摩天楼オペラ「ANOMIE」感想
- カテゴリ:音楽
- 2009/06/29 05:25:13
摩天楼オペラ初のフルアルバムを手に入れましたので
早速聴き込んでいます。
ここ数年、発売を心待ちにしてしまうようなリリースというのは
俺の中でこの摩天楼オペラとVersaillesぐらいですね。
もちろん他にも好きなバンドはありますが、
「次はどんな作品が聴けるのか」という期待感を持てる対象は限られます。
このバンドは第1弾作品の「aikaloid showcase」で非常に大きな反響を呼び、すぐにKAMIJO主宰のSAS所属となったバンドです。
キーボードを正式メンバーとするのはV系にはあまり多くない構成かと思いますが、ジャンル的にはシンフォニックメタルが比較的近いような気がしますのでそこに違和感はなく、むしろうまくまとまっている印象です。
SAS所属後もシングルではインパクトの高い曲で期待に応える一方、
ミニアルバムでは楽曲の幅の狭さがやや難点となっていました。
バンドとして一つのスタイルを作り上げているけれど、そこからが広がっていかないということですね。
最近ではシングルのタイトル曲でも少し期待はずれなことがありました。
俺としてはフルアルバムに対しての一番の注目点は、その幅をどう広げてくるかでした。
今回のアルバムは
「ANOMIE」という名のバンドとして摩天楼オペラ名義を伏せて(実際は周知のことでしたが)配布された曲をタイトルナンバーに据えています。そのタイトルナンバーですが、これはまったく摩天楼オペラ王道ですね。
ただこれが原点回帰なのかどうなのか、アルバム全体としてはここ最近迷走気味だった本来の音作りに注力している印象を受けます。
音楽の幅という意味では多彩とは言い難いですが、個々の曲の完成度は充分な出来だと感じられます。最初のアルバムとしては当然とも言えますし、その意味での完成度は高いです。
次に期待することと言えば、やはりメリハリでしょうか。
「休符で表現する」という面で未熟な部分がある気がします。
メンバー全員が全力で表現する、というのは決して悪くないです。
が、バンドとしてはもう一歩上まで進める力を既に持っていますし、
そのキーは休符じゃないかなと感じました。
最初の作品の完成度が高すぎたが故にその後のハードルが高くなってしまっているバンドではありますが、パワーは衰えていないと感じられますし、これからにも期待が持てました。
アルバムの締めとなる「本質へと辿る愛」と、そこまでの流れはとても良いですよ。
技術★★★★☆
個性★★★★☆
歌詞★☆☆☆☆
旋律★★★★☆
印象:美しいメロディをぜひ聴いてみてほしいです。
もう頭から曲はなれません笑