本編いっきまーす！！

「うぎゃああああ…」
「おぎゃあ…おぎゃあ！」
長い夏が終わり、涼しい風が時折頬をかすめる。
そんな昼下がり。二人は誕生した。
教会の鐘が鳴る時間だった。
「ジョット様！お生まれになりました。可愛らしい王女様と賢そうな王子様でございます。
普段はおおらかで落ち着いた様子をみせる小間使いも、このときだけは髪を振り乱し慌てていた。
「まあ…。可愛らしい。名前はなんとつけましょうか。」
人々に聖母とたたえられる王妃ナナは、二人を抱き上げてほほえんだ。
「そうだな。一応考えてある。」
ボンゴレ王国の君主であるジョットは、ナナを見つめて。
優しい声でそう告げると、王子の頬を撫でた。
「王子は強く、たくましく育つように『ツナヨシ』と。王女は美しく、人々に光を与えるように『コローナ』と名付けようと思う。」
ナナは、それを聞くとこっくりとうなずいた。
「良い名前ね。」

運命の歯車は、時の流れと共に、この国の最後へと向かっていた。

はい。
ちょっとだけ企画の初っぱなを書いてみました。

前回の設定にくわえ、ボンゴレ王国創世メンバー掲載です。

ジョット
ボンゴレⅠ世ともいわれる。
元々勢力の弱かったボンゴレを、何所にも負けぬ大国にしたと伝えられる。
隣国で大量発生した伝染病であるグーラ病により崩御する。

ナナ
ジョットの妃。
ジョットの死後、政治の実権を握り、ジョットと同じかそれ以上の良い政治をした。
しかしそれも長く続かず、ジョットの後を追うように崩御する。
ジョットとは政略結婚により結婚するも、後に近衛隊長であるイエミツと男女の関係であったのではないかと噂されるが真相は定かではない。

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