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京都カエル探偵物語 2


 家に辿り着いた時、私はクタクタでした。
往復4時間の山道での自転車こぎは、さすがの私にもこたえました。
しかし宇治川カエルバラバラ事件の真相を解明するために、私は自分に鞭打ってカエルの死体の鑑定に入ったのです。
私はクラーボックスからドライアイスによって冷やされたビニール袋を取り出しました。
その透明なビニール袋は冷えてくもり、中に入ってる新聞も水分で少し湿って柔らかく破けやすくなっていました。
新聞の包みを注意深くビニール袋から取り出し、破れないように慎重に新聞の包みを開けていきました。
最後の折り返しを開けると、そこには手足を無理やり引き千切るられたかのようなカエルの胴体と、その手足がバラバラになって入っていました。


「これは酷い。カエルの死体を沢山見てきたが、こんなのは始めてだ。誰がこんな残酷なことをしたのだろう。こんな殺し方をするのは原始人しかいないない」
私は生きたカエルをバラバラにしている状況を頭に浮かべながら、そう独りごとを言いました。
刃物が無かった時代には、生け捕った動物を解体するのにポテトチィプスの袋を開けるように、力に任せて手で引っ張るしかなかったと考えたのです。
次に私の頭に浮かんだ状況は、犯人がこの殺害を本当に食用のために行ったかどうかです。
生きて食いつなぐためには他の命を犠牲にしなければなりませが、スポーツハンティングのように狩猟そのものを楽しむこともあるのです。
そして、殺害の動機が猟奇殺害のように残忍で冷酷な異常ともいえる動機になり、最後には殺害そのものが快楽である快楽殺害のように、正反対に殺害の動機を変えていってしまうのでした。

動機が異常とも取れるカエルのバラバラ死体を私は丁寧にルーペを使って観察しました。
そして見付けてしまったのです。
カエルの口内に人間の液体らしきものが付着しているのを見付けてしまいました。
さっそく、そのサンプルを取り顕微鏡で観察しました。
私の思った通りにその液体は人間のオスが出した液体のお玉じゃくしでした。
「手足をもぎ取ったカエルによって、性的興奮を得るなんてどんなんだろ」
頭の中でいろいろな性的嗜好を考えてみましたが、当てはまる嗜好はありませんでした。
「ひょとしてこれはなんかの儀式かもしれない。カエルを使った魔術があるのか。けど、カエルの神様なんか聞いたことが無いな」
私の思考はここで止まってしまいました。
疲れていた私はカエルのバラバラ死体を、レトルトパウチの袋に入れ、冷蔵庫の冷凍室に保存して今日の観察を終わることにしました。


私がカエル探偵をしているのは、幼い時にカエルに命を助けられたからです。
小さい時、池でカエルを捕まえるために網で池の中を泳いでるカエルを追いかけていました。
普通のカエルならそのまま泳いで逃げるのですが、追いかけていたカエルはわざわざ陸にあがり、池と反対にピョンピョン跳ねていったのです。
何も考えずにそれを追いかけて私も池から離れました。
草が生えていて分らなかったのですが池に流れ込む水路があり、もしもあのまま泳ぐカエルを追いかけていたら私は確実にその水路に落ち、池に流されて溺れ死んでいたでしょう。
カエルは車の通る危ない道路の方にわざわざ池から出て逃げたのです。
そして、道路を走る車に引かれて私の代わりに死んでしまいました。
それから私はカエルの死体を見ると、事件として調査するようになりました。


その夜は昼間のハードな自転車走行もあってすぐに眠りにつき、眠りの中で夢をみていることに気がつきました。
普通ならそれが夢であることに眠りから醒めて気がつくのですが、あまりにも現実離れしすぎていて夢の中で夢であることに気がついたのです。
昼間のバラバラガエルが夢に出てきて、こう言っていました。
「私は陰陽師によって生贄にされたました。その占い師は燃える髑髏(どくろ)を持っていました」
「ひょとしてそれは隣の町内の・・・」
私がそう本当に声をだして答えたときに、その自分の声で目覚めたのです。

#日記広場:自作小説

アバター
2012/05/09 20:43
カエル探偵の過去が明かされましたね。

隣の町内の陰陽師は、体液のオタマジャクシに足が生える魔法をかけてカエルをつくりだしているのかしら?
アバター
2012/05/09 10:30
これは…まだ続くんですね!
アバター
2012/05/09 08:35
う~む、やはり犯人はオスの陰陽師だったんですか。神楽天女さんかと思った^^



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