Nicotto Town



「ASCENDEAD MASTER」感想

文字数制限でタイトルにVersaillesが入れられませんでした・・・
がまぁ内容の伝わるタイトルではあると思うので良しとします。

Versaillesのメジャーデビュー作品となるシングルです。
このタイトルは
Acended master=(宗教的)高次元の指導者とdeadの造語ですね。
バンドのキーワードである「薔薇の末裔」に、
現代に現れた永遠の命を持つ者達による革命、といった今作のコンセプトを重ねているのでしょうか。

まず印象に残ったのは楽曲の構成で、
各パートの主題を出し惜しみなくワンフレーズづつ繰り出しながら
1分にも満たずに1回目のサビへ到達します。
これはメジャーを意識している部分なのかなと思わせます。
ただし歌モノに走って簡単な構成になっているわけでは決してなく、
サビ以降は複雑に作り込まれていますし、
各個のフレーズを聴いても期待通りのクオリティになっています。
また、歌詞や初回盤収録のショートムービーの内容から、
「薔薇の末裔として永遠の時を旅する者達が主舞台に現れる」場面を
現実のバンドとしてのメジャーデビューに重ね合わせていることが解ります。

今回は初回盤3種にそれぞれ異なるショートムービーが収められたDVDが付き、
通常盤にはカップリング曲が収録されているという
全4種での発売です。
贔屓目に見れば通常のアーティストよりもコストのかかるプロモーションの費用を回収する意味もあるのだとも言えますが、
やはりこうした売り方はファンの足元を見ているようで好ましいとは言い難いですね。

通常盤のみ収録の2曲目「月下香」は、作詞もHIZAKIによるものです。
歌詞はやはりメタラーと言うべきか、
独特の世紀末感といわゆる「クサさ」がよく表れています。
このクサさはKAMIJOが書く詩のそれとはまた違いますね。
コテコテのシンフォニックメタルで聴き応えがあります。
SFORZANDO(コンピレーションアルバムに収録)と同様、
Versaillesの「物語」からは外れた位置付けの曲のようです。

売り方にはいささか疑問がありつつも、
充分に聴く価値がある作品となっています。
ファンではないけど興味があるという方には当然通常盤がおすすめですが、ストーリーの部分まで興味を持てたらぜひ各種限定盤も手にとってほしいと思います。



技術★★★★★
個性★★★★★
歌詞★★★★☆
旋律★★★☆☆
印象:ポップ寄りながらメタルを楽しめる作品です。




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