京都カエル探偵物語
- カテゴリ:自作小説
- 2012/05/07 01:14:13
僕はカエル探偵の有利得ルカ(ありえ・るか)です。
この世に在り得る、すべての事件の真相を解明するために探偵になりました。
何故カエル探偵なのか?
皆さんはきっと疑問に思われると思います。
僕にはカエルの要素、つまり両生類の遺伝子が残されているので二つの世界で生活できるのです。
ここでいう二つの世界とは水中と陸上ではなく悪と正義の世界で、言い換えると法に違反した悪の世界と法を守ろうとする正義の世界のことです。
普通は正義で、時には悪にもなる。
変化の探偵なのでカエル探偵なのです。
本当はただ単に事件の捜査にカエルのレインコートを着て行くので、カエル探偵と呼ばれてるのかもしれません。
捜査に何故カエルのレインコートを着るかというと、私の扱う事件は人間を対象にした事件ではなく、カエルに関しての事件だからです。
平成24年5月5日、京都の宇治川の河川敷で、新聞に包まれたカエルのバラバラ死体が釣り人によって発見されました。
折りしも大型連休の最終日、友人である発見者の釣り人から連絡を受けた私は直ちに現場に急行しました。
愛用のカエル自転車に乗り、山を超えての現場急行はかなりハードで到着まで2時間を要しましたが、第一発見者の友人は釣りをしながら私の到着を根気良く待っていてくれました。
京都の宇治川には自殺で有名な天ヶ瀬ダムがあり、またその上流の宇治川は殺人事件の死体の遺棄場所として多くの人間の死体が発見される場所です。
ですから、カエルのバラバラ死体が発見されてもおかしくない場所なのでした。
「どうもすみません、お待たせしました。どうです釣れましたか」
私は現場で私の到着を待っててくれた友人に、そう声を掛けました。
「鯉を釣りに着たのに、釣れるのはブルーギルばかりでだめですね」
「そうですか。流れているのが琵琶湖の水だけあって、釣れる魚も琵琶湖と同じですね」
「ほんとです。なんとかして欲しいです。この外来魚」
「ところで、カエルのバラバラ死体は何処ですか?」
私は本題にいるために友人に、そう聞きました。
「あぁ、その透明のビニール袋に新聞紙に包まれて入ってます。最初は釣り人が捨てていったゴミだと思っていましたが、釣りの餌の残りが入っていなかなと思って開けてみたら、引き裂かれた大きなカエルの死体が入ってました。臭いがしないのでまだ新しいかもしれません」
友人が指差すビニール袋に私は近づき、それを持ち上げ臭いでみました。
友人の言うように、まだ腐敗臭はしていません。
私はプロの鑑識用の高価なゴム手袋を手にはめると、ビニール袋に手を入れて包まれている新聞紙を注意深く少しだけ開きました。
そこには一見しただでけでカエルの足と分る、長い指の間にヒレがついた脚が二本見えました。
「間違いなくカエルのバラバラ死体です。カエルの種類は色と大きさからウシガエルのようです。持ち帰って詳しく調べます」
私は友人にそう告げると、そのビニール袋を持ってきたビニール袋に入れドライアイスの入ったクラーボックスの蓋を開けそこに仕舞い込みました。
「誰かがウシガエルを見つけ、持ち帰って食べるためにバラしたのかもしれませんね」
友人を安心させるために、私は友人にそう言いいました。
「ウシガエルって美味しいのですか?」
「はい。鶏肉に似た味がします。今度、お礼にご馳走します。どうも連絡ありがとうございました」
「いえどうも」
「では、私はこれで失礼します」
友人にそう挨拶をして、クラーボックスを自転車の荷台にくくりつけると私は家に向って来た山道をまた自転車をこいで帰りました。

























ウシガエル。確かに鶏肉の味がしたようです(父の話)