Nicotto Town


黒曜のアジト


トンデモ企画悪ノ娘×リボーンⅣ


「はあ…。」
「はあ…。」
二人分の溜息が、広いホールに響く。

「掃除。おわらないぞ!どういう事だ。」
同僚のスカルが箒を振り回して暴れている。
また花瓶だとかを割らないと良いが。

大体オレは王女付きの召使いだ。
こんな雑用は本来オレの仕事じゃないのに。

「なあツナ…。もう適当に終わらせてひきあげようぜ…。」
明らかに箒で床を撫でてるだけだろうスカル。
「そう言うわけにもいかないだろう。今日は王女さまの誕生日。キャバッローネやミルフィオーレからも沢山客が来るんだ。」
本音を言うと、それだけではない。床に落ちたチリをあの王女であり、オレの実の姉であるコローナが見たりしたら、責任をとってクビ…なんて事になりかねないからだ。
クビの意味は、この王宮と、他とではかなり異なる。

何度目か分からない溜息をこぼしたとき、オブシディアン大教会の鐘が響く。
鐘のおとは大きく三回なった。

「おいおいツナ…やばくねぇか?」
「なにが?」
「今日の王女様のおやつ当番お前だろ?」
「ああ。それならベルに任せてある。」
ベルは、この城の従者では一番高い役職を持つスクアーロの養子。
それだけあって、大抵の仕事はそつなくこなしてくれる。
「ベル…あいつなんか薄気味悪いだろ…。何考えてるか分からないし」
「…?そうかな?」

「お~い!頑張ってるかい?がきんちょども。召使いもたいへんだなぁ…」
声を潜めて話していると、赤のマントを翻して長身の男が現れた。
近衛隊長だ。
「イエミツ様。近衛隊長の仕事ほどではありませんよ。」
「おうおう。素っ気ないねぇ…。昔みたいに父さんって呼んでも良いんだぜ。」
「そういうわけにもいかないだろ…。」

このイエミツという男は、他でもないオレの父親で、ボンゴレの発展に貢献した英雄に与えられた称号「三英雄」の一人でもある。
ただ、家に居るときは酒飲んでぐーすか寝てるイメージしか無かったけど。

「で…今日はどうして来てるんだ?」
スカルがこてんと首をかしげて聞いた。

「何って…城の警備に決まってるだろう。この不作の時期に、豪勢なパーティーなんか開かず、その分の食事を民に分けるべきだ。」
今年の夏は、日が照る時間が極端に少なかった。
それにより寒い日が続き、結果として作物は大不作だった。

「あの王女に忠言出来るのはイエミツさんだけっすね。」
以前から王女とイエミツの不仲は有名な話だったけど、正論を言っているのは確実にイエミツだ。ただ、今は正しいことが通る世の中ではなかった。

「…それにしても王女は出かけているのか?ナッツ…居なかったが。」
ナッツは王女の愛馬だ。王女以外が乗ることは許されていない。
「いや…。舞踏会を目の前にして出かけるはず無いですよ。侵入者とか?」
「あり得ないな。普段より厳重な警備を強いてある。」
「侵入者に対して厳重にしている分、脱走者に対しては手薄なんじゃねーの?」
スカルが苦笑混じりに言った一言だが…あの王女に関しては…

「「「まさか…」」」

そう言ったとき、ぱたぱたと走り回る足音が響いた
「王女~?どこったんだぁ?」
珍しく慌てた様子で現れたのはベルだった。

「おいツナ!王女部屋に居なかったぜ?」

此はもう決定だった。
慌てて駆け出そうとするオレをイエミツが引き留めた。
「オレに心当たりが!探してきます。」
「分かった。しかし無理はするな。」

城を飛び出て、森を抜け。
目指すは海の方へ。


あれから幾年。
可愛かった双子はこんな風になってました。
コローナは原案がノーマルツナ君設定だったわけだけど、その設定いま消えてます。
全部悪魔のせいです。スカルとイエミツの口調が微妙。

新キャラ設定。

スカル
王宮の召使いでツナの同僚。
おっちょこちょいだが気の良い奴で、力持ち。

イエミツ
ボンゴレ近衛隊の隊長。
民を第一に考える。コローナとは不仲。

続きます。






#日記広場:小説/詩

アバター
2012/07/17 17:15
うれしいです!最初誰得なのかと思って始めたんですが、読んでいただけるのは励みになります!
ちなみに俺得です。
アバター
2012/07/16 19:56
うー・・・面白い!!
続きまってます!!




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