Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


ペルソナ4ゴールデンやってみた・3

【いろいろ見えるから困る】

前回、マリーは要らない子だと、長々書いた。
もちろん、マリーのファンの人達は、そんな意見に断固反論するだろう。
何もしてないじゃないかと蒼雪は言うけれど、そんなことはない。彼女は身を挺(てい)して、大切な主人公達や世界を守ろうとしたのだ、と。

確かにその通りだ。
マリー救出イベントでは、彼女の悲壮な決意が涙を誘う。
※以下、ネタバレ注意のため、一部色を薄くします。

自分が何者かもわからず不安を感じていたところに、素直な気持ちで接してきた主人公とその仲間達。
彼らと会話することで、マリーは現実世界に愛着を持ち、人と接する喜びを知る。
主人公達もまた、ぶっきらぼうなマリーの言動に触れて、改めて自分を見つめ直し、友達や仲間の大切さに気付いたりする。

だけど、そんな楽しいひとときは続かなかった。
主人公達が、マリーの分体であるアメノサギリを倒した瞬間、精神世界と現実世界を融合させる霧が、マリーの身体の中に取り込まれてしまう。
霧を取りこんだことで、マリーは自分が何者なのか思い出し、主人公達を巻き込むまいと、ひとり迷いの森(普遍的無意識のどこか)に閉じこもってしまうのである。
霧を取りこんで自分も消える定めにあったマリーは、自らをクスミノオオカミと名乗る。
しかし、主人公達は、神も人も関係ないと断言する。
友達がひとりで不幸になるのを見過ごして、自分達だけ幸せにはなれない、と。

彼女のゲーム内の役割である、スキルカード複製や救援要請にお世話にならなかった人は、ここで冷めた目を持ってしまう。自分もそうだった。
今さらそんなことを言ってもなぁ…と。
クマのように戦闘要員でもなく、ストーリー中に何か助けてくれたわけでもなく。

しかしストーリー中で、仲間達は、彼女がいてくれることに意味があるのだ、と豪語する。
まあ確かに、彼らの言う事にも一理あるけど。
彼女を見捨てることは、人として残念な判断でもあるし、何より、真のエンディングにたどり着けなくなってしまう。

マリーの功績は二つある。
主人公達を思うあまり、彼らの気持ちをないがしろにしつつ独り死を迎えようとしたこと。
その解決策として、霧に乗っ取られた身体を、主人公達を守ろうとする一心で制御し続けたこと。

ヒロイン役としては、大義だったと思う。
だけど、それ以外は特に何かしたわけではない。
仲間のセリフでは、やたらと彼女を大事にする内容があるけれど、正直、そこまで優遇するほどのキャラでもない気がする。
自分がここまで反感を覚えてしまったのは、無印ではマリーの役どころ~守られるべき存在という役を、主人公の従妹、堂島奈々子が引き受けていたからである。

奈々子は、仲間達にとっても妹的存在として可愛がられている。
彼女の言葉で仲間達は癒され、大切な何かに気づき、だからより一層、奈々子を大切にした。
少なくともマリーよりかは、守られるに値する存在といえよう。

だがP4ゴールデンの顔として、マリーはいろんなところに出張っている。
マリー役の声の人が人気声優らしいということを見ても、商戦として起用したことがあからさまに思えるのだ。

昨今のライトノベルやゲーム事情を見るまでもなく、魅力ある美少女キャラというのは強力なウリである。
この不況下の中で、いかに客に金を落とさせるか。会社側も必死なのはわかる。
けれど、P2までのゲームとしてのスタンスが、だんだんずれてきている気がするのだ。

昔だって、いかに売れるゲームを作るかが課題だった。
けれど、売るために「いかにも男子にウケそうな」女性キャラを前面に押し出すことは、あまりなかったように思う。
もちろん、プレイヤーが感情移入しやすいように、ある程度の傾向を狙って作られたキャラはあったが、それ以前に、「こういう内容で面白がらせたい」という作り手の熱意があったと思うのだ。
今でも初代異聞録や2罰罪をリスペクトしているのは、その、一本通った筋を気に入っているからである。
ストーリーと世界観で魅せ、キャラは押し付けず、余白の部分はプレイヤーの想像に任せる。前々作は、そんな作品だった。

でも、前作のペルソナ3フェスなどで、後日談に登場した女の子キャラが男性プレイヤーにひどく人気が出たため、今作でもそういったセックスアピール的キャラを導入したと思われる。
可愛い女性キャラを求めている若いプレイヤーは、手放しで飛びつくだろう。
で、ニコ動なんかで「マリーィィィ最高~~!!」とかコメントに書くんだよね。
いわゆる●●厨というやつだ。
そういうのを見た業界の人は、「ああ、今回も狙った通りに成功したな。次回もこれでいこう」って考えるんだ。とにかく売れればいいからね。

そういうのが見えてくると…ものすごく嫌気が差すんだ。
お前ら踊らされてるよ、と言いたくなる。
今が楽しければいい、目の前の可愛い子に夢中になっていればそれでいいって人達。
別に誰だっていいのだ。千枝や雪子、りせ、直斗ファンも同じ。
そんな人達の食い物にされる役なんだ、特にマリーって子は。

昔からゲームをやっている自分みたいな人にとっては、そういう傾向が危うく感じる。
キャラクターバブルとでも言おうか。

キャラに熱狂的なファンがついたゲームは、ものすごく長く語り継がれるか、ある日突然消えるかの、どちらかと決まっている。
自分が知る限りの代表格は、前者はFFⅦ、後者はサイキックフォース、東京魔人学園である。
FFⅦの場合、派生作品として丁寧に作られた映画やゲームがあり、後づけだの何だのと言われつつも支持されてきた。
対し、サイキックや魔人は、ファンに祟られた作品である。
特にサイキックは、2作目のキャラ設定を新キャラメインにしたためにポシャった。熱烈なファンがいた前作の主役達を降板させた罪は大きい。ファンの要望を履き違えた結果であろう。

ペルソナ4も、後者の危険をはらみつつある。
現在アーケード版で稼働しているP4Uは、ペルソナ4の後日談という設定の格闘ゲームだが、見た感じ目新しい要素はない。
いまどき横画面のストⅡタイプだし、音楽も「鳴上悠のテーマ」以外パッとしない。
頼みのストーリーも、格闘ゲームだから、長く詳細な展開は期待できないだろう。
完全にキャラ頼みのゲームにしか見えず、購入は先送りにしようと思っている。

というわけで、蒼雪がマリーを嫌う理由…お分かり頂けたであろうか。
商戦の思惑で名タイトルが迷走しそうな危険を感じるからだ、と。

今は勢いに乗って、キャラ関連のグッズ等でガンガン儲けるだろう。
でもいつか、そういう商法が終結を迎える時代が来るに違いない…。
消費者の目が覚めれば、だけど。
次回作が出るなら、もう4までのノリはやめた方がいい。そう願わずにはいられない。

次回は、足立について語る。

つづく





アバター
2012/08/11 08:38
砂原さんレスありがとうございます。

そうなんですよね、足立ランク6では、一瞬だけ「僕」が「俺」になるんですよね。
「別に俺じゃなくてもいいんだよな…」と。あ、本音が出たなと読む人にわかる、秀逸な演出でした。
陽介達が足立を責める言葉もきついですよね。いろいろ抱えてる人には、特に。
でもお茶を濁さずズバッと言うことで、両者が対比しているわけで…。
これから先、陽介達が足立を糾弾した時の強い気持ちを維持できるかというと、また別の話ですね。
世間を知って、気持ちの迷いが出ることもあるでしょうし。でも、この出来事を折に触れ思い出して、頑張って生きて行くんだろうなと思いました。

陽介コミュの2人は、まったく酷い奴らですね。小西コミュのおばさん連中もそうですが。
短い構成で端的にわからせないといけないので、ああいう奴らが必要だったんでしょうけども。
多面的に物事を考えること、我々も忘れないでおきたいですね。

こちらこそ、ここまで語らせて頂きありがとうございました。
同じ考えの方がおりましたこと、とても嬉しかったです。怖がらずに、何でも書いてみるものですね。
まだP4には思う所あるので、またふらりと記事を書くかもしれません。
でもマリーと足立で大分発散してしまったので(笑)、ここまで鋭い記事は、もう書けないかもしれませんが…また目にする機会がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
砂原さんや他の方がコメント書けるように、次からはコメント欄空けておきます。
またの機会にでも、ご意見頂けたら幸いです。
重ねてお礼申し上げます。ありがとうございました^^
アバター
2012/08/11 00:12
こんばんは、お邪魔してます。
たしかに足立すごいですねw考えれば考えるほど捉え方が広がるという…。
悪役に魅力がある作品って根強い人気を誇るものですし、P4もその1つなのかもしれませんね。

コミュはそんな彼について掘り下げるいい仕事をしてくれました。
ランク6でのイベントは荒んだ足立の心に追い討ちをかけた形に見えました。
一瞬一人称が変わって、本音が見え隠れしていたのが印象的です。
今後の周回プレイでは今まで選ばなかった選択肢を選んで反応をじっくり観察してみようと思います。

そう、私もオリジナルをプレイしていた4年ほど前は、仲間たちの足立を責める言葉に単純に同意するばかりだったんですが、
今Gをプレイすると足立の言い分が理解できたり仲間の台詞が心にズシッと来たりしたんですよね。
おそらく年齢、というか人生経験で感じ方が変わるのだと思いますが、そういうのも面白いところだと思います。

モブキャラ……たしかにあれは話を分かりやすくするためか、あからさまに嫌な部分だけピックアップされてる事が多いですね。
陽介のコミュによく出てくる女子2人組なんか、いやここまで言う奴は居ないだろというレベルで…(笑)
実際には何事も一面的ではない、という事実は忘れずにいたいものです。


さてマリーの件から始まり色々と語らせて頂きましたが、そろそろお暇しようと思います。
突然の申し出にも快く応じてくださり、ここまでお付き合い頂いて本当にありがとうございました。
こんなにしっかり意見交換できる機会はなかなか無いのでとても楽しめました^^
毎回がっつり返信して下さり大変読み応えがありました。さすが物書きさんだなあと。
今後もP4関連の記事があれば読ませて頂くつもりなので、また何かの拍子にコメントするかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。

それでは失礼いたします。
アバター
2012/08/09 08:36
砂原さん、レスありがとうございました。

まさに砂原さんの仰る通りだと思います。
足立は、もう一人の我々でもあるんですよね。だから共感を呼ぶのでは。
私も初回プレイでは足立を何とも思ってなかったのですが、繰り返しプレイするうちに、どうしてこんなに彼が騒がれるのか分かった気がしました。

P3のキャラが正義感なかったわけではありませんが、比較するとP4の仲間達は、とても善人ですよね。
誰かが悪口を言ってたら、我が身のことのように怒るし、悲劇を悲しみもする。
それは現実世界の我々にも備わる良心ですが、実際にどれだけ実感できるでしょう?彼らのように。
それを考えると、陽介達は「良い子」過ぎるんですね。だからこそ、道を踏み外した足立にあそこまで言えるわけですが。
もちろん、陽介達がダメだというわけではありません。むしろ彼らのような純粋さは、今の世の中に絶対必要だと思います。(いじめ問題とか多いですし…)

彼が連続で犯行を犯したのも、テレビの中に入る力が一因だったでしょうね。
ですが、仮にその力がなくても女性に乱暴してたのかな…とも思います。山野アナの一件を見る限りでは。
山野に迫る時、すごい顔してましたから。言い分もストーカーでしたし…。

堂島親子という、足立を良心の側に引きとどめる存在がいたにも関わらずマガツ側に堕ちたのは、コミュに登場するお婆さんの事が根深そうです。
ランク6で、足立と同じ名前を持つお婆さんの息子が登場しますが、彼は落ちぶれた足立と違って成功者だった。彼を見る足立…心の中で、嫉妬や怒り、絶望感と戦っていたと思います。
でも、それを露わにせずに笑うんです。
こういう状況、現実でも多いですよね。だから、犯罪は絶対にいけない事ですが、欲望に従った足立の姿は我々の代弁者でもあるわけです。
我々にも足立のような一面がある、と理解すると、彼は他人の気がしません。

砂原さんも仰るように、善と悪、どちらかを切り離してその人を見ることはできないということですね。
ゲームの中でムカつく事を言うモブキャラも、よそでは苦悩したり良いことしてるかもしれません(笑)

ここまで長く語らせる足立、まったく奥が深いですねw
アバター
2012/08/08 10:04
こんにちは。ご返信ありがとうございました。
足立の来歴や境遇って結構ありそうなもので、言い分が分かってしまうだけに共感するプレイヤーも多いのでしょうね。二面性についても誰にでも覚えがあると思います。

その辺を突き詰めていくと「主人公と足立は似た者同士だ」という蒼雪さんのご意見は正にその通りで(ペルソナもほぼ一緒ですもんね)、
もしかしたら足立は「稲羽でコミュを築けなかった主人公」の未来像なのかとすら思えます。
だからこそ、あそこまで歪んでしまう前に何とかして止められなかったのか、なぜ助けられなかったのか…そう思うプレイヤーも出てきますし、前述の共感できる素養があることを考え合わせると人気が出るのも頷けますね。

彼の一連の犯罪を見て思い出した事がありまして。
京極夏彦の小説に「全ての殺人に明確な動機があるわけではない。たまたま出来る瞬間に居合わせた
から殺した。もし君が誰にも咎められず人を殺せる場面に立ち会ったらどうする? 」
というようなくだりがあったのですが、まさに足立はそれを体現した存在というか…。

なので人間としての欠落はあれど、異常者では決して無かったと。
テレビに入る力など授からなければ、心の中で悪態をつきつつも平穏に過ごしていた気がします。
蒼雪さんが仰るように、優しさだって持ち合わせていたわけですから。
よく言われていることですが、終盤で主人公を煽る際、本来なら菜々子を引き合いに出すのが効果的なのにそれをしなかった。堂島に関しても散々怒られていたのに悪く言わなかった。ここはとても重要な部分だと思います。

つまり足立って、RPGのボスのくせにとっても「普通の小市民」なんです。
日常性に重きを置いたP4にふさわしいボスとも言えます。
そうしてあらためて考えると事件関係者も、特捜メンバー達も、特殊な存在であるクマさえも「ふつう」なんですよね、この作品の登場人物は。
みんなあくまで普通の悩みや考えを持っていました。
(その点マリーは「神様」ですからね・・・浮いてしまう理由がまた一つ分かった気がします)

足立に関しては、昔は何とも思ってなかったけど最近どうにも魅力を感じてしまうなあ…なんでだろう我ながらモヤモヤする…と思ってたのですが、
今回意見交換させて頂いていることでかなりまとまってきた気がします。
アバター
2012/08/07 08:41
下コメの続きです。

脅迫状や、情報垂れ流しの件については、これは足立が計算してやっていた印象もありますね。やってみて、主人公達がどういう反応を示すか見て、面白がっていたのでは。
とはいえ、病院で主人公達に迫られた時、うっかり自白してしまった小心さを見ると、最後まで計算しきれていなかったのでしょうね。そこまで完璧だと、事件が解決しなくて困りますけど。
でもそのウッカリ加減が、人間らしさを強めているのでしょう。
山野の遺体を見て嘔吐したシーンの砂原さんのご意見、ごもっともだと思います。
あれで、なんかふっきれちゃったんでしょうかね。

足立が犯罪に走ったのは、進学校に通うほどだったエリート路線の脱落から来ていますね。
ただ仕事に失敗しただけじゃなくて、自分と同年代の生田目が成功している(ように見えた)
なぜ自分がという鬱積が爆発して、生田目を攻撃する代わりに、生田目に近い女性に暴力を働こうとした。
この動機は許されるものではありません。
ですが、多くのプレイヤーは、陽介達の糾弾を「きれい事」と感じる瞬間が、必ずあると思います。
自らが挫折を味わっているなら、短期間で立ち直った陽介達を羨ましく思うと同時に「そう人生うまくいかないのに」と思うでしょう。その辺のダークな心境が、同じく挫折者の足立とシンクロしちゃうんです。
でも私は、足立の闇の部分も、コミカルな白の部分もひっくるめて好きです。変な意味でなくw

共犯者ENDのムービー、良いですよね。
脅迫状を燃やす時、自分を信じてくれた全てを裏切ることになるという文が出ますが、あれに主人公の心理が込められているかと。足立に嫌われたくない=依存、です。
愛家の推理パートで告発をためらうが、足立を告発する選択の後、足立が事情聴取という名目で女子高生に不埒な行為を働こうとした事実が明かされる。今までの彼の表面性を剥ぐ、良い説明でした。
黒足立と初邂逅した時、陽介達が「一人では行くな」と念を押しますが、結局行きますよね。
プレイヤーの心境如何ですが、主人公は足立を慕っていたのは事実ですね。
真実を見誤る以前に、陽介やりせは、主人公がどこかで感情の無理をしていたことを、無意識に察していたのかも。人前で本音と建前を使い分けるこの2人だからこそ「行くな」と言えたのかな。

長文失礼しました。
アバター
2012/08/07 08:10
砂原さん、レス感謝します。

楽しみ方、人それぞれですよね。私も文化部コミュがどうもダメで、3周目は文化コミュを外してプレイしたことがあります。
ペルソナ4は東京魔人学園の確立した学園ジュブナイルを、さらに昇華させた学園ゲームの最高峰と思っております。それだけ仲間の絆を強く描けたゲームなので、もう何度も書きますけど、今作のロールと集合写真だけは本当に許せませんよねぇ。

足立と主人公の2面性、乖離性についての私の考察は、上にあげた東京魔人学園というゲームの強いファンだった経験から来ています。
魔人も、重い宿命を背負った主人公が、多くの優秀な仲間に支えられて東京を救うストーリーですが、このゲームを何周もしているうちに、無性に孤独感を感じてしまったのです。
この孤独感は、ゲームをプレイするにあたって、自分の感情を偽るところから来ています。
つまり、嫌いなキャラにも好意的な感情選択をし続けていると、ゲームでは出来た人間と褒められますが、実際はそうじゃないのに…という距離感ができてしまうんです。
これはペルソナ4でも同じでした。なので、記事でも書いた久慈川りせの「演技してる」セリフに共感できたというわけです。

説明が長くなりましたが、上のように主人公が多かれ少なかれ「良い人を演技している」という点は、足立が自らを善人に仕立て上げている演技と共通する部分があるのです。これが2面性ですね。

足立の間の抜けた部分は、半分は彼の地だと思います。
仕事ができなくて堂島に叱られているのも、彼の能力のせいでしょう。稲羽署に左遷されて、都会でしていた仕事内容とまったく違うことをしなきゃならなかっただろうし。堂島は、何も知らない彼を一から刑事に育てるために、あんなに面倒見てたのかなと思います。

でもって、足立は人の痛みを実感しにくい人間なんですね。相手の苦痛や悲しみを想像できない。
だから簡単に山野や早紀を手にかけることができたのかな、と。
愛想良く他人とふるまう姿は、彼の今までの人間関係を容易に想像させます。要領が良いから、いじめにも遭ったことないでしょう。

しかし堂島や奈々子達に接する姿を見ていると、足立の持つ良心が発露されている気がします。
足立からの手紙では、「そんなに楽しくなかった」とありますが。ここに、彼の闇を見た気がします。
アバター
2012/08/06 23:40
こんにちは、お邪魔します。
そうですね…本当は好きになれるほうがいいんです。実際私も基本的に新要素はなるべく楽しむほうで、1周目にコミュだけやった感じでは可愛くて面白い子だなと好印象だったんです。
ただ2周目で救出してみてストーリーの核心に関わってこられ、特別扱いされ、ロールや集合写真にまで出て来られるとダメでした。
どうもP4という作品に思い入れが強すぎるのか、水を差されたという印象が拭えないのです^^;
寛容さを磨かねば…笑
もっとも虚ろの森に行かない選択をしても後日談が出なくなるだけ、とも捉えられるので今後はそのルートで楽しむつもりです。


話は変わりまして足立刑事について。
共犯者エンドは薄暗さや後味の悪さ全開で個人的に気に入ったBADエンドだったのですが、
あの時の主人公の心情はどんなものだろう…?足立の味方に付くなんてあり得るのか?などと考えていたので、考察を読んでなるほどなと膝を打ちました。
プレイヤーと主人公との乖離、仲間キャラを信じられない自分。そういった心に沿ったエンディングだと考えるととても納得できました。

足立がなぜ人気なのか、私も少し考えてみたことがあります。
(彼に人気が出たのは制作側も意外だったようで、その理由を探っている…と聞いたことがあります)
個人的な考えとしては、蒼雪さんも書いておられた「二面性」に通ずるところがあるのですが、
どこまでが素でどこからが演技なのか分かりにくい所が大きいのかなと。
普段は口の軽いお調子者を演じている彼ですが、それらすべてが演技だとはどうも考えにくい。
そこまでできる人間ならばうっかり自白同然の内容を喋ったりしないでしょうし、脅迫状などもうまく処分するでしょう。

そこで思いつくのが初登場時の様子です。
死体を見た彼は吐き気を催し、道端でもどしてしまいます。
「自分はテレビに入れただけ」と辛うじて思えていたところに、紛れもなく自分の手によって人が死んだという現実。それを目の当たりにして身体に異常を来すぐらいには、マトモな感覚は残っていたのでしょう。
あの瞬間、残っていたわずかな罪悪感も一緒に吐き出してしまったように思えるんですよね…

長くなりましたが、つまりひどい悪役でありながら人間臭さが垣間見えること。そこに惹かれる人が多いのかなあと。
アバター
2012/08/06 09:02
砂原さん、レスありがとうございました。

可愛い女性が好きな人にとっては、どうでもいい意見かと言われそうですが、歴代ペルソナファンとしては黙っておけなかったのです。

ラスボス戦の励ましのシーンのトリがマリーになってる件。
これは多分、始まりがマーガレットなので、シメとしてVルームの住人=マリーを持ってきた感もあると思うんです。
でも最後に奈々子がいることに意味があったんですよね。大体、最後に出る人は主役にとって一番大切な人のイメージがありますからね。私もそこは非常に残念でした。

主人公は何も喋らないし、地の文にも「マリーが一番大切だ」などとは出ないので、どう考えるかはプレイヤー次第でしょう。
あのシーンは、別に主人公の好きな人が優先順位で出ているわけでもなく、アルカナの順番でもないですから。
なので「マリーは大切にしなきゃだめですよ」という誘導はあるものの、最後までプレイヤーに選択権はゆだねられていたとは思います。

もう4周もやってるとマリーのこともそう毛嫌いしなくなっていて、まあいいや、ぐらいには認めてきています。
新キャラだろうと、好きになれるものなら好きになりたいですし。でないと、せっかく好きなゲームが楽しめないですから…。
努力して、なんとか馴染もうとはしてました。まあ、それでも好きになれないキャラはいますけど…松永とか(笑)
しかし記事にも述べたように、ただ売るために彼女を作ったような印象がどうしても見えたので、ロールに彼女が出ているのは、今でも非常に不愉快ですが。
(説明書にもキャラ紹介されている=つまり彼女もメインキャラ扱いだから、彼女だけ消えるわけにはいかなかった~悲しい部分を一切排除するよう苦慮したかと)

ストーリーに大きく絡ませなかったのは、無印からのファンを裏切らないよう配慮したのかな、とも。
砂原さんの仰る通り、マリーが話に最初から関わると、話全体が別のものになってしまいますね。
マリーは奈々子とクマを合わせた存在なので、彼女が目立ち過ぎると、今度は奈々子達が霞んでしまう。
足立のコミュで、ストーリーに奥行きとドラマ性が増しただけに、このゲームは掘り下げはできても上乗せは無理だったんでしょうね。

砂原さんの足立のご考察も伺いたいです。またのコメント、お待ちしております。
アバター
2012/08/05 11:59
こんにちは。ご返信ありがとうございました。
マリーへの違和感を論理的に話す方が居てくださることに、なんだか安心しています。

せっかくシナリオを追加するなら、その伏線のように事件を補完する内容のほうが有難かったですね。
スパイと言われても、彼女大半はベルベットルームに籠っているのになぁ…?という感じではありました。それに確かにガソスタ店員で事足りている役目ですしね。
そういった所からも無理に新たな設定を作ったことが伝わってきてしまい、それも彼女に馴染めない理由かもしれません。

>何より嫌だったのは、マリーがイザナミ命と名乗るところ。
この点、もう完全に同意です。なんというか、まるでメインのヒロインとでも言いたげですよね。
いやいやそんな、話に関わってこないキャラにそんな大層な設定持たせても・・・こちらにとっては一コミュキャラなんだけど・・・というかぽっと出のキャラにでかい顔されても・・・といった思いが渦巻いてしまいました。
仲間たちもこぞって持ち上げるものですから、マリーに思い入れのないプレイヤーは余計に置いてきぼりになってしまいます。
その点、たとえば菜々子はとてもうまく作ってありましたよね。
シナリオ中でしっかり存在感を出し、「守りたい」と思えるように出来ていたと思います。

菜々子で思い出しましたが、ラスボス戦で力尽きた主人公を仲間たちが励ましてくれるシーン、
あれ元々大トリは菜々子だったのですが、その座をマリーがさらっと奪っていったのもちょっと複雑でした。

自己犠牲についても仰るとおりで、どうしてもP3のラストと比べてしまうんです。するとマリーのケースはやっぱり唐突かつご都合主義だなあと。
果たしてこれをP4のストーリーにねじ込む必要性はあったのかな、黒幕のもとに辿り着く前なのに事件の印象が薄れるだけでは?という印象を持ちました。

最新ブログ記事で仰っているとおり、もしマリーが話にちゃんと関わってくるキャラだったら印象も違ったでしょうね。ただ元々完成度の高い作品だけに、新キャラでそれをやるのは難しいですし元の雰囲気が損なわれる危険性もあるという……たしかにライターさんは苦悩されただろうなと思います。

また足立について書けませんでした。後日またうかがいます。
お読みくださりありがとうございました。
アバター
2012/08/04 09:06
砂原さん、コメント感謝です。

マリーが好きな人が多い雰囲気でしたので、砂原さんのようにしっかりした考えの方が賛同してくださったことに驚きです。
プレイ中、ネットに繋ぐと出来るサービスに「みんなの声」があります。初プレイ時にそのデータを見たら、早速という感じでマリーと過ごす人が多数でした。
つまり、ゲーム開始時からマリーとコミュをしていると、終盤で彼女が明かす「スパイだった」という言葉が活きてはくるんですね。
しかし私のように、12月まで放っといて、足立を倒すまでの2週間ほどで一気にランクを上げてしまうと、この記事のように違和感を覚えるわけです。
とはいえ、進め方でキャラの印象が変わってしまうのは、明らかに失敗かと思います。

砂原さんのご意見、まったく仰る通りです。まさにそのことを記事でも訴えたかった^^;
要は、マリーが浮いているってことです。
物語に説得力を持たすために伏線が各シーンに追加されていましたが(ライブイベントにて、生田目の出現など)、マリーはストーリーに絡んできません。
その理由が「人間の動向を探るスパイ」とのことでしたが、それならガソリンスタンド店員(イザナミ大神)で役目は足りてますよね。

何より嫌だったのは、マリーがイザナミ命と名乗るところ。
主人公のペルソナはイザナギなので、対になる女神の名前を出されては、転生や運命にかこつけるファンは、「運命の相手」と勘違いするでしょう。
仲間もセリフ中でマリーを大事にするものだから、どうしても「ああ、この子大事にしないと」と、プレイヤーも誘導されてしまう。そこが強制的、おしつけがましい印象です。
自己犠牲の展開は、あっても悪くなかったかと思います。そこはキャラへの感情移入如何でしょうね。
しかし、3での主役の自己犠牲の理由が素晴らしかったため、余計に陳腐には映りました。

4では、3で暗かった分、徹底的に明るくしようとした感じがあるので、本当は消えるはずだったであろうマリーも、最後にあんな形で生き残ったのでしょうね。
シナリオを読み込むと、ライターの方も、マリーには相当苦心されたのではないかと思いました。
ロールで出たのも、初期段階ではペルソナ使いの予定だったのかと邪推もしたりして。

書ききれない感はありますが、コメントへのお答えになっているでしょうか。
アバター
2012/08/03 21:06
こんにちは。コメント欄の解放ありがとうございました。お気遣いに感謝しますm(__)m
P4Gは色々改良された良リメイクだったのですが、マリーの扱いだけは本当に腑に落ちませんでした。

仰っているように、スタッフロールやエンディングで出張ってきたこと、あれには違和感しか覚えませんでした。
なぜ仲間面してそこに居るんだ、と。彼女がロールに出てくるなら堂島親子が出てきたほうがまだ自然では…と。
(個人的にはマリーが出てくる後日談はおまけであって、真エンディングは既存のものと捉えていますが…笑)

なぜマリーを受け入れ難いのか考えてみたのですが。
P4の根幹を成しているのはあくまで連続殺人事件および仲間たちとの日常なのですが、マリーのエピソードはそれらと離れたところにあり、かつストーリーの重要な部分に関わってきてしまいます。
つまり結果としてP4の持ち味を活かせなかった上、妙に存在感を出していることが大きいのかなあと思っています。
その上、RPG+殺人事件+ジュブナイルというオリジナリティの強いこの作品で、「自己犠牲」や「世界か一人の命か」といった陳腐な展開をやられてしまって、P4の世界に水を差されたように感じています。
このあたり蒼雪さんはどうお考えでしょうか。

また蒼雪さんの記事を読んで気づいたことですが、「守られる存在」は菜々子、「向こう側とこちらを繋ぐ存在」はクマと、既に彼女の役割を背負う人物は存在してるんですよね。
そこへ無理やり新たな設定と共にねじ込まれたのがマリーですから、違和感を覚えるも当然なのかもしれません。
世間では割と受け入れられているっぽい?のが納得いきませんが。やはり可愛い外見+人気声優は強いということでしょうかね…

特にストーリーに関わらない、ベルベットルームの見習い的な存在のまま済んでいたらどれだけ良かったでしょう。
蒼雪さんの考察どおり売るためだけにここまでプッシュされたのだとしたら、すごく残念ですし危険なことでもあると思います。

長々と申し訳ありません、P4Gに関する意見でここまで共感できたのは初めてでしたので。
足立に関する考察も楽しく読ませてもらいました。彼、考察しがいのあるキャラクターですよね。
文字数ギリギリなのでこの辺にしますが、またいつか感想など書かせて頂くかもです。



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