Nicotto Town


黒曜のアジト


悪ノ双子ノ想イ人Ⅱ


「はあ…お使い…?」
お使い。たしかに下働きの仕事ではあるが、今回のお使い相手はオレが行くには荷が重い相手だった。
「そうだぁ。本来ならオレやもっと上の大臣格の奴が行くべき客なんだが、相手方が何の重役にも就いていない平の下働きを寄越せと言うのでなぁ。」
行き先はミルフィオーレ商業連合会会長フォン=アルコバレーノ邸。
「…。どういう事なんですかね?」
「う゛ぉおおい…それがオレに分かれば苦労はしないぜぇ?」
という事だった。
「ともかく相手は各国の王族に莫大なコネを持っている。ミルフィオーレから今年の不作による資金援助があるのもアイツのおかげだぁ。粗相なくやれよぉ!!」

あれ?コレって…。
ものすごく責任重大!!??

「はあ…」
緊張のあまり溜息が出た。
コレでミルフィオーレからのボンゴレへの援助が無くなったらギロチンの刑じゃ澄まない。
そんなことを考えながら呆然としていると、前から小柄な少女が歩いてきた。
彼女は王宮術師見習いのクローム。
現王宮術師であり、三英雄たるムクロの愛弟子だ。
彼女もムクロの事を尊敬しているだけあって、ムクロのものにそっくりなローブを身につけている。
そして、特徴的なのが痣。目の下に三角形を三つ連ねたような筆で書いたような痣があった。
「あの…ミルフィオーレ…行くの?」
「…?そうだけど。」
「えっと…これ。」
そう言うと、傍らから小振りなパイナップルを取り出した。
「パイナップル?」
「そう。とてもすごいパイナップル」
「どこら辺がすごいの?」
「とにかくすごい。ひたすらに」
「…そう。」
らちがあかない。それでコレをどうしろと。
「ミルフィオーレに居る友達に渡して欲しい。」
クロームの友達。どんな人なんだろう。
「彼女は目の下に痣がある。筆で書いたような…痣。」
あざ…。そんな特徴だけじゃ見つけるの無理だって!!
そう言えば聞いた話では生粋のミルフィオーレ人はみんな目の下に逆三角を三つ連ねたような痣があるって聞いたことが…。
「友達の名前は…キョウコ。」
そういうと通り過ぎていった。


ガラガラガラ…
一定の間隔で揺れる馬車と、襲う悪寒。
「馬車…酔うのか?」
運転手はのんびりした口調でそう言った。
もはや答えるのすら気持ち悪い。
「…そうとう酷そうだな。時間には余裕があるんだろう?少し外に出て休むと良い。」
「…でも」
「そう青ざめた顔で乗られるとウチも運転しにくい。あと…コレをやる。」
そういうと運転手は、紙に包まれた薬草を投げて寄越した。
「案外酔う奴は多いんだ。薬は常備しているから飲むと良い。」
まったくお恥ずかしいことで。
ミルフィオーレの町並みを目に入れながら少し歩いていると、どこからか澄んだ歌声が聞こえてくる。

「~♪」
何処か心癒されるような声。
いつの間にか吐き気も治まっていた。
歌っていたのは榛色の髪と目をした女の子だった。
彼女が歌い終わると、耳を澄まして聞いていた皆から拍手喝采が起こる。

「ヒュー!!流石はミルフィオーレ一の歌姫キョウコちゃんだぜ!!」

あれ…?キョウコ?
…もしかして。

少し近づくと、声を掛けられた。
「こんにちは。」
彼女の笑顔はてらいもない。まさに天使の笑顔だった。
「あの…キョウコさんですよね。あの…クロームって人から預かりものが…」
「クロームちゃん!?」
クロームの名前を出すと、キョウコさんが目を輝かせたように見えた。
オレは大きな鞄から例のパイナップルを取り出すと、キョウコに渡した。
「あ…とてもすごいパイナップルだ!!」
「…あの…どこら辺が凄いんですか?」
「…うふふ…とにかくすごいんだよ。ひたすらに」
結局分からないままなのか。見た目普通にパイナップルなんだけど…。
「あの…貴方の名前は?」
「あ…オr…僕はツナって言うんです。」
「そう。王宮に勤めているの?」
「あ…はい。そうですけど。」
「…ねえツナ君。多分私ツナ君と同い歳くらいだから、その敬語…やめにしよう?」
「キョウコさん…じゃなくてキョウコちゃんはいくつなの?オレは14歳なんだけど」
「私はせn…そう14歳!!同じ歳!!」
キョウコちゃんが一度どもったように聞こえたのは気のせいだろうか。
おもむろに時計を確認すると、お使いの約束の時間がだいぶ迫っていた。
「あの…オレアルコバレーノ邸に行かなければならないんでこの辺で」
そう言って走り出そうとすると、目を丸くしたキョウコちゃんに止められた。
「まって!私、そこで働いてるの。」


はい。キョウコちゃんとクロームについてはかなりオリジナルが入ってます。
ただ設定上どうしても必要だったので。

クローム
ムクロの愛弟子でなぞめいた少女。
術の上達は早く、このまま行けば次期王宮術師の座を引き継ぐ事になる。
まだ見習いで、ムクロのサポートを主にしている。

キョウコ
アルコバレーノ邸で下働きをする少女。
美しい容姿と歌声を持つ。

クロームとキョウコにある痣ですが、白蘭に付いてるモノそのままです。
生粋のミルフィオーレ人には生まれながらこの痣があり、この痣をミルフィオーレの人々は「大地神白蘭の祝福の印」と信じています。
なので、ミルフィオーレに住む人で、痣が無い人はあまり良くは思われません。所詮はよそ者扱いです。




#日記広場:小説/詩

アバター
2012/07/27 21:08
おぉ(`・ω・´)✦
カックイー( *´艸`)~♪
なるほど~わかりました(六ω・´)Ψ((霧ッ
アバター
2012/07/27 21:01
俺得=「俺が得する」と言うときは俺得という。

誰が得するんだよこんな小説!!と聞かれたら
俺得!!と迷い無く答えるぜ。
アバター
2012/07/27 20:59
へー・・・そうなんだ!
僕食べたことないなぁ´ω`*
・・・この際聞いとくけど、俺得ってなに?←ずっと気になってた言葉
アバター
2012/07/27 20:53
おおゴメン修正しちゃった。
ひつまぶしは刻みウナギ入りご飯のこと。
今の感じいいかな?俺得ではあるけど。
アバター
2012/07/27 20:34
ひつまぶしって何!?何!?←変なとこに食いつくw

いい感じになってきました!
今の感じいいねb←ワケわからん!




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.