Nicotto Town


黒曜のアジト


罪ト悪ト復讐トⅤ

「おまえたちに協力したいんだ。」
仮面の彼はそう言った。
「何の事かしら?あなたには関係の無いことです。」
仲間の一人、アーデルハイトは、ぴしゃりと言い切った。それでも懲りず、重たい声で言った。
「とぼけても無駄だぜ?おまえ達が何をたくらんでるか。オレはつかんでるんだ。」
後ろで、男衆達がひそひそと話しているのが聞こえた。
「おい…どうするよ。」「ずっと仮面を被ってるなんて信用ならんな。」
僕は、薄々彼が誰か分かっていた。僕は少なくとも1回は彼に会ったことがある。

「いいよ…アーデルハイト。仲間に入れよう?」
僕がそう言うと、アーデルハイトは不思議そうな顔をした。
「…エンマ…?」
「彼は信用できる…多分。」
彼はきっと高貴な身分な人なんだと思う。彼からは、身分を捨ててでも革命に参加する覚悟が感じられた。
「そこまで言うなら…」
そう言ってみんなは首を縦に振った。
「でも…名前を教えてくれますか?」
「ランパンテ…そうよんでくれればいいぜ。」
僕達に仲間が加わった。

コンコン…軽いノックの音が響く。
「頼まれた物を持ってきましたよ。」
ドアを開けて入ってきたのは刀鍛冶をしているスカルの父親だ。
「協力ありがとう。お代…本当にいいの?」
彼は、僕達に武器の協力をしてくれる事になった。それも無償で。
彼だって生活が楽なはずはないのに、少し悪いと思ったんだ。
「気にしないでください。その代わり革命。…必ず成功させてくださいね。」
「はい。頑張ります。」
革命を待ち望んでいる人は意外と多くいるかもしれない。
「おいおい…こんなでっかい剣、ラウジでももてないぜ?」
メンバーの一人、ジュリーが外の荷車から一番大きな剣を見つけていった。
「ああ…それは皆さん用では無いですよ。」
「…あの子のこと、本当に良かったんですか?」
「本人が言うんです。仕方ないでしょう?」
そう言っても、彼を巻き込むのは少し気が引けた。
「ああ…そう言えば、イエミツさんの遺品――剣と鎧が見つかりまして。鎧はエンマさん用に作り替えました。あと、剣はさすがにエンマさんでは扱えないと判断したため、親衛隊の紋章だけ切り取って鎧に取り付けましたよ。」
目の前に差し出されたのは、真っ赤な鎧。父さんと同じ赤い鎧。
父さんの死を忘れない。必ず王女を、あの…王女を。

数日した頃、ランパンテが沢山の部下を連れてやってきた。
彼らと少し手合わせをしたけど、みんな戦い慣れたエキスパートだった。
農民がほとんどのこのレジスタンスで、心強い。
そして実践して分かった。スカルの親父さんから貰ったこのレイピアが驚くほど手に馴染む。

そしていよいよ決戦の日は迫っていた。


#日記広場:自作小説

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2012/08/05 19:38
たしかにww
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2012/08/05 19:32
性格的にはアーデルさんでも良かったんだけど、独断と偏見でエンマ。
復讐…的なのには割と合う役だとおもいまして。
アバター
2012/08/05 19:30
おぉww
エンマくんメイコの役だねw←いまさら




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