6月自作/ トンネル「モグラ夫婦の悲劇 (2)」
- カテゴリ:自作小説
- 2012/07/02 14:11:47
ギジンモクの夫婦は人間達に発見されないようにトンネル内に設けられた避難部屋に身を隠していた。
この避難部屋はトンネルが地底国の地上への出入り口であることをカムフラージュするための施設の一部であり、トンネルの各所に一定の間隔で設けられていた。
避難部屋の他にはトンネルメンテナンス用の道具をしまった倉庫のような部屋も設けられていた。
避難部屋には非常食や日用品が用意され、一週間ぐらいならそこに立て篭もれるようになっている。
今までにも人間達がこの洞窟を訪れたことがあった。
その目的は洞窟探検のケイビングがほとんどで、地底人によって巧妙に仕組まれた装置に地底国の存在を知る手掛かりを発見されることは無く、探検家達は未知の冒険をしていると思って満足して帰っていくのだ。
それは遊園地のテーマパークを冒険しているようなものにすぎなかった。
ギジンモグ夫婦にセンターから連絡が入った。
「こちらセンター。作業第一班どうぞ」
「こちら作業第一班です。センターどうぞ」
「今回の人間達は人数と資材が多く、洞窟での長期滞在が予想される。くれぐれも人間達に気付かれないよう気配に注意するように。また長期滞在に備えて食料や水の摂取を考えて行うように。尚、人間達に気付かれないように連絡と電気の供給は一時ストップする。以上」
「えぇぇ、私達は閉じ込められ、見捨てられるるのですか?センターどうぞ」
「・・・ ・・・」
「センターどうぞ。応答願います」
「・・・ ・・・」
「センター、センターどうぞ」
センターからの連絡は切れ、避難部屋の灯りが突然消えた。
夫の騒がしい声に妻が目を覚ました。
「とうちゃん、どうしたの?真っ暗やん」
「センターの奴が電気をストップしやがった。おまけに連絡もつかない」
「とうちゃん、こんな時はいしょに寝るのが一番やで」
「何のんきなことを言ってるんだ。人間達がたくさん来るんだぞ。今度の人間達はいつもの人間達と違うみたいで洞窟に長く滞在するそうだ。ひょとしたらここから出られなくなるかもしれないのだぞ」
「とうちゃんと二人きりでずっといられるなんて夢みたい。とうちゃん、愛してるよ」
「お前の言いたいことは分かったから少し考えさせてくれ」
夫のギジンモグは頭を抱え込んで黙ってしまった。
「とうちゃん愛してるぅ~。なんか人間がやってきたのか岩ドアの向こうが騒がしいよ」
電気が切れたのでモニターで外の様子を見ることはできない。
二人は岩ドアに耳をあて、外の様子をうかがった。
「隊長。前回の調査隊が作った洞窟の地図ではここがベースキャンプの場所に適しているようです。取り敢えずここを荷物置き場にして、調査団を一旦集合させます」
「わかった軍曹。広さも適当だし入り口もすぐそこで雨を凌ぐにももってこいだ。ここをベースキャンプの場所にするのがいいかもしれんな。関係する責任者をここに集合させてくれ」
「分りました隊長。ではすぐに手配します」
「あぁ、急がなくてもいい。工程にはまだまだ余裕がある。皆を休憩させた二時間後の14時にしよう」
「了解です」
人間達はちょうどギジンモクの夫婦が隠れている、ちょうど避難部屋のある前の洞窟の広場に集まりだしていた。
「とうちゃん、この前で人間達は寝泊りするみたいだよ」
モグラが地底で進化したギジンモクの夫婦の妻が夫にそう、いった。
「かぁちゃんは人間の話している言葉が分るのか?オラにはあの変な鳴き声はぜんぜん理解できない。かぁちゃんはすごいな」
「地底学校で習ったのよ。昔は地上に興味があったから、地上の人間のことを勉強したの。機会があったらとうちゃんと地上を旅行してみたいな」
「地上を旅行する。そんなことをしてみろ地底国に二度と帰れなくなるぞ。地低国では地上に出ることは大タブーなんだからな。血の繋がった一族全員が処刑されてしまう。オラ達も人間に見つかったら殺されてしまうかもしれないぞ、かぁちゃん」
「とうちゃんといっしょに死ぬならいいよ。とうちゃん、愛してるぅ~ヨ」
「オラもかぁちゃん、あいしてるぅ~ヨ」
夫婦はお互いに抱き合うと何かを始めた。

























人間が帰る頃には、子モグラの群れが……
らぶらぶだぁ~~~^^
ちこくするくらいなら七月小題をかけばいいのに
サトウ系の人は思うのであった