父さんの葬儀は、国によってそつなく行われた。
王宮で仕事をする父さんの知り合いを始め、王族貴族の多くが参列してくれた。
受け入れられない現実に涙もでない。
ただただ立ちすくんでいると、父さんの同僚で、今は侍従長をしているスクアーロさんがこちらへ駆けてきた。

「う゛ぉおおい…しおらしいじゃねぇか。てめぇの父親は、そんな表情で送ってほしいとは思ってないはずだぜぇ？」
そう言って僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。

そう言えば、同じ三英雄のムクロさんも参列していた。
彼は、彼にしては珍しく、浮かない表情で父さんの墓の前に立つと
「馬鹿ですね…。」
とだけつぶやいて帰って行った。

他には親衛隊の人たちの他、僕の知らない人が沢山来ていた。
その中でも異彩を放って居たのは、お伴を沢山連れた金髪の男性だった。
彼は上物の服に身を包み、黒い仮面で顔を隠していた。
しかし、金糸の様な髪や、顔の輪郭からも整った顔立ちだと見て取れる。
きっと他国のお偉いさんがお忍びで来てるんだろう。父さんは思ったより顔が広いのかな？

土葬が済んだ墓に、花輪を添えると、現実が重たく感じた。
もう父さんは帰ってこない。
父さんの死は表向きには他国の暗殺者か、恨みを持つ賊の仕業と言うことで処理された。
でも、おそらく、いや絶対そんな理由で殺されたのではない。
父さんと王女の不仲は前から有名だった。

王女に…アイツに殺されたんだ。
僕は王女を絶対に許さない。
例え僕自身が悪の道を進むことになっても。


はい。エンマ君は自分の身近な人には結構愛着が強いタイプだと思ってます。
ともあれこの回、スクさんがいい人でしょ？

そう言えば、スクさんとエンマとムクロの紹介まだしてなかったですね。

スクアーロ
かつては、ジョット、次いでナナを手助けする目的で諜報および暗殺の面でボンゴレに協力した暗殺者。いまでもその腕は鈍っていないが、現在は表向き侍従長として、大勢の召使い、メイドをまとめている。三英雄の一人

エンマ
ツナと同じく小さい頃にイエミツの元にやってきた少年。
ツナの義理の兄。
イエミツから戦闘術の手ほどきを受けたため、戦いにおいての腕前はなかなかのモノ。
ただ、気が弱い性格故、王宮勤めにスカウトされるも断ってしまう。

ムクロ
ジョットの時代から王宮に仕える王宮術師。
「永遠の若さを持っている」「何度も姿を変えて生まれ変わる」というような噂が流れて居るほか、予言の能力を持ち、魔術、幻術、占術の腕前は最高峰のものであると言われる。
只今絶賛弟子育成中（ｗ

あ…ムクロの弟子ですが、本来ならあの子を持ってきたいところなのですが、ちょっと後のストーリーとの繋がりや性格的にも、ついでに

「僕の趣味です」←言わせてみたいｗ

を樹の乙女編でやるためにも、ここにはちょっとアレですはい。
しかし此所でカエルのあの子を出さないとあの子の出番が無くなる可能性があるなぁ。
でもごめんなさい。樹の乙女編は女の子中心な話になってきます。

俺得だけど、一般には需要がないか…？樹の乙女編。
とりま、ツナ主役の本編に戻ります。

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