Nicotto Town


黒曜のアジト


樹ノ乙女~術師ノミタ夢~


戦争…
革命軍…
断頭台の王女…滅び行く国…

時は戻り…革命前の王宮へ…


side_mukuro

偉大なる女王は死んだ。
彼女には気まぐれで力を貸していたつもりだったのですが、時が流れるのに従って、心から彼女を信用していた。
彼女は僕の主君であると同時に、友人でもあった。
そう…人は死ぬのです。それが普通。

やはり、僕には友達など要らなかったのでしょう。
僕には目的がある。
そう…大罪の宝物を探すこと。
こんな国…早急に去ってしまいましょう…。

鏡の間に行くと、壁一面に飾られた肖像画がある。
王と三英雄…そう呼ばれる絵で、ジョット王の傍に、盾を持って寄り添うナナ元王妃。
そして二人の周りを固める三英雄。
そんな絵をただ呆然と見つめる者が一人。
長く美しい銀髪…一見すると女性にも見えるが、身長も体型も鍛えられた男のそれだった。

僕はナイフを懐から取り出し、彼に襲いかかる。
――一瞬のうちに剣を取り出した彼は、僕の持っていたナイフをはじき飛ばす。
「う゛ぉおおおい!何のつもりだぁ!?」
「おやおや…流石ですねスクアーロ。このボンゴレを去る前に、僕を知るものを全員殲滅してしまおうかと思いまして。」
僕がそう言うのを聞くと、スクアーロは僕の持っていたナイフを拾い上げ、刃に指を持って行く。
スクアーロが刃の部分を押すと、指が切れることもなく、ナイフの刃が柄に引っ込んでいく。
「ふん…よくできた玩具じゃねぇか。玩具で人は刺せないぜぇ…それにしてもムクロ…てめぇボンゴレを去る気かぁ!?」
「ええ。僕を雇った者はもう居ませんからね。」
「う゛ぉおおい!!まて。今ボンゴレは不安定な状態だぁ!お前には居て貰いたい。」
スクアーロは少し困ったような顔をして、部屋を出て行こうとする僕を引き留めた。
「…困ったものですね。ではこうしましょう。僕が近いうちに立派な術師を一人、育て上げます。その弟子に僕の仕事を継いで貰って僕は楽隠居…というのは。」
僕がそういうと、銀髪の髪の毛の下にしかめっ面が浮かんだ。
「隠居って…てめぇはジジィか。それにお前の実力に釣り合う程の術師が簡単に育つのかぁ?」
「クフフ…僕に年を聞くのは野暮というものですよ。それに魔術など素質ある者ならそう苦労はしません。」
彼は腕を組み、もう一度肖像画を見上げて言う。
「そういやぁ…オレがガキの頃初めててめぇに会った時、てめぇはもう既に大人だったよなぁ。今はオレの方が年上に見られてんのに…てめぇどうなってんだ?」
首を傾げて見せた彼に、僕はわざと微笑みをうかべて返す。
「クフフフ…有り余る魔力を持つ者の特権ですよ。」

「おいスクアーロ…入るぜ。」
乱暴にドアをノックし、入ってきたのは、大臣ハヤトだった。
彼は、ちょっと珍しい人物だった。
双子の王女と王子が生まれたとき、「絶対王女を君主にすべき」と主張した数少ない人物。
つまり昔からの王女派で、王女には相当の敬意を払っておきながら、そのほかの人物には全く敬語すら使わない。
「なんだ?ハヤト。」
「ああ。召使い見習いになる奴が来るらしい。教育係はてめぇにまかせるとよ。」
「ほう…召使い見習い…この時期に珍しくないかぁ?」
そう問うスクアーロに横から僕が口を挟む。
「クフフ…それはきっと王女の片割れですね。良かったじゃないですか。貴方好みの美少年ですよ。ハヤト君」
「はぁ!?ふざけんなオレにお稚児趣味はねぇ。それに王女の片割れならもっとだ!!恐れ多いっつの。まあ、オレは王女派一筋だけどなっ。」
いつもしかめっ面をしている彼の眉間にびしっと皺が寄ったのは言うまでもなく…。
さて…大臣をからかうのもこれくらいにして、僕は行動に出ましょうか。
「僕は少し出かけますよ。」
「けっ…死体になって帰ってくるんじゃねぇぞ!!」
最後まで突っかかってくる大臣をよそに、僕は王宮を出た。

#日記広場:自作小説

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2012/08/17 18:40
・・・コメが難しくなってきたww
ハヤトがビミョーーーーーーっにちょーーーーーーーーっとだけ変態っぽい気がした←
そして縁起でもないこと言いやがったΣ(ŎдŎ|||)




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