Nicotto Town


黒曜のアジト


悪ノ双子ト想イ人Ⅲ

ガラガラガラガラ…
二頭立ての馬車は石畳の町並みを走る。
結局、キョウコちゃんもアルコバレーノ邸に帰るらしいので、一緒に馬車に乗って貰うことにした。キョウコちゃんはこの町へ、買い出しに来ていたらしい。
「この町からなら、アルコバレーノ邸は歩いてもすぐだ。一人分の運賃でいい。ウチの奢りだ。」
馬車の運転手さんはそう言っていた。
実はこの馬車も運転手さんも国が手配したもの。第三者を乗せたとなると、ちょっと面倒だから、コレはとても嬉しかった。

「私はね、千花村っていう小さな村から、ミルフィオーレの首都「アフェランドラ」に出てきたの。実は友達も一緒なんだけど、その友達がちょっとみんなと見た目が違って苦労してるんだけど…」
そう言えば、ミルフィオーレは異民族に対する差別が酷いらしい。
きっとその中で異民族であるアルコバレーノ家の発展は大きな出来事だったんだと思う。

その後は、お互い下働きと言うこともあって、仕事のことで会話が弾んだ。
「へぇ…ツナ君は王女様専属なの?すごいね!」
「ああ…でもその王女がとんでもないわがままで…」
王女の愚痴を言うと、キョウコちゃんはクスクスと笑っていた。
「でも、ツナ君は本当に王女様のことを悪く思ってるわけじゃないんだね。ツナ君の口調、まるで出来の悪い兄弟の事を言ってるみたいだもの。」
「…そ…そうかな」

オレが歯切れの悪い返事をしてしまったせいか、馬車の中で、会話がぷつりと切れた。別に無理して話すことも無いけど少し気まずい。
そこでオレは、キョウコちゃんの胸に下がるペンダントを話題に出した。
「そのペンダント…素敵だね。」
それは、貝殻に鈴の付いたペンダントだった。
しかし、本音を言うとそうは思っていない。何となく、彼女にアクセサリーは似合わないような気がした。飾り付けない可愛らしさを彼女が持っている様な気がしたから。
キョウコちゃんは少し困った様な顔をして答えた。
「ありがとう…これ人から貰ったものなの。」

程なくしてアルコバレーノ邸に到着した。
そこは、王宮ほどではないけど、庶民には考えられないほど大きな豪邸で、赤煉瓦の壁が美しい。
使用人用と思われる裏口から中にはいると、応接室に案内された。
「ちょっと待って、フォン様呼んでくるから!!」
そう言って部屋を出て行った。
部屋中を見渡すと、なにやら不思議な雰囲気の骨董が飾られている。
綺麗な人形…派手な装飾のナイフ…使い方は分からないけど、銀色の武器、肖像画の数々…どれも管理が行き届いていた。
しばらくして、黒髪の男性が応接室に入ってきて座る。
「初めまして。ボンゴレの方ですね?私はフォン。フォン=アルコバレーノと申します。」
そう言うとフォンさんは、手を差し出してきた。
「ええっと…ツナ=サワダと申します。」
オレはそう言うと彼の手を取る。
「よろしく。」
フォンさんは、人の良い笑みで、オレをもてなしてくれた。


はい。初登場ですフォンさん。
彼はキャバッローネからの移民なので、他のミルフィオーレの人々とは違い、痣は無いです。
あと骨董マニアです。悪ノ娘原作では親バカキャラですが、まあ…多少受け継いでます。

#日記広場:小説/詩

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2012/07/28 13:42
そうなんだ!
うん^^じゃあ聞きます!
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2012/07/28 13:40
おう。
割と難しい言葉や漢字を進んで使ってるから(雰囲気出すためだけど)分からなかったら聞いてね。
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2012/07/28 13:38
あぁあ、似合うね!
ヾ(●´□`●)ノ【゜+。・oアリガトウo・。+゜】ヾ(○´□`○)ノ
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2012/07/28 13:35
こっとうマニアです。
古い道具や古い美術品を主に集めて居るようです。
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2012/07/28 13:24
フォンさん出てきました!
何マニアなの?←読めない




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