Nicotto Town


黒曜のアジト


トンデモ企画悪ノ娘×リボーンⅤ


王宮の庭は、そのままボンゴレ王国とミルフィオーレ国の国境にある迷いの森へ繋がる。
正確にはボンゴレ側の森を「迷いの森」、ミルフィオーレ側を「千花の森」と呼んでいる。
ミルフィオーレに行きたければこの森を抜ければいいのだが、相当森を歩くのに慣れた者でない限りは森を歩いてミルフィオーレに行こうとする者はいない。
森の中はグルグル迷路になっていて、迷ったら最期、数日は歩き回る羽目になる。
だから大抵の人は少し遠回りしてでも町側を通る。

しかし、ナッツの物と思われる蹄のあとは、迷いの森の方に向かっていた。

小さい頃、王宮を抜け出してミルフィオーレの海を見に行ったことが何度もある。
方向音痴のコローナの手を引いて、ミルフィオーレへ。
僕はなんども、森は通っちゃダメなんだぞって教えたはずなのに、コローナは覚えていない。

そう。あのころの記憶はほとんどコローナから消え去っている。
それは実の弟であるオレのことさえも。
どうしてコローナが海に向かったのが分かったか。
コローナの記憶は消え去っているのに。
小さい頃以来ほとんど王宮から出たことのないコローナが行く所は其処しか思いつかなかったから。
絶対という証拠はないのに、何となく確信が持てた。

森を抜けると琥珀色の髪の毛を海風になびかせている少女がいた。
傍らには栗毛の馬。――コローナとナッツだ。

「ツナか。もう見つかってしまったようじゃの。この海をわらわは見てみたかったのじゃ。
道も知らないのに惹きつけられるように来られた。ふしぎじゃの。」

5年前と変わらないこの場所。
この景色はほとんど変わらないのに、オレたち二人はずいぶん変わってしまったと思う。


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2012/07/18 20:21
なっなんかほろり(☍﹏⁰)




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