悪ノ娘×リボーンⅩⅠ
- カテゴリ:小説/詩
- 2012/07/24 19:42:42
王宮から出てきたイエミツの様子は酷いモノだった。
足取りがフラフラして…歩くのがやっとの様子だったのだ。
コローナの作戦は成功したようだ。
イエミツが出てくる数分前に王宮の庭に待機していたオレは此所でイエミツの前に姿を現す。
「いよぉ!ツナ!おおそうだったそう言えば…」
「…。イエミツ様。覚悟!!」
コローナに貰った剣を抜いて、イエミツの前に構える。
「…誰の差し金だ…?…と聞くまでもないな。とうとうお前も王女様の狗に成り下がった訳だ。」
すっかり酔っぱらっていた顔のイエミツは、一瞬にして正気を取り戻したように見えた。
「普段の貴方の腕前なら、オレが敵う訳はないはない。…でも今はどうだ?」
「なるほどな。でもそれは分からないぜ?…その構えは…雄獅子の構えか。確かお前のオリジナルだったな。」
「ああ。貴方に教わった構えだと動きを読まれる可能性があるからだ。」
イエミツはオレのより数倍は重そうな剣を軽々構えてみせた。
剣を中段に構えるとイエミツに襲いかかる。
金属と金属の擦れ合う音。
呆気なく弾き返されてしまう。
「ふっ…腕はなかなかだ。でも戦闘中に喋りすぎるのは感心しないな。」
「それは貴方もでしょう?」
オレが後ろに引くと、イエミツが斬りかかってくる。
そのとき…。
「ぐっ…からだが…動かない!?」
苦しそうにうずくまるイエミツ。
「やっと効いてきてくれましたね…。」
「…酒に何か盛ったのか!?」
「ああ。あまり即効性のモノは手に入れる事は出来ないが、この程度の痺れ薬ならどうにかてにはいる。」
さようなら。イエミツ…。
「ぐはっ…」
剣をイエミツの腹に突き立てる。
肉が裂ける感覚。血があふれ出す感覚、全てが混ざり合って気分が悪くなる。
息も絶え絶え…瀕死の状態のイエミツが必死に何かを伝えようとしている。
「…なんだよ…最後…くらい…父さんって呼んでくれてもいいじゃ…ないか。」
そのとき銀色の物体がイエミツの懐から転がり落ちた。
「…ああ。それな…お前への…プレゼント。考えてみればお前。…王女と誕生日一緒だった…だよな。実は…王女とお揃いなんだ。いや。王女が持ってるの程高級なモノじゃない。レプリカだが…。男にリングなんぞあげても仕方なかったか?」
銀色に光る指輪。
中心には大きな石が埋まっている。
「やめろ…」
「やめろおおおおおお!!」
横たわるイエミツを放って、一目散に駆け出す。
血まみれになったリングを握りしめて。
覚悟は出来ていたハズだった。
王女にあの命令を下されてから。
王女の命令は絶対。
反抗者には死あるのみ。
もし反抗したらもっともらしい理由をつけて殺されるだけ
もし殺されたら君を守れないじゃないか。
母さんのあの言葉
「コローナは女の子だもの。ツっ君が守ってあげなきゃ。」
オレは…君を守りたかったんだ。
暴君でもわがままでも君は一人だけの僕の姉。
でもこんなの望んでいたことと違う。違いすぎる
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」






























文字数オーバーって・・・頑張ったね!
家光さんごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
こんな痛々しい事になるとは思って無かったよぉ…。
え。次からエンマ主人公で、同じ話を語る
「罪と悪と復讐と」
という編になります。(すぐツナ主人公に戻る予定です。)