Nicotto Town


黒曜のアジト


悪ノ娘ト想イ人Ⅵ

ここは天国庭園(ヘブンリーヤード)。
大理石の噴水や、美しい花々が咲き誇る豪華絢爛な庭園だ。
そんな庭園で、オレたちはティーブレイクを楽しんでいた。

「そうッス!!コローナ様。新人の小説家にユニって人がいて、そいつの小説がすっごく面白いんッスよ!!」
スカルが小説の良さを語っていた。このご時世、文字を読めるのはほんの一握り。
彼が小説を楽しむほどに文字が読めるのは少し意外だった。
「ほう…?最近王宮に居ないことが多いのはその小説というのを買いに行っているからじゃろう?」
美しい白磁のティーカップからお茶をすすり、コローナはスカルにそう聞いた。
「なっ…それを言うなら、ベルだって王宮に居ないことが多いッス!!」
「そうか…なんじゃ?外に恋人でも作ったか?」
平和な歓談のひとときだった。こんな日々が続くのなら。
オレはコローナ…君を守ってあげたい。
そう心に決めたとき、頭に浮かんだのは何故かコローナではなく、

…あの日のキョウコちゃんの笑顔だった。

その夕方。
ボンゴレにキャバッローネより手紙が届いた。
その内容は、キャバッローネ王よりボンゴレ王女への婚約破棄の知らせだった。
キャバッローネ王…たしか名前はディーノと言ったはずだけど、は思い出す限り笑顔のまぶしい好青年だった。
ボンゴレとキャバッローネは前王同士が仲が良かったため、自分の子供両方が15歳以上になった年、二人の婚姻を行おうと決めていた。
コローナがディーノさんを好いていたのは明らかだったし、ディーノさんもコローナを妹分のようにかわいがっていた。…なのにどうして。

「はい…先ほどの手紙によりますと、他に想い人が出来たようで…」
「誰じゃ!!ディーノお兄様をたぶらかした女は!!」
「それが…目の下に筆で書いたような痣のある美しいミルフィオーレ人だそうです。」
そういったハヤトの顔は少し青ざめていた。
「殺せ!!今すぐに殺すのじゃ!その女を!!」
それをハヤトの傍で腕を組みながら聞いていたムクロは呆れたように言った。
「そうはいいましても、誰かさっぱり分からないでしょう…。ミルフィオーレ人にはほぼ全員そのような痣がありますよ?」

それを聞くとコローナは、息を吸い込み狂ったように叫んだ。
「分からないなら、全員殺してしまえば良いじゃない!!痣の女全て!軍を配備して。ミルフィオーレに攻め入るのじゃ!」
「しかし王女様。森へ軍を向かわせようとしても森が邪魔でとても…」
ハヤトが慌ててそう言うと、コローナは黒い笑みを零す。

「森が邪魔なら…焼いてしまえば良いじゃない!全て。」
ムクロが息を飲む。
「ふざけないでください。あの森には大地神ビャクランの宿る千年樹があります。千年樹が術にどれだけの影響を持っていると思っているのですか!?そんなのは馬鹿のすることです。」
ムクロがまくし立てるようにそういうと、鏡の間に張りつめた空気が流れた。

「この無礼者の首を撥ねよ!」
コローナは自分の命令を弾かれた上に、馬鹿扱いをされて相当不機嫌になっていた。
「おやおや。殺されてはたまりませんね。殺してみなさい。…出来るものなら。」
そう言って逃げるムクロをオレは追いかける。
ムクロが王宮の玄関まで来たとき、ムクロはこういった。
「クフフ…貴方もあの王女の味方をするのですか?…せいぜいお姉さんを大切になさい。
ツナ…いいえ。ツナヨシ王子。」
そう言って彼の姿は、霧に紛れて消え去った。

鏡の間に戻ってくると、コローナは今までにディーノに貰った宝飾品の数々を床に投げつけていた。
その中に、貝殻と小さな鈴をつないだ可愛らしい貝殻のペンダントを見つけた。
たしか…オレもコローナも小さかった頃、求婚の品としてディーノ王がコローナに挙げた物だったはず。
それの存在はすっかり忘れていたけど、何となく嫌な予感がした。
ディーノ王の想い人とは…まさか。

#日記広場:小説/詩

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2012/07/31 20:20
確かにいざこざあるねー
キャスト選び・・・確かに迷うよねぇ・・・
楽しみにしとくね!
アバター
2012/07/31 19:40
ハク役さんは本編だと最後の方に出番がある。
ついでに樹の乙女編ではメインキャスト。

あの辺のキャストはかなり迷ったなぁ…。
女の子自体少ないから、このキャストに女の子持ってくるのは諦めて山本と獄寺辺りを…とかも思ったけど、
樹の乙女のあたりでは、女の子特有のいざこざがあるんで女の子を持ってきた。

楽しみにしといて!!
アバター
2012/07/31 19:06
骸しゃんは気付いてたんだ!
流石骸しゃん!
コローナが『嫉妬に狂った王女様』についになった!
あぁうぅ…ハク役は?・・・まぁ、楽しみにとって置きますか。




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