Nicotto Town


つれづれ 思うがままに


ティータイム♪満月の夜の気まぐれな客人(前編)

満月の夜は特別―――――

これは前にも書いたかな?お月見に行けるから!

でもね、実はもう1つ特別なことがあって―――――――――




屋敷を抜けた場所にある池の中央に満月が映るとき、その人はやってくる。
とは言っても、毎回来るわけじゃないけど。


月が中央に映った時、池全体が揺れ大きな波紋が出来ていく。そして、月を破るように1人の男が飛び出て来る。

――バシャッ!!!

という大きな音をたて、池から飛び出でてきた男は、唇の端で笑うと、一瞬で池の外に移動し、ゆっくりと屋敷へ向かって歩いていく。




「ただいまーっ!!」
「帰ったぜ!」

恒例のお月見を終え、屋敷に戻ってきた年少組2人を、優雅にお茶を飲みながら年長組
が迎える。

「お帰りなさい。楽しかったですか?」
「おかえり〜お土産は~・・・」
「ねぇよっ!!!」

お土産~といながら伸ばしてくる瑞の腕をうっとおしそうに蒼が振り払い、後ろからきた翠は、それを華麗にスルーし、備え付けのキッチンの方に掛けていく。

「みんな冷たいよね~・・・」
「貴方がトンチンカンなこと言うからですよ。2人はすぐそこにお月見に行っただけなんですから。」
「それでも、花くらいはさ~・・・」
「貰いたいのですか?花。彼らから。」
「蒼ちゃんからはエンリョしたいけど、翠君からなら・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ショタコン?」
「うん。違うから~・・・それはないから~・・・」

みんなしてひどいよね~・・・と呟きながら椅子の上で体育座りをはじめる瑞の耳元に不意に声がかかる。

「なら、この俺様が慰めてやろうか?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「ただし、1回1億だがな。」



「ヒィィィッ!!!!!」

いきなりかかった声に、怪訝な顔(と言っても前髪で顔半分見えないが)で振り向くと、目の前にドアップの男の顔。その顔を見たとたん、瑞はその体制のまま、ビシッと音を立てて固まった。

瞬間、瑞から普段の彼なら絶対出さないような声もとい悲鳴が上がる。

「っせーな!耳元で叫ぶな!!」

男は片耳に指を入れながら、不快そうに顔を歪める。

「なっ、なっななななな・・・・・・」

突然のことにうまく言葉がでず、口をパクパクさせ、震える指で目の前の男に向かって指を差す。

「久しぶりだな!ミズ。」

男は楽しそうなにいたずらっぽい笑みを浮かべながら、瑞の反応を伺っている。

「えーっと、大丈夫か?瑞。」
「しっかりしてください!気をしっかりもって!」
「ていうか、どこから入ってきたの?この人。」
「あー、お前ら2人と一緒に入ってきたんだよチビども。」
「気づかなかった・・・っておい!誰がチビだ!」
「さすが!すごいね。でもチビって・・・これでも僕結構(ブツブツ・・・」

「そんなことどうでもよくて~!!何しに来たの流水さん~!!」

すっかり他のメンバーとワイワイやってる男、流水に瑞が力いっぱいツッコむ。

「満月だからな。会いに来たんだ。元気そうでよかった。」

先ほどの、俺様な態度と違って優しげな笑顔を浮かべると、流水は瑞の頭をわしゃわしゃと撫で回す。

「お願いだから、会いに来るときは事前に連絡を・・・」
「そんなことしたらつまんねぇーだろ!お前の変顔と素っ頓狂な悲鳴も聞けないしな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「S。」
「Sだな。」
「Sですね。」

流水のいい笑顔と言葉に、思わず心が1つになる3人。

「そこー、何か言ったかー?」

「「「「いえ、何も!!!」」」

「・・・まぁいい。今日は少しの間だが世話になるぜ!!」

「もう、好きにしてください~・・・・・」


カラカラと愉快そうに笑う男に、そっとため息をつく瑞だった。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ハイ、久しぶりにこのシリーズ書きました!!

色々設定忘れてる;;後で手直しアリですね;;

流水に関しては新キャラです!次の後編で容姿とか書きますv

はたして、上手くドSキャラが書けるのか!?

ものすごく不安です・・・・・





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