ふわふわと飛んでいます」
蛙は喜びながら天女を見下ろし、そう叫んだ。
天女は放心状態で横たわっていたが、蛙の声で我を取り戻し身を起こした。
「良かったわね。体外離脱が成功したみたいね」
「はい。ありがとうございます。夢が叶いました。天女さまのあそこのパワーはすごいです。夢を叶える場所ですね」
「私の体の中にはまだ蛙君の本体が残ってる。なんだか手足が壁に食い込んでるみたいで取れそうにないわ。体外離脱が終わったら早く出てきてね」
「はい。少し空中散歩を楽しんだら戻ってすぐに出ます」
その時である。
池に突然、突風が吹いた。
「あぁぁ」
蛙は叫び声を残して、風に舞い上げられ空高く飛んでいった。
そして、空の風に乗って何処か彼方へ飛んで消え去ってしまった。

























www
風になった蛙のその後も気になりますが、天女の体に残った蛙本体にも興味津々です!www
何気に読み進めていったら、官能小説だったのね~^^;
うーーーん。
コメント出来ない・・・。
ん? 天女って月経あるのかな?
そういえばカエル王子物語の原型は、
ほんとはこういうことだったのかも。
今、どの辺に飛んでいるのか気になるような作品ですね。
byスピッツ(笑)
よい子はまねしちゃダメですね。